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焼き滅ぼさむ再び(PART 2 OF 3)

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焼き滅ぼさむ再び(PART 2 OF 3)




(rajomon1.jpg)


(bigroad.jpg)

1998(平成10)年に復元された朱雀門に立って、南面すれば当時の朱雀大路の景観を実感することができる。

平城京生活者にとって「ふるさと」とイメージされる場所だった飛鳥、都を思い出させる景観として想起された都大路。

それは、紛れもなく「万葉びと」の生活空間の一部であった。

さて、先ほど見た中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌に、次のような歌がある。



(yamayaki.jpg)

 

君が行く

道の長手(ながて)を

繰(く)り畳(たた)ね

焼き滅ぼさむ

天の火もがも



あなたの行く

長い長いその道のりを

手繰り寄せ、そして重ねて

焼き滅ぼしてくれるような

天の火が欲しい


(巻15の3724)


狭野弟上娘子は、あなたが行く長い道中を、手繰り寄せて畳んでしまい、焼き滅ぼしてしまう天の火が欲しい、と宅守に歌を送っている。

これは、二人を隔てる物理的、時間的距離をなくしたい、ということを歌っているのであろう。

つまり、歌を交わすことによって心的距離をなくしているともいえるだろう。

物理的、時間的距離を無化させる歌の力のようなものを、私はこの歌に感じている。

もちろん、この贈答歌が、あとから何らかの歴史的事実に基づいて作られた虚構の歌で、実際にやり取りされたものではない、という可能性もあるのだが、そうであるならば、なおさらのこと、この歌の表現が多くの人びとの共感を前提として作られている証拠になるであろう。

上野誠・奈良大学教授

(注:写真はデンマン・ライブラリーから貼り付けました。
赤字はデンマンが強調)



42 - 43ページ
『別冊太陽 日本のこころ156 平城京』
(平城遷都1300年記念)
2010年4月1日 初版第3刷発行
編集人: 湯原公浩
発行所: 株式会社 平凡社




なるほどォ~。。。 あんさんが『別冊太陽』から、引用しやはったのやねぇ~。。。



あきまへんか?

かまへんけど、わたしには、一つだけ大きな疑問がありますねん。

どないな疑問やねん?

あんさんが『焼き滅ぼさむ』の中で引用した次の検索結果をもう一度見て欲しい。


(gog50616a.png)

『現時点での検索結果』



わてが「君が行く道のながてを繰くり畳たたね焼き滅ぼさん天あめの火もがも」を入れて検索した時には、上のような検索結果をゲットしたのやでぇ~。。。 それが どうやと言うねん?



あんさんの Denman Blog へのリンクは 4番目に出てきよる。。。 ということは、“君が行く道のながてを繰くり畳たたね焼き滅ぼさん天あめの火もがも”を入れて検索しやはった人は、当然のことやけど、1番から3番のリンクをクリックして3つの記事を読みはったに違いあらへん。

そうやろなァ~。。。

それやのに、どうして4番目に出てきよる あんさんの Denman Blog を読む必要があるのやろか? つまり、わたしが言いたいことは 1番から3番の記事の中に、“君が行く道のながてを繰くり畳たたね焼き滅ぼさん天あめの火もがも”の和歌の意味がちゃんと書いてありますやん。 わたしやったら、トップの記事を読んで意味が書いてあれば、他の記事など読まへん。。。 それやのに、どうして Denman Blog のあんさんの記事を読む必要があるのやろかァ?

あのなァ~、めれちゃん。。。 ニーチェのおっさんが かつて次のように言うたのやァ~。。。


読むべき書物


(nietzsche9.jpg)

わたしたちが読むべき本とは、次のようなものだ。

読む前と読んだあとでは世界がまったくちがって見えるような本。

わたしたちをこの世の彼方へと連れさってくれる本。

読んだことでわたしたちの心が洗われたことに気づかせるような本。

新しい知恵と勇気を与えてくれる本。

愛や美について新しい認識、新しい眼を与えてくれる本。

 

『悦ばしい知識』 --- ニーチェ



183 『超訳 ニーチェの言葉』
訳者: 白取春彦
2010年3月20日 第11刷発行
発行所: 株式会社ディスカバー・トゥエンティワン




つまり、“君が行く道のながてを繰くり畳たたね焼き滅ぼさん天あめの火もがも”を入れて検索しやはった人は、次のような記事を読もうと思いはったん?


■ 読む前と読んだあとでは
  世界がまったくちがって見えるような記事。

■ わたしたちをこの世の彼方へと
  連れさってくれる記事。

■ 読んだことで
  わたしたちの心が洗われたことに
  気づかせるような記事。

■ 新しい知恵と勇気を与えてくれる記事。

■ 愛や美について新しい認識、
  新しい眼を与えてくれる記事。




その通りやがなァ~。。。 要するに、常識的な、誰もが思いつくような意味だけでは満足できへんかったのやがなァ~。。。

それで、あんさんの Denman Blog の記事を読んで、ようやく満足できる解釈に巡りあったわけやのォ~。。。?

そういうこっちゃがなァ~。。。 その人は、わての解釈を読んで読む前と読んだあとでは 世界がまったくちがって見えるようになったのやァ。。。

。。。で、上の和歌の意味は。。。?

次のような意味やねん。。。



(yamayaki.jpg)

 

君が行く

道の長手(ながて)を

繰(く)り畳(たた)ね

焼き滅ぼさむ

天の火もがも



文字通りに解釈すれば
「あなたの行く長い長いその道のりを
手繰り寄せ、そして重ねて
焼き滅ぼしてくれるような
天の火が欲しい」という意味になるけれど、
そんな事を言うために上の和歌を詠んだわけじゃない。

私の父・旅人(たびと)は
729(神亀6)年2月に起こった「長屋王の変」で
涙を呑んで藤原氏の専横に屈しなければならなかった。

しかし、藤原氏の専横がいつまで続くわけではない。
いつか 必ずや 天の火が天罰のように
藤原氏を見舞うことになるだろう。


(巻15の3724)




そやけど、そないな解釈をこれまでに 見たことあらへんわァ~。。。



あのなァ~、めれちゃん。。。 最初に引用した小文の中に 「この贈答歌が、あとから何らかの歴史的事実に基づいて作られた虚構の歌で、実際にやり取りされたものではない、という可能性もある」と書いてあるやろう。。。

確かに、そないに書いておますなァ~。。。

そやから、実際の作者は「長屋王の変」と藤原氏の専横に事寄せて上の和歌を詠んだのやがなァ~。。。 

つまり、“君が行く道のながてを繰くり畳たたね焼き滅ぼさん天あめの火もがも”を入れて検索しやはった人は Denman Blog の「長屋王の変」のタグ(tag)のページをマジで見やはったん?

そうやァ。。。 すると次のページが出てきよる。


(wp50905t.png)

『実際のテーマのページ』



上のページの2番目に出てきよる記事が『萌える恋歌の裏に』というタイトルやねん。



検索した人は、その記事をよみはったん?

そうや、次の記事を読むと、上のように解釈した理由が書いてあるねん。 それで読む前と読んだあとでは 世界がまったくちがって見えるようになるねん。


(rengfire.jpg)

『萌える恋歌の裏に』



(laugh16.gif)

 (すぐ下のページへ続く)


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