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名物先生と斜陽日本(PART 2)

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名物先生と斜陽日本(PART 2)


地盤沈下する社会



世界最高水準だった子供たちの教育水準も急低下している。
OECDにより、15歳児を対象にした学習到達度調査(2009年)では、2000年時点の調査と比較すると、いずれの項目でも低下の一途をたどっている。
日本は、65ヵ国中、読解力8位(200年8位、2003年14位、2006年15位)、数学的リテラシー9位(200年1位、2003年6位、2006年10位)、科学的リテラシー5位(2000年2位、2003年2位、2006年6位)である。

数学的リテラシー、科学的リテラシーと、理系の教育水準の低下が顕著である。
しかも、上海、シンガポール、香港は、3分野すべてにおいて日本を上回り、かつ上海は3分野すべてにおいて世界1位である。

(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
イラストはデンマン・ライブラリーより)



80-81ページ
『震災で日本経済はどうなるか』
著者: 藤田勉
2011年5月12日 初版第2刷発行
発行所: 日本経済新聞出版社




あらっ。。。日本の生徒はずいぶんと学力が低下しているのですわね。



いや、学力の問題だけではないですよ。 イジメだとか、不登校だとか、先生に暴力をふるうだとか、とうぜん小百合さんの次男のような問題も起こる。

。。。で、デンマンさんは、どうすればよいと考えているのですか?

難しいですよ。 斜陽化している日本の社会も教育も急に良くはならないですよ。 でもねぇ、将来を担(にな)う子供の教育こそ日本が最初に取り組まねばならない問題だと思いますよ。

でも、現在の駄目な政治家が真面目に取り組むかしら?

だから、ネット市民が立ち上がるのですよ。 ネット市民がこれからの日本の教育はこうあるべきだと、声を大きくして他のネット市民に語りかけるのですよ。

。。。で、どうすれば良いとデンマンさんは思うのですか?

あのねぇ、学力テストでトップに立っている国はどこだと思いますか?

アメリカですか?

いや、違うのですよ。 意外にも北ヨーロッパの小国・フィンランドなのですよ。

フィンランドですか? ちょっと考えられませんわね。

そうでしょう? 僕もちょっと驚きましたよ。

どうしてフィンランドの子供たちの学力がそれほど素晴らしいのですか?

あのねぇ〜、OECDが3年に1回実施する学力テストであるPISA(学習到達度調査)でフィンランドはマジで世界トップに立っているのです。

だから、どうして小国のフィンランドの教育レベルがそれほど高いのですか?

驚くべきことに、日本では学力低下を理由に授業時間を増やそうとしている。 ところが、実はフィンランドでは現在の日本より授業時間が少ない。

マジで。。。?

このような時に僕は嘘や悪い冗談を言いませんよ。 授業時間を増やせば学力が向上するわけではないのですよ。

授業時間が日本より少ないのに、どうしてフィンランドの子供たちは学力が上なのですか?

先生の質が日本よりも上だからですよ。

つまり、日本の先生方に優秀な先生が少ないというのですか?

そうですよ。 日本では橋本先生のような人が少ない。 僕は自分が教師としての熱意を持ち続けることができなかったから潔(いさぎよ)く辞めたけれど、日本では先生はサラリーマン化している。 食べるために教師をやっている人が圧倒的に多いと思いますよ。 中には麻薬に手を出して警察に逮捕される先生まで出てきた。 これでは、日本の将来を担う優秀な子供が育ちませんよ。

フィンランドの先生はどのような人たちなのですか?

フィンランドの先生は授業についていけない子どもを出さない。

マジで。。。?

あのねぇ〜、フィンランド政府は教育の現場を信頼し、優秀な教師を育て、教育現場には口をださない。 日本の文部科学省に当たる教育省は、教育条件の整備にあたるけれど、教育内容には全く口は出さないのですよ。 カリキュラムづくりは、国家教育委員会という専門家集団に任せます。

日本の場合には、確か、教育現場に立つことのない文部科学省の役人が中心になってカリキュラムの方針を作成するのでしょう?

