今、エジプトに?(PART 2)
卑弥子さんも覚えているでしょう?
もちろんでござ〜ますわ。 あたくしは上の辞世の句を次のように解釈したのでもの。。。
一鉢千家飯 孤身幾度秋
不空遂不色 無楽又無憂
冬暖草園裡 夏涼橋下流
若人間此六 明月水中浮
(himiko22.gif)
おもらい用のドンブリに千軒の家からご飯をもらって 一人で食べた食欲の秋が何度もありましたわ。
ドンブリが空になるまで思う存分いただきました。 色気のことなど、ちっとも考えてみませんでしたわ。
楽しければよいのです。 憂いなんて要りません。
冬は暖かい草の上に寝て、夏は橋の下で涼みます。
人間は若い内が花ですよ。
だから、明日はウキウキしながら水の中に飛び込んで、楽しく浮いて泳ごうと思いますわ。
■『遊女と三つ子』より
(2013年9月5日)
あたくしは、このように現代語に訳したのでござ〜ますわ。
うん、うん、うん。。。 はっきりと覚えてますよ。
だったら、エジプトからやって来た人も、あたくしが解釈したような生き方に賛同して、政情不安を乗り越えることにしたとデンマンさんは言うのでござ〜ますか?
いや。。。 僕は違うと思いますね。
どう違うのでござ〜ますか?
京都の女子大学で腐女子の皆さんに「日本文化と源氏物語」を講義している橘卑弥子・准教授に向かって失礼かとは思うけれど、上の現代語訳は卑弥子さんの人生観に基づいての個人的な解釈で、上のように解釈すると、さだめし名ある人物のなれの果てだろうと評判にならないと思うのですよ。
そうかしら。。。? どこがいけないのかしら。。。?
あのねぇ〜。。。 解釈全体が、楽観的、享楽的すぎるのですよ。 これでは乞食の六助さんがルンルン気分で死んだことになって、どう考えてもさだめし名ある人物のなれの果てだろうと評判にならないです。
そうかしら。。。?
僕は思うのだけれど、この漢詩には“布袋さんの心”が読まれていると思うのですよ。
“布袋さんの心”でござ〜ますか?
そうです。 さだめし名ある人物のなれの果てだろうと評判になったということは、六助さんは乞食でありながらも中国の歴史や中国文学にも詳しかった。 そういう古典の素養を基にして上の辞世の漢詩を詠んだということだと思うのですよ。
あたくしのように解釈してはいけませんか?
いや。。。 卑弥子さんのように解釈してもいいですよ。 でもねぇ〜、京都の女子大学で腐女子の皆さんに教える時には、卑弥子さんの極めて個人的な解釈では駄目だと思うのですよ。
じゃあ、デンマンさんはどのように現在語訳したのでござ〜ますか?
次のように訳してみました。
布袋さんのように施しを受けがら孤独の生活を何十年と続けてきた。
施しが無ければ食わずに居ることもある。
特に楽しみと言うほどのことも無い代わりに、これと言って憂いも無い。
冬は暖かい干し草の上にでも寝て、夏は橋の下の流れで涼む。
そのような生活のどこがいいのか?ともし、誰かがこの六助に問うならば、きれいなお月さんが池に映って浮かんでいるような気持ちで生きているだけです、と答えようか。。。?
(moon77.jpg)
■『遊女と三つ子』より
(2013年9月5日)
あたくしの現代語訳とそれほど変わらないと思うのですけれど。。。
うん、うん、うん。。。 確かに、大きな違いがあるわけじゃないかもしれません。 結局、見解の相違でしょうね。 僕にとって、卑弥子さんの解釈は、極めて楽観的、享楽的すぎると思う。 布袋さんは卑弥子さんほどルンルン気分ではいなかったと思うのですよ。 でもねぇ〜、卑弥子さんの解釈が間違っているとは言いませんよ。
でも、駄目だと言ったじゃござ〜ませんか!
それは僕の言いすぎでした。 卑弥子さんのような解釈の生き方もありだと思います。 自由主義・民主主義の世の中ですからね。。。 この記事を読んでいる人の考え方にも いろいろあると思うのですよ。
つまり、エジプトからやって来た人は、万が一の時の事を考えて辞世の歌か。。。または 辞世の句を残そうとして、上の記事を参考にしたということですか?
多分、そういう事だと思うのですよ。
(laugh16.gif)
【小百合の独り言】
(sayuri5.gif)
ですってぇ〜。。。
あなたは万が一の時に備えて辞世の句を考えたことがありますか?
多分、平和な日本では、辞世の句を考える必要はないのかも知れませんよね。
私も考えたことがありませんわ。
でも、昔の人は辞世の句を考えていたのですよね。
では、興味深い辞世の句をいくつかご紹介しますわ。
•「おもしろき こともなき世を おもしろく」
- 高杉晋作
•「これでよし 百万年の 仮寝かな」
- 大西瀧治郎
•「人魂で 行く気散じや 夏野原」
- 葛飾北斎
•「大ばくち 身ぐるみ脱いで すってんてん」
- 甘粕正彦
•「糸瓜咲て 痰のつまりし 佛かな」
- 正岡子規
•「行列の 行きつく果ては 餓鬼地獄」
- 萩原朔太郎
•「動かねば 闇にへだつや 花と水」
- 沖田総司
•「大笑い三十年のバカ騒ぎ」
- 石川力夫
ところで、卑弥子さんは見かけによらず、京都の女子大学で腐女子に「日本文化と源氏物語」を講義している橘卑弥子・准教授という肩書きを持っています。
卑弥子さんの面白い話をもっと読みたい人は
下のリンクをクリックして読んでみてくださいね。
■『感じてストで和露他』
■『笑える漢字クイズ』
■『哀れなネアンデルタール』
■『佐伯今毛人は臆病者か?』
■『笑わせる漢字でござ〜ます』
■『卑弥子@婚活』
■『プロメテウスの第2の火』
■『うむうむ、ふむふむ人間』
■『コギャルと甘え』
■『癒しと水墨画』
■『東電八分』
■『怒りっぽいあなたに』
■『床上手だよ!』
■『床上手@docomo』
■『漢字で体操ざ〜ます』
■『曲屁(きょくべ)』
■『天神様と東日本大震災』
■『日本は良い国か?』
■『日本を良い国に…』
■『エロい熟女』
■『アッと驚くマキアベリ!』
■『良寛さんの顔』
■『あなたの中の阿修羅』
■『蝦夷って悪い意味?』
■『伎楽は呉の音楽?』
■『呉越の謎』
■『紅のボートピープル』
■『蕎麦屋と忠臣蔵』
■『ピンクと桃色』
■『妻の不貞』
■『卑弥子さん、ご指名ですよ!』
■『カン違い大岡越前』
■『ロマンのカシオペア』
■『カシオペアの現実』
■『エロい徳子を探して』
■『紫式部と皇国史観』
■『エロい道鏡と薬師如来』
■『天平の麗しき淑女』
■『元からの饅頭』
■『なぜ唐に留まったの?』
■『下着美人』
■『一所懸命』
■『ねぇ、ねぇ、ねぇ効果』
■『遊女と三つ子』
■『布袋さんの魅力』
(cow02.jpg)
(byebye.gif)