焼き滅ぼさむ(PART 1)
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(hell100.jpg)
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(hell104.jpg)
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(rengfire.jpg)
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(merange12.jpg)
デンマンさん。。。 あんさんは、どないなわけで“焼き滅ぼさむ”という けったいなタイトルを付けはったん?
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(kato3.gif)
あきまへんか?
そやかてぇ、なんやァ古臭い文語調ですやん。。。
あのなァ~、上のタイトルは わてが思いついたものやあらへん。。。
あんさんでないとしたら、卑弥子さんが付けはったん?
卑弥子さんでもあらへん。。。 実は、わても知らん人が 次のような検索ワードを入れて検索して わての Denman Blog を読みにやって来たのやがなァ~。。。
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(wp50616c.png)
■『拡大する』
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これは、Denman Blog の6月16日の「人気検索キーワード」のリストやねん。
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あらっ。。。 “君が行く道のながてを繰くり畳たたね焼き滅ぼさん天あめの火もがも”を入れて検索して あんさんの Denman Blog へやって来たのやねぇ~。。。
そういうこっちゃがなァ~。。。
。。。で、どの記事を読みはったん?
そやから、わても それを知りたかったさかいに、“君が行く道のながてを繰くり畳たたね焼き滅ぼさん天あめの火もがも”を入れて GOOGLE で検索してみたのやがなァ。。。 その検索結果を見て欲しい。
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(gog50616a.png)
■『現時点での検索結果』
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1,890 件ヒットしてますやん。。。
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そうやァ~。。。 赤枠で囲んだ“長屋王の変”というリンクをクリックして次のページを読んだのやがなァ~。。。
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(wp50616m.png)
■『実際のページ』
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あらっ。。。 『道教伝説の謎』を読みはったのやねぇ~。。。
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いや、ちゃうねん。。。 『道教伝説の謎』を読みはったかもしれへんけど、この記事には“君が行く道の。。。”和歌は出てこんのやァ~。。。
そやけど、検索結果によれば、上のページを読みはったということですやん。。。
そうやァ~。。。、実は、上のページは“長屋王の変”というタグが付いた記事を表示してるねん。。。 『道教伝説の謎』という記事の他に、もう一つ、『萌える恋歌の裏に』という記事が上のページに出てくるねん。
つまり、『萌える恋歌の裏に』という記事に上の和歌が出てくるのォ~?
そういうこっちゃがなァ~。。。
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(rajomon1.jpg)
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(bigroad.jpg)
1998(平成10)年に復元された朱雀門に立って、南面すれば当時の朱雀大路の景観を実感することができる。
平城京生活者にとって「ふるさと」とイメージされる場所だった飛鳥、都を思い出させる景観として想起された都大路。
それは、紛れもなく「万葉びと」の生活空間の一部であった。
さて、先ほど見た中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌に、次のような歌がある。
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(yamayaki.jpg)
君が行く
道の長手(ながて)を
繰(く)り畳(たた)ね
焼き滅ぼさむ
天の火もがも
あなたの行く
長い長いその道のりを
手繰り寄せ、そして重ねて
焼き滅ぼしてくれるような
天の火が欲しい
(巻15の3724)
狭野弟上娘子は、あなたが行く長い道中を、手繰り寄せて畳んでしまい、焼き滅ぼしてしまう天の火が欲しい、と宅守に歌を送っている。
これは、二人を隔てる物理的、時間的距離をなくしたい、ということを歌っているのであろう。
つまり、歌を交わすことによって心的距離をなくしているともいえるだろう。
物理的、時間的距離を無化させる歌の力のようなものを、私はこの歌に感じている。
もちろん、この贈答歌が、あとから何らかの歴史的事実に基づいて作られた虚構の歌で、実際にやり取りされたものではない、という可能性もあるのだが、そうであるならば、なおさらのこと、この歌の表現が多くの人びとの共感を前提として作られている証拠になるであろう。
上野誠・奈良大学教授
(注:写真はデンマン・ライブラリーから貼り付けました。
赤字はデンマンが強調)
42 - 43ページ
『別冊太陽 日本のこころ156 平城京』
(平城遷都1300年記念)
2010年4月1日 初版第3刷発行
編集人: 湯原公浩
発行所: 株式会社 平凡社
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なるほどォ~。。。 あんさんが『別冊太陽』から、引用しやはったのやねぇ~。。。
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あきまへんか?