その通りですよ。 日本では教育の現場を知らない素人の委員たちが教育に口を出すのですよ。 フィンランドでは、教科書検定は、かつては実施していたけれど、現在は廃止しています。 教科書は出版社が独自に作成する。 その教科書を採用するかは、各学校あるいは個々の先生に任されている。

あらっ。。。ずいぶんと民主的なのですわね。

そうです。 現場への信頼は教師に対する信頼でもあるのですよ。 校長は、教師の勤務評定をしない。 すべて教師任せです。

でも、どうしてフィンランド政府も国民も、それだけ先生を信頼できるのですか?

あのねぇ〜、フィンランドの教師は高い能力が求められている。 大学院で修士号を取得しなければ教師になれないのですよ。 しかも、大学では計300時間を越える教育実習を経験します。 僕が教育実習で教壇に立ったのは、たったの1時間だけだったですよ。 レポートを書いたり指導教諭との話を含めても5時間以上は時間をかけなかった。 

それだけ。。。?

そうなのです。 ところがフィンランドでは、教師になっても、実践的な研修を絶えず受けるのですよ。 教師は、各学校が独自に採用します。 校長と地域の父母代表が面接する学校もある。 もちろん、最終的には校長が責任を負います。 しかも、面接に合格しても、1年間は仮採用。 他の教師が研修で休む間に代理で授業をし、その教え方を見て、正式に採用するかどうかを決めるのです。

あらっ。。。先生を選ぶのにずいぶん厳しいのですわね。

そうですよ。 日本のようなサラリーマン先生では勤まらないのですよ。 

でも、「授業についていけない子どもを出さない」というのはマジですの?

あのねぇ〜、1クラスの生徒は20人前後。 少しでも授業についていけない子どもがいると、その子だけの補習授業をすぐに設けるのですよ。 しかも、先生は雑用をしなくてもいいので子供の教育に専念できるのです。

日本の場合だと、授業が終わっても先生はクラブ活動の顧問として遅くまで学校に残ったりしますよね?

フィンランドでは、そのような事は一切ないのですよ。 進路指導も選任のカウンセラーが居る。 一般の先生は生徒の進学先の相談に応じる必要もない。 先生の仕事は授業をすること。 落ちこぼれのないように生徒の面倒をとことん見るのですよ。 しかも、生徒に勉強に対する熱意を植え付けてゆく。

要するに橋本先生のような方がフィンランドの先生にはたくさん居るのですわね?

その通りですよ。 日本も何とかしなければ、未来の日本を背負う人材が育ちませんよ。


【卑弥子の独り言】



ですってぇ〜
そうですわよねぇ〜♪〜。
日本も橋本先生のような独創的で教育熱心な先生が増えなければならないのでござ〜♪〜ますわ。
あなただってぇ、そう思うでしょう?
あなたも食べるために教師をやるのはやめてくださいね。
昔の先生のように“教師は聖職だ”と信じることができる人のみ学校の先生になってくださいね。

独創性も無く、教育に対する熱意も無くなったら、デンマンさんのように潔(いさぎよ)くさっさと辞めてくださいね。
うふふふふふ。。。
先生をしながら安易な気持ちで食べてゆくなどという、姑息(こそく)な考え方はやめるべきだと思いますわ。

あたくしも教師の端(はし)くれとして誠意と熱意を持って京都の女子大学で「日本文化と源氏物語」を講義しているのですわ。
これでも、良き日本の文化を背負って立つ人材を育てているつもりでござ〜♪〜ます。
一つだけ問題なのは、あたくしの婚活に引っかかってくれる優秀な殿方がこれまでに一人も居ないということですう。
とほほほほほ。。。

とにかく、教師というのは本当に厳しい職業だと思いますわ。
あなたも、将来の日本を担ってゆく人材を創出するために、ぜひ協力してくださいね。

次回も、興味深い話題が続きそうでござ〜♪〜ますわ。
だから、どうか、またあなたも読みに戻ってきてくださいましね。
では。。。






ィ〜ハァ〜♪〜!

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