脳の常識のウソ (PART 1)
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デンマンさん。。。 脳の常識ってぇどういうことですか?
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小百合さんは次のようなことを聞いたことがありませんか?
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あなたは脳を
10%しか使っていません。
確かに聞いたことがありますわ。 この常識がウソなのですか?
そうなのですよ。 夕べ読んだ本の中に次のように書いてありました。
「人間は脳のごく一部しか使っていない」
というのはウソ
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「人間の脳に秘められた能力は無限なのに、私たちは、ふだん、そのうちのほんの一部しか使っていない」などとまことしやかにいう人がいます。
脳の全能力の5パーセントぐらいしか使っていないとか、10パーセントしか使っていないなどと具体的な数字まであげるかたもいます。
そういわれると、なるほど、あとの90パーセントの能力は無駄にしているのかと思ってしまいますが、これは全く根拠のない話です。
私も興味を持って調べてみましたが、そのようなことを実証した論文はありませんでした。
では、なぜそんあでたらめが流布されるようになったのでしょうか。
調べてみたところ、どうもこれが発端ではないかと思われる文献が見つかりました。
それは、アメリカの心理学者であるウィリアム・ジェイムスという人が書いた『エネジーズ・オブ・マン』という心理学の本です。
彼はその本の中で
"We are making use of only a small part of possible mental and physical resources"
と書いています。
つまり、彼はここで私たち人間は脳の小さな部分しか使っていないといっているのですが、誰かがそれを誇張して広めたのではないかと思われます。
人間が脳のほんの数パーセントしか使っていないなどというのは、神経学者の私たちにいわせれば馬鹿げた話です。
人間はもっとフルに脳を活用しています。
脳にはそれぞれ場所によって役割分担があり、そのあらゆる部分を使って私たちは生きています。
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ペンフィールドのホムンクルス
それでも、さらに脳を使って、もっともっと働きをよくすることが可能なのです。
(注: 赤字はデンマンが強調
読み易くするため改行を加えています。
イラストはデンマン・ライブラリーから)
68 - 69ページ
『脳ボケはNO!』
著者: 久保田競
2008年11月30日 第1刷発行
発行所: 株式会社 主婦の友社
つまり、脳は使えば使うほど良くなるのですか?
そういうことらしいですよ。 僕も自分の脳は せいぜい20%から30%ぐらいしか使っていないと思い込んでいたのですよ。 だから、記事でも次のように書いていたことがある。
もっと頭が良くなりたいと
思いませんか?
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頭は使えば使うほど良くなるんですよ。
多分、あなただって聞いたことがあるでしょう?
すでに何度も言っていることですけれど、
あなたは脳の20%から30%だけしか使っていないのですよ。
本当なんです!
学者によると、3%だけしか使っていないと言う人さえ居ます。
つまり、あなたの脳はほとんど使われていないのです。
どうして?
あなただって、そう言われてみれば考えてしまうでしょう?
ところで、“canal” という英語を知っていますか?
運河とか、水路という意味です。
“canalization”と書くと「水路づけ」という意味になります。
「水路づけ」って、どういう意味なの?
同じ所ばかりに水が流れると、そこが決まった水路になってしまいます。
つまり、流れが固定されてしまいます。
他の所には流れなくなります。
人間の脳でも、まったく同じことが言えるのです。
いつも同じパターンの思考を繰り返していると、思考が“水路づけ”にされてしまいます。
つまり、脳に新たな発想の余地がなくなってしまいます。
要するに、常に決まった考えしかできず、柔軟な発想ができなくなってしまうのです。
こういう状態を“頭が悪い”と言うわけですよね。 うふふふ。。。
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“頭が良い”人は、柔軟な発想が出来るわけです。でしょう?
あなたが思いつかないようなことまで思いつく。
なぜ?
なぜなら、頭の良い人と言うのは常に頭を働かせているからです。
つまり、決まった考え方をしないと言うことです。
そうすると、脳の中で、どのようなことが起きるのか?
神経細胞がシナプス(神経細胞の突起)を結合し新たなネットワークを作るのです。
この新たなネットワークが新しい発想を生み出します。
しかし、決まったことしか考えなかったり、毎日同じようなことばかりやっていると、あなたの脳の中でこのネットワークが作られないのです。
だから、いつまでも“頭の悪い”状態が続くわけです。
実は、普段から私たちは脳を柔軟に活用しようとしています。
例えば「交通渋滞が予測されると、別ルートの裏道を行く」などがそれです。
このように日常的に行う「こうすればうまくいく」といった“成功パターン”の積み重ねのおかげで、
予測不能のさまざまな事態に対応することができるわけですよね。
でも、常日頃からこのような事を意識せずに、ワンパターン的な思考ばかりしていると、脳は少しも活性化しません。
では、どうすれば良いのか?