かまへんけど、わたしには、一つだけ大きな疑問がありますねん。
どないな疑問やねん?
あんさんも もう一度 検索結果を見て欲しい。
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(gog50616a.png)
■『現時点での検索結果』

上の検索結果が どうやと言うねん?
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あんさんの Denman Blog へのリンクは 4番目に出てきよる。。。 ということは、“君が行く道のながてを繰くり畳たたね焼き滅ぼさん天あめの火もがも”を入れて検索しやはった人は、当然のことやけど、1番から3番のリンクをクリックして3つの記事を読みはったに違いあらへん。
そうやろなァ~。。。
それやのに、どうして4番目に出てきよる あんさんの Denman Blog を読む必要があるのやろか? つまり、わたしが言いたいことは 1番から3番の記事の中に、“君が行く道のながてを繰くり畳たたね焼き滅ぼさん天あめの火もがも”の和歌の意味がちゃんと書いてありますやん。 わたしやったら、トップの記事を読んで意味が書いてあれば、他の記事など読まへん。。。 それやのに、どうして Denman Blog のあんさんの記事を読む必要があるのやろかァ?
あのなァ~、めれちゃん。。。 ニーチェのおっさんが かつて次のように言うたのやァ~。。。
読むべき書物
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(nietzsche9.jpg)
わたしたちが読むべき本とは、次のようなものだ。
読む前と読んだあとでは世界がまったくちがって見えるような本。
わたしたちをこの世の彼方へと連れさってくれる本。
読んだことでわたしたちの心が洗われたことに気づかせるような本。
新しい知恵と勇気を与えてくれる本。
愛や美について新しい認識、新しい眼を与えてくれる本。
『悦ばしい知識』 --- ニーチェ
183 『超訳 ニーチェの言葉』
訳者: 白取春彦
2010年3月20日 第11刷発行
発行所: 株式会社ディスカバー・トゥエンティワン
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つまり、“君が行く道のながてを繰くり畳たたね焼き滅ぼさん天あめの火もがも”を入れて検索しやはった人は、次のような記事を読もうと思いはったん?
■ 読む前と読んだあとでは
世界がまったくちがって見えるような記事。
■ わたしたちをこの世の彼方へと
連れさってくれる記事。
■ 読んだことで
わたしたちの心が洗われたことに
気づかせるような記事。
■ 新しい知恵と勇気を与えてくれる記事。
■ 愛や美について新しい認識、
新しい眼を与えてくれる記事。
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その通りやがなァ~。。。 要するに、常識的な、誰もが思いつくような意味だけでは満足できへんかったのやがなァ~。。。
それで、あんさんの Denman Blog の記事を読んで、ようやく満足できる解釈に巡りあったわけやのォ~。。。?
そういうこっちゃがなァ~。。。 その人は、わての解釈を読んで読む前と読んだあとでは 世界がまったくちがって見えるようになったのやァ。。。
。。。で、上の和歌の意味は。。。?
次のような意味やねん。。。
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(yamayaki.jpg)
君が行く
道の長手(ながて)を
繰(く)り畳(たた)ね
焼き滅ぼさむ
天の火もがも
文字通りに解釈すれば
「あなたの行く長い長いその道のりを
手繰り寄せ、そして重ねて
焼き滅ぼしてくれるような
天の火が欲しい」という意味になるけれど、
そんな事を言うために上の和歌を詠んだわけじゃない。
私の父・旅人(たびと)は
729(神亀6)年2月に起こった「長屋王の変」で
涙を呑んで藤原氏の専横に屈しなければならなかった。
しかし、藤原氏の専横がいつまで続くわけではない。
いつか 必ずや 天の火が天罰のように
藤原氏を見舞うことになるだろう。
(巻15の3724)
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そやけど、そないな解釈をこれまでに 見たことあらへんわァ~。。。
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そやから、次の記事を読むと、上のように解釈した理由が書いてあるねん。 それで読む前と読んだあとでは 世界がまったくちがって見えるようになるねん。
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(rengfire.jpg)
■『萌える恋歌の裏に』
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(laugh16.gif)
(すぐ下のページへ続く)