桜井の別れと母上様 (PART 2 OF 3)
『太平記』によると、「桜井の別れ」のあらましは次の通りだそうです。
建武三年五月(1336年6月)、九州で劣勢を挽回して山陽道を怒濤の如く東上してきた足利尊氏の数十万の軍勢に対し、その20分の1ほどの軍勢しか持たない朝廷方は上を下への大騒ぎとなった。
新田義貞を総大将とする朝廷方は兵庫に陣を敷いていたが、正成は義貞の器量を疑い、今の状況で尊氏方の軍勢を迎撃することは困難なので、尊氏と和睦するか、またはいったん都を捨てて比叡山に上り、空になった都に足利軍を誘い込んだ後、これを兵糧攻めにするべきだと後醍醐帝に進言したが、いずれも聞き入れられなかった。
そこで正成は死を覚悟し、湊川の戦場に赴くことになった。
その途中、桜井の駅にさしかかった頃、正成は数え11歳の嫡子・正行を呼び寄せて「お前を故郷の河内へ帰す」と告げた。
「最期まで父上と共に」と懇願する正行に対し、正成は「お前を帰すのは、自分が討死にしたあとのことを考えてのことだ。
帝のために、お前は身命を惜しみ、忠義の心を失わず、一族朗党一人でも生き残るようにして、いつの日か必ず朝敵を滅せ」と諭し、形見にかつて帝より下賜された菊水の紋が入った短刀を授け、今生の別れを告げた。
数えで11歳ということは満で10歳ですよね。
今で言えば、正行は小学校3年生か4年生でしょう!?
とても戦場に出て戦える年齢ではないですよね。
正成が亡くなったのは1336年。
生まれたのは1294年。
つまり、満42歳で亡くなっているのです。
正行は数え年11歳ではなく、すでに20歳になっていたという話もあります。
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正行の母(南江久子)は、当時三十代であったそうですから、36歳とすれば 20歳の息子がいても昔ならば可笑しくないはずです。
室町時代ならば14歳で結婚して 15歳で子供を生んでも不思議ではない。
小生の考えでは、正行は少なくとも戦場に出る年になっていたろうと思います。
つまり、18歳か19歳にはなっていたろうと。。。
では、どうして数え年11歳にしたのか?
修身の教科書に載せて軍国教育、富国強兵政策のために小学生を教育するならば、同じ小学生の年頃に設定した方が教育の効果が上がると当時の文部省のお役人は考えたのでしょうね。
“天皇陛下に万歳して戦死するように教育する”には、20歳前後だった正行を 数え年11歳にした方が効果があると思ったのですよ。
その方が“お涙ちょうだいの物語”になります。
「老いた母の元に帰れ」と正行に告げ、両者は泣く泣く別れ行く。
しかし、この時の正行の母は30代だったのですから「老いた母」にしてしまうのは可哀想と言うものです。
でも、修身の教科書には「老いた母」と書かねばならなかったのでしょう。
母上様も、たぶん、この「老いた母」の気持ちになって“桜井の別れ”を聞いたのでしょうね。
この歌が有名だったということは、小生にも理解できます。
なぜならば、小生の同級生の野原自転車屋の息子の名前が“正行”なのですよ。
恐らく、野原君のお母さんは小学校の修身の時間や唱歌の時間に“桜井の別れ”を何度も何度も聞いて、子供が生まれたら息子に“正行”という名前をつけようと考えたのでしょう!?
それほど“桜井の別れ”を聞いて 野原君のお母さんは感動したのでしょうね。
でも、あの正行君は、面白い奴で 戦争がもし起きたとしても 絶対に戦争など行くような男ではありません。
逃げ回りますよう。 (笑)
たぶん、小生と一緒に外国に脱出します。 (爆笑) 間違いありません!
『かしこの母上様』より
(2014年6月12日)
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上の小文を読んでジューンさんに 何か思い当たることはありませんか? 特に、赤字にした部分を読んでみてください。
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特に 思い当たることはありませんわァ。
やだなあああァ~。。。 ジューンさんは、もう忘れてしまったのですか? 『かしこの母上様』が 8人のネット市民の皆様に読まれた7月25日には、『戦争に行くことを教えた女教師』が投稿された日でもあるのですよ。 その記事の中で僕とジューンさんは次のように対談していたのです。
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デンマンさんは上の意見に反対なのですか?