“成功パターン”を意識的に積み重ねてゆくことが大切です。
そうすることにより、脳も初めて働き始めます。
どうですか?
分かっていただけたでしょうか?
ええっ?
まだ分かったようで、良く分からない?
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じゃあね。
あなたの頭がもっともっと良くなることを祈っていますよ。
『もっと頭が良くなりたいと思いませんか?』より
(2006年2月22日)
でも、年をとるにしたがって脳の細胞が死滅するというようなことを聞いたことがありますわ。 だから、年をとるとボケるのだと。。。
うん、うん、うん。。。 僕もそのような話を聞いたことがありますよ。 でもねぇ、それも“常識のウソ”らしいですよ。
あらっ。。。 脳の細胞は年とともに死滅しないのですか?
あのねぇ〜、確かに、使わないと脳が萎縮して神経細胞が死んでゆくけれど、脳を使えば使うほど神経細胞は増えてゆくらしいですよ。
脳を使って鍛えれば
ボケを先延ばしできる
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神経科学の研究は日進月歩です。
昔は、脳の神経細胞の数は生まれたときにすでに決まっていて、それ以上増えることはないと信じられていました。
... ところが、それは間違いで、1980年代の終わりごろから、神経細胞は大人になってからでも、年をとってからでも、脳を使う限り増え続けるという研究発表がたくさん出てきたのです。
... 要するに、「脳というものは、使うか使わないかで働きが決まってくる。
脳を使えば神経細胞が働いて代謝活動をし、その結果、血液が流れる。
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たとえ中年になっても老人になっても、脳を使えば、神経細胞が増え、ネットワークも密になって確実に脳の働きは良くなる。
逆に、使わなければ神経細胞は死んでいく。
脳が廃用性萎縮を起こしてボケてくる」
ということがはっきりしたのです。
それが1995年ごろのことですから、最近になってやっとこのようなことがわかってきたのです。
(注: 赤字はデンマンが強調
読み易くするため改行を加えています。
イラストはデンマン・ライブラリーから)
51 - 52ページ
『脳ボケはNO!』
著者: 久保田競
2008年11月30日 第1刷発行
発行所: 株式会社 主婦の友社
あらっ。。。 そういうことだったのですか!? 脳を使えば使うほど頭は良くなるとは聞いていましたけれど、年とともに脳の神経細胞は死滅してボケてくるのだと聞かされていましたわ。
ところが、そうじゃないということが最近の脳研究でわかってきたらしいですよ。 「脳を使えば、神経細胞が増え、ネットワークも密になって確実に脳の働きは良くなる」ということですからね。。。
でも、上の本は信用できるのですか?
あのねぇ〜、この本の著者の久保田競(きそう)・医学博士は1932年に大阪で生まれ、東大の医学部で脳神経生理学を学び、アメリカに留学して オレゴン州立医科大学の J.M.ブルックハルト教授のもとで、最先端の研究に数年従事したと書いてありますよ。
つまり、一応、信用できる医学の知識を持っているのですわね。
そういうことですよ。
でも、東大だからって すべて信用はできないでしょう?
確かにそうです。 東大という肩書きを持っていても 中にはひどいのが居ますからね。
そうですわ。 かつて 東京大学医学部附属病院の特任研究員という肩書きを持って さらにハーバード大学の客員講師と名乗って まやかしの研究を発表しようとした日本人がいましたわ。
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森口氏 記者会見
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森口氏はずいぶんと怪しい事を言っているけれど、本の著者の久保田博士は京都大学霊長類研究所の所長もした人だから まず信用できると思いますよ。
分かりましたわ。 じゃあ、私もなるべく脳を使うようにして年取ってからボケないようにしますわ。
そうしてください。 そうすれば、これから僕も小百合さんと毎年秋に日本で会えることを楽しみにできますから。。。(微笑)
私よりも、デンマンさんの方こそ脳を使ってボケないようにしてくださいね。 それに、前立腺癌になって余命が尽きることも心配ですし。。。 脳卒中を起こしてヨイヨイになることも心配ですわ。
小百合さん、僕をそれほどの老人扱いにしないでくださいよう。 僕はまだまだ若いつもりでいるのですから。。。 精神的には小百合さんよりも若いつもりですよ。 うへへへへへ。。。
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(すぐ下のページへ続く)