海外志向とおばさんパンツ(PART 1)
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【幼少時の観絵経験】
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作家・司馬遼太郎(1923−1996)は、幼いころ(おそらくは満州事変勃発前後)、自宅にあった洛中洛外図屏風を虫眼鏡で眺めるのをつねとしていた、と回想している。
そのときとりわけ心ひかれたのは、金の極彩色の画面に点景人物として現れるポルトガル人(南蛮人)だったという。
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「この点景人物がいなければ洛外洛中図は成立しない。 日本の犬でない犬も歩いている。 必ず歩いているのです。 それからアフリカ人のような者もいる場合がある。 それは南蛮人が従者としてつれている。 南蛮的な点景が入らないと花の都にはならない」(『日本人と日本文化』中公新書、1972年、ドナルド・キーンとの対話)
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司馬が後年、紀行『街道をゆく』において、国内の諸街道から歩みをすすめて、フランスとスペイン国境のバスク地方にまで足跡をのばすことになる原点は、この幼少時の観絵経験にもとめられるのかもしれない。 江戸期につくられた洛中洛外図屏風のうち三点は、現在京都国立博物館に所蔵されている。
(野口良平)
(注: 赤字はデンマンが強調
イラストと写真はデンマン・ライブラリーより)
127ページ 『京都異国遺産』
編著者: 鶴岡真弓
2007年6月10日 初版第1刷発行
発行所: 株式会社 平凡社
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ケイトーはどうして「海外志向とおばさんパンツ」といタイトルにしたの?
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あのねぇ〜、おととい『京都異国遺産』を読んでいたら、たまたま上の箇所に出くわしたのですよ。
つまり、「幼少時の観絵経験」がケイトーを日本から脱出させたの?
そうなのですよ。
それで、ケイトーの場合にも「洛中洛外図屏風」を虫眼鏡で見たことで大人になってからヨーロッパに行ってみたくなったと言う訳なの?
いや。。。「洛中洛外図屏風」ではなかった。
いったい、どの絵を見たの?
あのねぇ〜、僕の祖母の実家が羽生市の今泉というところにあったのですよ。 僕がまだ6歳か7歳の頃、祖母に連れられてしばしば遊びに行ったものでした。
そこでケイトーに海外志向を与えた忘れられない絵を見たの?
いや。。。一枚の絵じゃなくて「世界の七不思議絵本」のような子供向けの本だった。
それがケイトーのおばあさんの実家にあったのォ?
いや、その実家から歩いて15分ぐらいのところに祖母の弟が住んでいる家があったのです。 その弟は、すぐそばの羽生市立井泉小学校の校長先生をしていた。 その娘に信子さんという僕よりも2歳年上の女の子が居たのですよ。 僕の親父の従妹にあたるのです。 この信子さんが僕が遊びにゆくと新しい弟ができたような気分になって僕を家来にして遊ぶのですよ。 (微笑)
その信子さんはケイトーのお父さんの従妹にしてはずいぶんと年が下なのね。
子供たちの中では一番末っ子だったのですよ。
それで信子さんがケイトーに「世界の七不思議絵本」を見せたの?
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この上のような本だったですよ。 僕は初めて日本以外にも海を越えた遠いところに、たくさんの国があることを知ったのです。 しかも見たこともないような不思議な建物や自然がたくさんあった。
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どんな物に興味を惹かれたの?
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ピラミッド、ナイアガラの滝、エンパイア・ステート・ビルディング、アンコールワット。。。そういうものでしたよ。
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世界の七不思議はピラミッドだけじゃないの。。。
だから、そういう世界の珍しい建物や自然を絵本にしたものを信子さんが僕に見せたのですよ。
つまり、カナダのナイアガラの滝が見たくってぇ初めて日本を飛び立った行き先がトロントだったのね?
いや。。。必ずしも意識していた訳じゃないけれど、今振り返ってみると、絵本の中にナイアガラの滝を見た記憶があるのですよ。
でも、小さい頃の事をよく覚えているわね?
