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デンマンさんのオツムが心配です(PART 1)

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デンマンさんのオツムが心配です(PART 1)
 

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小百合さん、何で僕のオツムが心配なのですか?


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だってぇ、幻視を体験したのでしょう?

あのねぇ〜。。。、確かに幻視を見たかもしれないけれど、小百合さんが心配するような性質のものではないのですよ。

でも、心配ですわ。 デンマンさんも次のように書いていたではありませんか!



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母親が入院する前、去年(2012年)の10月のことですよ。 ちょうど僕は帰省しており、居間でテレビを見ていたのです。 



それで。。。?

当時の母親は、まだ足腰は今よりも丈夫で膝の痛みを抱えながらも何とか自分の足で歩ける状態だったのですよ。 それで、2階の自分の部屋で寝起きしていたのです。

それで、お母さんは階段から転がり落ちたのですか?

いや。。。 まさかァ〜。。。 そのような事は一度もありませんでしたよ。 僕の母親は慎重ですからねぇ。 しかし、その日は 階段から降りてくると いつもとちょっとばかり様子が違っていた。

どのように。。。?

妙な事を言い出したのですよ。 「握り飯を作るのでボールに塩水を作って持ってきて欲しい」と言うのですよ。


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“お握り”が食べたくなったのですか?



だから、僕も訊いたのですよ。 「握り飯が食べたくなったのォ〜?」ってぇ。。。 そしたら、「握り飯が食べたくなったので作ってきてくれと言うんだよ」。。。 母親が、そう答えるのですよ。

誰がそのように言ったのですか?

その時、2階には誰も居ないはずなんですよ。 だから、当然、僕も同じ質問をしたのです。 そしたら、「知らない人が居て、どうしても握り飯が食べたいので作って持ってきてくれと言うのだよ」 そう言うじゃありませんか。 少しムカついているのですよ。 僕の母親は遠い親戚に当たる池袋の寿司屋に女中奉公していたこともあり、性格的に人に頼まれるとイヤとは言えないタチなんですよ。 それ以前に、叔母から“幻視”の話を聞いていたので、僕はさほど驚かなかった。

それで、デンマンさんはどうしたのですか?

そういう時には、母親の話を否定しないで、言うとおりに話を合わせた方がいい、というようなことを叔母が言っていたので、僕は台所で塩水を作って食卓についている母親のところに塩水を持っていった。 そしたら、食卓の上の炊飯器を手元に引き寄せて塩ムスビを作り始めたのですよ。 話し相手になりながら、ムスビを作ってくれと頼んだ人物のことを訊き出すと、知らない人がお袋の部屋に入ってきて、腹が減ったので何か食べさせて欲しいと言ったらしいのですよ。

デンマンさんのお母さんは、そのような事をそれ以前にも言った事があるのですか?

いや。。。 僕に対しては初めてです。 でもねぇ、叔母には以前、叔母には見えないのに、人がそばに居るというような事を言ったことがあったらしい。 だから、“幻視”で実際には居ない人が見えたのだと僕は思いましたよ。

つまり、デンマンさんのお母さんは“耄碌(もうろく)”の前兆を示したということですか?

いや。。。 あのねぇ〜、僕の祖母は耄碌して亡くなったのだけれど、その祖母と比べれば、僕の母親の精神状態は極めてしっかりしていて、当時、1週間に2度か3度ぐらい“幻視”の話が出てくるけれど、日常生活には何の問題もなかったのですよ。

退院してからはどうでした?

今年、奇跡が起こって退院してからは、一度も“幻視”の話はしたことがない。 むしろ、入院する前よりも精神状態はしっかりしてしまって、そのことでも僕は驚いたほどです。 足腰は弱ったけれど、精神的には2年前よりしっかりしている。

それで、“遺伝する幻視”とは、どういうことですか?

それがねぇ〜。。。 “幻視”が僕に起こったのですよ。

いつですか?

小百合さんと「さきたま古墳公園」の公園広場でツナ缶のカナペをつくってピクニックをした晩ですよ。


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『ツナ缶@LOVE』



どういうことが起こったのですか?



あのねぇ〜、母親が退院してからは、お袋は1階の一番奥の仏間にベッドを持ち込んで、そこで寝起きしていたのですよ。 2階のお袋の部屋は弟が使っている。

それで。。。?

僕は2階の階段を上がったすぐの部屋で寝ていた。 午前1時頃、目が覚めてトイレに行くと廊下をウロウロという感じでトイレに向かって歩いてゆく母親の後姿が目の前に見えたのですよ。

はっきりとですか?

そうです。。。 自分では否定のしようもないくらいに、はっきりと母親の後姿が見えた。


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驚きましたよ。。。 というのは、精神的には以前よりも元気に退院してきたけれど、足腰は弱って、日中はほとんど車椅子を使っていたのですよ。 自分の足で階段を上がってゆくなどは不可能に近いことだった。 僕はマジで驚いて「階段を上がってくるなんて駄目だよ! 2度と階段を使わないように! トイレは下のトイレを使えばいいじゃないかア!」 そう言うつもりで近づいたら、姿が消えてしまった。 マジで更に僕は驚きましたよ。



つまり、デンマンさんは寝ぼけていたのですわね? うふふふふ。。。

いや。。。 これまでに、あんな経験をしたことはありませんよう。 寝ぼけたことは これまでにないし、家族から「寝ぼけていたよ」とか「スリープウォーキングしていたよ」とか言われたことは一度もありませんよう。

でも、マジでお母さんの後姿がはっきりと見えたのですか?

