あなただけに…(PART 2)
この映画は三島さんが脚本を書いて自分が主演して、しかも監督までやってのけて完成した作品なのやァ。 上のDVDには40年前に製作に当たったスタッフの人たちの座談会の模様も映像として含まれているねん。
鶴岡淑子さんは、どないな理由で映画に出演することになりはったん?
その座談会の中でプロデューサーがその辺の事情を語ってるねん。 その話によると、三島さんが演じる主人公の武山信二中尉の貞淑な新妻・麗子を演じる女優を探すのを頼まれたという。
それで、どないしやはったん?
三島さんは日本女性の美しさを強調できるような女優さんが望みだったと言うねん。 それで俳優養成所の所長にそのことを話すと新人の中から鶴岡淑子さんを選ばれたと言うことやァ。
それで。。。?
プロデューサーがホテル・ニュージャパンで初めて鶴岡淑子さんを三島さんに紹介したそうやァ。 その時に面白いエピソードがあるねん。
どないなエピソードやのォ?
『憂国』は1966(昭和41)年にたった2日間で撮影されて終わった。 当時、三島さんはノーベル賞に候補者として名前が挙(あ)がるくらいに世界的にも知られていたのやァ。 ところが鶴岡さんはマジで三島さんを知らなかったという。
それで。。。?
それで、家に帰ってから、母親に「今日、なんだかヤクザみたいな人と会ったわ。でも偉い人みたいだったわ」と言ったというのやァ。 そのことを後でプロデューサーから聞かされて三島さんは涙が出るほど笑ったそうやァ。
どうして、それほど笑いはったのやろか?
まさか自分の名前を知らない人が居るとは三島さんには考えられへんかったと思うでぇ〜。。。つまり、極めて珍しい女優さんに会えたということと、自分の「うぬぼれ」と「自尊心」を突かれた気持ちがしたのやでぇ〜。
それで、三島さんは鶴岡さんが気に入りはったん?
そうなのやァ。 映画界や世間の汚れに馴染んでいない純真な役者に会えて、武山信二中尉の貞淑な新妻・麗子を演じるには最適な人物と思えたようやァ。
。。。で、その事と鶴岡さんが映画界からその後消えていったことが関係あると、あんさんは見ているの?
そうやァ。 『憂国』は三島さんが遺書として作った映画なのや。 「至誠」や「葉隠(はがくれ)」の事を聞かれて、三島さんの50分にわたる英語のインタヴューの中でも「『憂国』を観てもらえば分かるはずだ」と言うてるねん。 つまり、それほどの熱意を込めて『憂国』を作ったわけや。 スタッフの人たちにも命を燃焼するほどの意気込みが感じられたそうやでぇ。
要するに1970年の自決を予告するような映画やったわけやァ。 鶴岡さんに対する三島さんの演出も、まさに主人公の武山信二中尉が貞淑な新妻・麗子に向かうような思いが込められていた。 それだけに鶴岡さんが受けた指導は、たった2日間やったけれど、ぬぐいきれない程の強烈な印象を受けたに違いない。 しかも、映画制作から4年後の1970年に三島さんはマジで『憂国』の武山信二中尉と同じように自決している。 そのニュースを聞いた時の鶴岡さんの衝撃が分かるような気がするねん。
その衝撃が原因で鶴岡さんは、その後、映画界から消え去ったと。。。?
そうやァ。。。鶴岡さんは、『憂国』の撮影2日間に三島さんの演技指導を受けながら役柄の中で“愛を燃焼させた”わけやァ。。。しかも4年後に三島さんの自決によって、それが現実になった。 これが衝撃でなくてなんであろうか!?。。。とわては、そう思うたわけやァ。
つまり、鶴岡さんは『憂国』と現実の「三島事件」の中で「愛による生涯の結びつき」を感じ取ったと。。。?
そうやァ。。。
そやけど、どうして、こないな事をわたしに話す気になりはったん?
やだなあああァ〜、めれちゃん!。。。惚(とぼ)けないで欲しいねん。 めれちゃんかて「愛による生涯の結びつき」をネットの世界で、わてと感じているやろう?
まさか。。。?
あれっ。。。感じておらへんのかァ〜?
感じてるわけないやん!
そやけど、めれちゃんは次のような萌え萌えの愛の短歌を詠んでいたやないかいなァ!
くちづけ
罪深き
ことと知りつつ
この夜も
きみのくちづけ
もとめて止まぬ
by めれんげ
2009.01.14 Wednesday 14:21
『即興の詩 冬枯れ』より
『めれんげさんと六条の御息所』に掲載
(2010年2月12日)
わたしがあんさんのことを想いながら詠んだと思いはったん?
もちろんやがなァ。。。めれちゃんと2004年からネットで育(はぐく)んできた愛を思えば、めれちゃんが「愛による生涯の結びつき」を感じても、しごく自然なことやんかァ! うししししし。。。
なにをぬかしてけつかんねん! あんさんを想って詠んだのではあらへん!
ちゃうのかァ〜?
ちゃいますがなア! 誤解を生むようなことを言ったらアッカ〜ン!
そやかて。。。そやかてぇ〜。。。上のような熱烈な短歌をわて以外の男に向かって詠めるはずがないやろう!?
詠めますがなァ。
いったい。。。いったい誰のことを想いながら詠んだのやァ?
そないな事をここで公開できますかいなァ! いいかげんにしやへんとネットポリスを呼んできますでぇ〜。。。
【レンゲの独り言】
ですってぇ~。。。
そうですよね。
デンマンさんは思い込みの激しい人なのですわ。
でも間違いなく「今一つの世界」を持っています。
その世界の中で、めれんげさんと愛し合っているのですわ。
実は、あたしにも「今一つの世界」がありますわ。
ええっ? どんな世界かってぇ。。。?
現実の世界は、なかなか思うようになりません。
あたしの「今一つの世界」は“愛とメルヘンの世界”です。
落ちこんでいる時など、その“癒しの世界”で、しばしの安らぎを得るのが、あたしのささやかな楽しみです。
ところで「今一つの世界」をどのように実現するか?
ある人にとっては空想のままでよいのかもしれません。
あたしの場合も、強(し)いて実現させようとは思いません。
でも、三島さんは「今一つの世界」を実現させようとしたのですよね。
それで、あの悲劇を生んでしまった。
あたしは、そのように感じています。
あなたは、どう思いますか?
とにかく、次回も面白くなりそうですわ。
あなたもどうか、またあさって読みに戻ってきてくださいね。
では、また。。。
メチャ面白い、
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こんにちは。ジューンです。
20代の三島由紀夫の短編に『ラディゲの死』があります。
若き日の三島は、堀口大學が訳した
『ドルジェル伯の舞踏会』を読んで
感銘を受けたそうです。
『ドルジェル伯の舞踏会』は、
ラファイエット夫人が書いた
『クレーヴの奥方』を参考にして、
高度に文学的な手腕で換骨奪胎し、
別の次元の「フランス心理小説の傑作」に
ラディゲが仕立て上げました。
「夭折の天才」の名にふさわしい
文学的実力の持ち主であったことが
『ドルジェル伯の舞踏会』を読むと理解できます。
三島も、この本を読んで自己同一化する程、
多大な影響を受けました。
それで書いたのが『ラディゲの死』と言われています。
ところで、卑弥子さんが面白い記事をまとめました。
楽しいから、ぜひ読んでみてくださいね。
■ 『笑って幸せな気分になれるサイト』
では、今日も一日楽しく愉快に
ネットサーフィンしましょうね。
じゃあね。