あのねぇ〜、僕は1歳の頃の記憶まで断片的に覚えているのですよ。
マジで。。。?
その事については以前に記事を書いたことがある。
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■『星空の記憶』
(2011年4月4日)
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一歳の頃の記憶なんて普通の人にはないのよ。 たぶん、ケイトーはある時期に見た事があると思い込んでしまったのよ。
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そうだとしても、ここで問題にしているのは僕の5歳から6歳の頃の記憶ですよ。 シルヴィーにだって5歳の頃の思い出は、はっきりと覚えているだろう?
まあ、そうね。。。それで、信子さんが見せてくれた絵本がそれほどケイトーの海外志向に決定的な影響を与えたの?
そうなのですよ。 信子さんは僕があまりにも熱心に絵本を眺め回していたので、その絵本を僕にくれたのです。
それでケイトーも虫眼鏡で見るように何度も何度もその絵本を眺めたの?
その通りですよ。 多分、その頃に海外に行って自分の目で不思議な建物や自然を見てみたいという気持ちが芽生えたと思うのですよ。
でも、その事とおばさんパンツがどのように関係しているの?
あのねぇ、僕と信子さんは気が合ったというのか。。。5歳から6歳の頃は祖母に連れられて実家に遊びに行くといつも仲良く遊んだものです。 でもねぇ、6歳の夏だと思うけれど、近くの小川で泳ごうと信子さんが言い出したのです。
それで一緒に泳いだの?
僕は水泳パンツを持ってゆかなかったから泳ぎたくても泳げない。
それで。。。?
信子さんが「あたいのパンツを貸してあげるから、これを穿きなさい」と言って太股の所にゴムの入ったパンツをもって来たのですよ。
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あらっ。。。信子さんってぇ素敵な方じゃないの?
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これは僕のオツムの中でイメージした成人した信子さんの姿ですよ。 その信子さんが差し出したパンツはポケットは付いてなかったけれど、ちょうど上のように太腿の所にゴム紐が入っている白い女児用のパンツだったのですよ。
それをケイトーは穿いて泳いだの?
いや。。。ゴム紐が入っているブルマーのような女児用のパンツを穿いて泳いだら、それこそ当時の子供たちの間で物笑いにされてしまうのですよ。 そのような恥ずかしい事をするくらいならば死んだ方がましだと言う気持ちが、すでに6歳の僕にも固定観念としてあった。
それで。。。?
信子さんは、それにもかかわらず、しつこく「パンツを穿いて泳ぐのよ!」と言ってゆずらない。
それで仕方なくケイトーは信子さんのパンツを穿いて泳いだの?
いや。。。死んでも絶対に穿きません!と6歳の僕は断固として頑張りぬいたのですよ。
それで。。。?
信子さんは元気で、はきはきとした男勝(まさ)りの女の子だったのです。 「あたいの言うことが聞けないの!」 そう言う。 僕も腕白でガキ大将のタイプだったから、結局、喧嘩になってしまった。 僕はムカついてきたので、彼女の髪をつかんでポカポカなぐった。
あららああ〜。。。それってぇ乱暴だわよ!
信子さんも負けん気が強い女の子だったから「もう二度と来るな!」 結局、それ以来信子さんとは絶好ですよ。
あらっ。。。マジで絶交してしまったの?
そうなのですよ。 僕が大学生の頃、一度だけ行田市の僕の実家に訪ねてきたことがあったけれど、そのとき僕は仙台に居たから会えなかった。
結局、6歳の時から一度も会ってないの?
そうなのですよ。 現在、埼玉県鴻巣市の小学校で校長先生をしているとか、お袋が言ってました。
あらっ。。。ケイトーのお母さんまでがその事を知っていたの?
