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日本を良い国に…(PART 2)

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日本を良い国に…(PART 2)


財布



10歳のときからいままでの28年間に、8回、財布を落としました。
そのうち6回は誰かが拾ってくれて、戻ってきた。
日本は良い国だと思う。

      東京都 鈴木真希

(注: イラストはデンマン・ライブラリーより)



42ページ 『嘘みたいな本当の話』
選者: 高橋源一郎・内田樹
2011年8月10日 第3刷発行
発行所: 株式会社イースト・プレス




8回、財布を落として 6回も誰かが拾ってくれて、戻ってきたということは、あたくしは素晴らしいことだと思うのでござ〜ますわ。



卑弥子さんはマジでそう思うのですか?

もちろんですわ。 あたくしの場合落し物をしたら戻ってこなかったことの方が多いのでしたわ。 だから、お財布を8回落として6回戻ってきたということに感激しましたわ。

あのねぇ〜、28年間に 8回財布を落としたということは問題があると思いますよ。

どういう問題ですか?

その人がそそっかしいという性格の問題もあるでしょう。

デンマンさんは財布を落としたことはないのでござ〜ますか?

僕は大学を出て日本で3年ほど社会人を経験しているけれど、一度も日本で財布を落としたことがないのですよ。 それから海外に出たのだけれど、バンクーバーの郊外にあるサレー(Surrey)という町のショッピングセンターの公衆電話の上に財布を置き忘れたことが一度だけありますよ。

戻ってきたのでござ〜ますか?

戻ってきました。 どういうわけか隣町のデルタ(Delta)の警察署に届けた人が居て、警察署から電話がかかってきたのですよ。

あらっ。。。ずいぶん親切な警察ですわね。 つまり、鈴木さんには性格的な問題があって財布を落としたとデンマンさんは言うのでござ〜ますか?

いや。。。性格的な問題かもしれないけれど、財布を落とすということは極めて稀なことだと思うのですよ。 誰でも財布だけは注意して落とさないようにしている。 それなのになぜ財布を落とすのか?

なぜでござ〜ますか?

つまり、落とし易いような状況に、その人が置かれるからですよ。

デンマンさんが財布を置き忘れたのも、そのような置き忘れ易い状況に置かれたからなのですか?

そうです。 僕はDeltaにある会社のミーティングに出るのに遅れないようにバンクーバーを出たのだけれど、道路が混雑していた。 間に合わないので電話したのですよ。 重要な会議だったので焦っていた。 焦っていなかったら決して財布を忘れるようなことはなかった。 とにかく海外で20年以上生活しているのに、財布を忘れたのはその時の一度だけなのですよ。

つまり、日本では人が財布を置き忘れ易い状況に置かれることが多いということですか?

そうですよ。 一頃、エコノミック・アニマルと言われて猛烈社員が日本には大勢居ましたからね。

鈴木真希さんがエコノミック・アニマルの一人だとデンマンさんは言いたいのでござ〜ますか?

上の文章を書いた時の鈴木さんは38歳ですよ。 もし、家庭の主婦で8回も財布を落としたとすれば鈴木さんには性格の問題があったのかもしれないけれど、会社員であったとするなら当然仕事上で。。。、つまり、僕のように焦っていて財布を置き忘れてしまったという可能性が高かったと思いますよ。

要するに、日本では財布を置き忘れるような焦った状態に人を置く状況が他の国に比べて多いのだと。。。?

そう思いますよ。

でも、デンマンさんだって日本で社会人を3年間やっていて、財布を一度も置き忘れてないのでしょう?

僕は精神的にはのんびりと働いていましたからね。 3年働いてお金をためたら海外に飛び出すつもりでいたから、昇進のことなど考えずに全くマイペースで働いていたのですよ。 だから、上役にゴマをする必要はなかったし、焦(あせ)るほど夢中になって仕事をしたわけでもなかった。

つまり、周りはプレッシャーで焦って働いていた人が居たけれど、デンマンさん自身はゆとりを持ってマイペースで働いていたと。。。?

そうです。 だから、日本の労働者・会社員に8回も財布を落とす人が居るということは問題があると思いますね。 

労働者・会社員が8回も財布を落とすような労働環境にある国は、決して良い国ではないとデンマンさんは言うのでござ〜ますか?

その通りですよ。

つまり、お母様をお見舞いした後で、将来の日本を担う子供たちのための教育政策を考えていたのでデンマンさんはあたくしに会えなかったと言うのですか?

その通りですよ。 民主党政府がだらしなくて、やるべき政治をしてないから、僕は京都まで行って卑弥子さんと会うための時間が取れなかったのですよ。


【ジューンの独り言】



ですってぇ〜。。。
あなたはどう思いますか?
なんだか、こじつけですよね。

ところで、“エコノミック・アニマル”と言われる猛烈社員が、かつて商社などにはたくさん居ました。
でも、そのおかげで日本は経済大国になったのです。
日本は経済的に豊かな国になりました。
寿命が世界のトップレベルにまでも延びました。
でも、自殺者が相変わらず1年に3万人以上居るということは、日本が決して暮らし易い国ではないことを物語っているような気がします。

それに子供たちの学力も低下しています。
学力の問題だけではありません。
あなたもご存知のように、イジメだとか、不登校だとか、先生に暴力をふるうだとか。。。、最近の青少年は日本の未来に失望したように、海外から見ていると、なんだか狂い始めているように見えます。
何か大切な事を忘れながら日本が経済大国を目指してきた“ツケ”だと、わたしは思います。

どうしたら日本が良い国になるのか?
何か妙案があったら、あなたもぜひブログに書いてください。
この記事にコメントを書いてくださっても結構です。

ところで、卑弥子さんの面白い話をもっと読みたい人は
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『日本は良い国か?』

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とにかく、今日も一日楽しく愉快に
ネットサーフィンしましょう。
じゃあね。バーィ。






ィ〜ハァ〜♪〜!

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