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非国民にされようが、刑務所に送られようが戦争で死ぬよりもましなのですよ。。。 だから、自分の気持ちに逆らってはいけないのです。
つまり、非国民にされようが刑務所に送られようが、デンマンさんが教師ならば生徒を戦場に送り出すよなことはしないのですか?
絶対に生徒を戦場に送り出すようなことはしません。。。 なぜなら、僕自身が絶対に戦場には行かないからです。。。
でも、非国民人にされたら。。。
かまいません。。。
反戦思想で刑務所に送られたら。。。?
戦死するよりましだと思って、刑に服します。。。 でも、その前にカナダに脱出します。。。 現在のように。。。 うへへへへへ。。。
デンマンさん!。。。 真面目になってください。。。 笑い事ではありませんわ。。。
とにかく、僕は自分の気持ちに素直に従うだけですよ。。。 だから、こうして僕は現在カナダ国民になっているのです。。。 日本人であることを捨てたわけじゃない!。。。 正しいと思う自分の気持ちに素直に従って生きているだけのことです。。。 戦争に関する限り、絶対にどんな戦争も僕は拒否しますよ。。。 ついでだから、ここに興味深い YouTube クリップを貼り付けます。
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■『実際のカタログページ』
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上のクリップは予告編だけれど、僕は実際にバンクーバー市立図書館で DVD を借りて観ました。 アメリカには第2次世界大戦に出征することを拒否した民間人が4万にも居たのですよ。。。 驚くことに、日本にも少ないけれど戦争に行くのを拒否した人が居たのです。。。 刑務所に入れられたけれど。。。 とにかく、非国民と呼ばれようが、刑務所に入れられようが、行動を起こさない限り、日本も、そしてこの世界もより住み良い社会にならないのですよ。 それで、ケネディー大統領も次のように言ったわけです。
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なるほどォ~。。。 「戦争を拒否する人が戦争に行く人と同じ程度に尊敬されない限り、戦争はなくならないだろう」と言ったのですわねぇ~。。。
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そういうことですよ。。。 戦争をなくすには、あくまでも戦争を拒否すべきなのです。。。 だから、先生が生徒を戦場に送るのは間違いです。。。 絶対に生徒を戦場に送ってはいけないのですよ!
『戦場に行くことを教えた女教師』より
(2015年7月25日)
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どうですか、ジューンさん。。。 思い出しましたか?
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もちろん、覚えていますわ。。。 一昨日の事ですものォ~。。。 で、『かしこの母上様』を読んだ 8人のネット市民の皆様は『戦場に行くことを教えた女教師』も読んだとデンマンさんは断定するのですか?
そうですよ。。。 それで、「このようなことを言うデンマンってぇ、いったいどういう人物なのだろう? 親の顔が見てみたい」。。。 と思ったわけですよ。
それで、その人たちは デンマンさんの親の顔が見たいと思って“まぼろしのキーワード”を入れて検索したのですか?
その通りですよ。
。。。で、いったい どのようなキーワードを入れて検索したのですか?
僕は、上の文章をじっくりと読んでから 次のように検索してみたのですよ。
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(gog50726b.png)
■『現時点での検索結果』
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「戦争 カナダ 脱出 母 Denman 歌」を入れてGOOGLEで検索してみたのです。。。 すると、検索結果のトップに『かしこの母上様』が躍り出るのですよ。
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「戦争 カナダ 脱出」は、確かに、上の小文の中に出てきますけれど、「母 Denman 歌」は、上の文章には出てきませんわ。
だから、「デンマンの母親というのは、どのような女なんだろうか? 軍歌の一つや二つぐらい歌えるのだろうか?」。。。 そう思って、「母 Denman 歌」を付け足して検索したわけですよ。
でも、それは、デンマンさんの考えすぎだと思いますわァ~。。。
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