子供時分の気性の激しい僕に手を焼いた祖母が、すべてを僕のお袋に話して「あの子には困ったものだよ」と愚痴をこぼしていたものです。 今から思えば些細な事だったのけれど当時の僕にとって「女児用のゴムのはいったパンツなんて死んでも穿けるか!」という重大な問題だった。 信子さんにとっても、自分の弟と思って可愛がっていた僕が牙を向いて抵抗してきたのでアタマにきたらしい。 僕に殴られて火がついたように喚(わめ)いて泣き叫(さけ)んだ。 ヒステリックに泣き叫ぶのを見て、ちょっとやり過ぎたとは思ったけれど、 それ程、僕にとっては反抗すべき重大な事だった。
でも、女児用のゴムのはいったパンツは出てきたけれど、おばさんパンツが出てこないじゃない。
あのねぇ〜、この記事を書こうと思い立って、たまたまデンマン・ブログ(http://denman705.wordpress.com)の統計情報を調べたのですよ。
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これはねぇ、8月4日までの1年間の人気記事を表示したものです。
■『床上手な女の7つの見分け方』
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あらっ。。。上の記事が1年間で延べ10,268回も読まれたの?
そうなのですよ。 つまり、1日につき平均で約30回読まれているのですよ。 しかも、それと同じように「おばさんパンツ」を含んでいるタイトルが断然、人気記事の上位を占めている。
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■『おばさんパンツの誘惑』
(2009年6月4日)
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どうして、これ程「おばさんパンツ」が読まれるのかしら?
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あのねぇ〜、おばさんパンツを穿いたジューンさんが人気のようなのですよ。 (微笑)
「おばさんパンツ」って、それ程男性にとって魅力的に映るの?
僕は「女児用のゴムのはいったブルマー・パンツ」で嫌な思いをしたから、「おばさんパンツ」にも、それほど魅力を感じないのだけれど、ジューンさんのおばさんパンツ姿は、見ごたえがあると思いますよ。
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あのねぇ〜、上の統計情報は7月27日までの1年間の記録なのだけれど、わずか1週間の違いなのに、『床上手な女の7つの見分け方』も『おばさんパンツの誘惑』も確実に増えている。
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どうしてなのかしら?
あのねぇ〜、僕はたまたま『ヨーロッパ・カルチャーガイド 北欧』という本を読んでいた。 その本の中に次のような箇所がありましたよ。 シルヴィーもちょっと読んでみてよ。
フリーセックスを卒業した北欧社会
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北欧というと「フリーセックス」を連想する日本人がいまだに多い。 マスコミがその連想を定着させてしまったわけで、罪深いことだなあと思う。 フリーセックスという言葉は、北欧では「自立」とか「男女平等」に結び付く。 性は深く自分の生き方に関わることだから、ないがしろにせず、自分で決めて、自分で責任を持てということなのだ。
ところが日本人の多くが、マスコミのせいで、誰とでも寝るとか、ポルノが自由に買えるといった、まるで下世話な意味にとってしまったわけだ。 その意味では、日本の方がずっと「フリーセックス」社会である。 女子高生が携帯電話を持って、白昼堂々と売春交渉できる国など、そうあるものではない。
(中略)
昨年(1997年)、デンマークの新聞社ベアリングスチゼネとギャロップが共同で、デンマークの性生活に関するアンケート調査を行った。 15〜69歳の男女654人(もちろん、ホモセクシャル、バイセクシャルを含む)を対象に、設問は50項目ほどあるが、全体を通しての分析の結論は、「デンマーク人はもっとセックスがしたい」であった。
しかし、これはデンマーク人に盛りがついているという意味ではない。 「自立」や「男女平等」を背景に、性に関するあらゆるタブーを排除してきたが、それが最近は「ただ腰を動かすだけのセックス」になってしまった。 そうではなくて、自分の価値を高めたり、自分の人生に自信がもてるような「心を動かすセックスをもっとしたい」ということなのである。
(注: 赤字はデンマンが強調
写真はデンマン・ライブラリーより)
122ページ 『ヨーロッパ・カルチャーガイド 北欧』
(白夜の国に魅せられて)
編集: ECG編集室
2001年2月26日 初版第2刷発行
発行所: 株式会社 トラベルジャーナル
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