そうですよ。。。 “幻視”というのは、こういうことなのかと、僕は初めて理解したほどです。。。



『遺伝する幻視?』より
(2013年12月12日)




デンマンさんが体験した“幻視”は若年性認知症の始まりだと思うのですわ。



あのねぇ〜。。。 僕はまだ耄碌(もうろく)する年ではないのですよ。

でも心配ですわ。 もしかすると「レビー小体型認知症」の始まりではないのですか?


最近わかってきたレビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、レビー小体と呼ばれるたんぱく質が、脳の神経細胞の中にたまって神経細胞が変性してしまう病気ですが、割合最近になってわかってきた認知症です。
アルツハイマー型認知症と間違われることも多く、また、アルツハイマー病を併発していることもよくあります。
このレビー小体型認知症は、認知症の2割を占めるといわれています。

診断基準ができてまだ10年あまりですが、アルツハイマー型認知症のような進行性の認知症に加えて、
? 認知機能に変動があること、
? はっきりとした幻視があること、
? パーキンソン症状を伴うこと、


(girlani4.gif)

の3つの特徴的な症状が見られます。
ただし、これらの症状のすべてが出る人もいれば、一つだけ、あるいは二つだけ出ることもあります。

 (中略)

幻視とは、誰も居ないのに「部屋の中に誰かいる」とか「ガラス戸の外から誰かが中をのぞいている」などというように、現実にはいない人や動物がはっきり見えることをいいます。
この幻視はレビー小体型認知症の大きな特徴で、この症状によってレビー小体型認知症とわかることもあります。

(注: 赤字は小百合さんが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)



37-38ページ 『脳ボケはNO!』
著者: 久保田競
2008年11月30日 第1刷発行
発行所: 株式会社 主婦の友社




このようにデンマンさんは、はっきりとした“幻視”を体験してしまったのですわ。



あのねぇ〜。。。、確かに上の?には該当するのだけれど、でもねぇ〜、よく読めば「アルツハイマー型認知症のような進行性の認知症に加えて」と書いてあるのですよ。 要するに、アルツハイマー型認知症を患っている人の中で、さらに上の3つの特徴的な症状が出ると“レビー小体型認知症”と診断されるわけですよ。

でも、これからデンマンさんがアルツハイマー型認知症を併発するようになるかもしれませんわ。

小百合さんは、どうしても僕を認知症にしたいのですか?

いいえ。。。 めっそうもない。。。 私はデンマンさんが認知症になることを心配しているのですわ。

あのねぇ〜、僕のオツムは小百合さんが心配するほどイカレてませんよう。

マジで。。。?

もちろんですよ。 僕は脳の働きが良くなるようにコリンを常日頃から摂るようにしていますからね。

何ですのォ〜? そのコリンというのは。。。?

あれっ。。。小百合さんは知らなかったのですか? 次の文章を読んでみてくださいよ。


記憶を維持するアセチルコリン

アセチルコリンには2つの大きな働きがあります。
一つは脳の中の大脳基底核(マイネルト)という神経細胞集団の働きをよくして記憶を維持する働きです。 ... アルツハイマー病の患者もアセチルコリンが減っていますが、それはこの大脳基底核の神経細胞が死んで減っているからです。

もう一つは筋肉を動かすときに働くことです。
アセチルコリンはそれほど重要な物質ですが、脳の中で作ることができません。
肝臓で合成されます。
コリンを含む食べ物やコリンの原料となる食べ物を食べると、肝臓でコリンが作られ、それが脳に送られるのです。

 (中略)

USDA(アメリカ農務省)ではコリンの目当量を、男性は1日に550?、女性は420?としていますが、これは最低限の量です。

 (中略)

コリンを多く含む食べ物 (100g中)


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卵黄 682?

牛レバー加工品 426?

鳥レバー 308?

豚肉 130?

インスタントコーヒー 101?

マトン 100?

ナッツ (ピスタチオ) 71?

豆腐 27?

(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)



167-169ページ 『脳ボケはNO!』
著者: 久保田競
2008年11月30日 第1刷発行
発行所: 株式会社 主婦の友社

 


僕は毎朝、バンクーバー市立図書館へ行く前に 生卵一個を飲んでいるのですよ。



あらっ。。。 卵黄の中にはコリンがたくさん含まれているのですわね。

そうですよ。。。更に僕は DHA (ドコサヘキサエン酸) をたくさん摂るようにしていますからね。

DHA (ドコサヘキサエン酸)ですか?

そうですよう。。。 最近、テレビなどで盛んに取り上げられているから小百合さんも知ってるでしょう!

ええ。。。 しばしば耳にしていますわ。

DHAは脳の働きをよくするために不可欠な食べ物ですよ。 マグロ、サバ、ブリ、イワシなどのような青魚に多く含まれているのです。

デンマンさんは青魚をしばしば食べているのですか?

そうですよう。。。 だから、僕は脳の働きをよくするために、小百合さんと「さきたま古墳公園」の公園広場でツナ缶のカナペをつくってピクニックをしたのですよ。


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 (すぐ下のページへ続く)


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