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漫画家の壁(PART 3 OF 4)

 
漫画家の壁(PART 3 OF 4)


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"It's not what you do,

it's the way that you do it."



200 page "The Real James Herriot"
by his son, Jim Wight
published in 1999
by McClelland & Stewart Inc.


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つまり、何を成し遂げるかも重要なのだけれど、もっと重要なことがある。 それは、どのように成し遂げるかだ、と言うのだよ。

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要するに、日本の平和、ひいては世界の平和を達成するために大東亜戦争をしたことは間違っていたとデンマンさんは主張するのですか?

そうだよ!

大東亜戦争が間違っているという根拠は。。。?

次のエピソードの中の悲惨な少女の姿を思い浮かべてみろよ!


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アメリカの空襲を受けて、東京をはじめ都市部はどこも焼け野原。
おまけに政府は戦争を続けるために国債を大量に乱発していたので、敗戦直後はものすごいインフレになった。
物価は数十倍になって、戦前に貯めていた貯金や財産は無に等しくなった。
おまけに空襲で家をなくし、人びとは食糧不足で苦しんだ。

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1945年3月の東京大空襲で

焼け野原になった江東区。

「約310万人が死んだ」とか簡単にいうけれど、一人の人間が死ぬことは、遺族や縁者に、大きな傷を残すことだった。
作家の夢野久作の長男だった杉山龍丸という人は、敗戦直後に復員事務の仕事に就いていたときのことを回想して、こう述べている。

「私達は、毎日毎日訪ねてくる留守家族の人々に、貴方の息子さんは、御主人は亡くなった、死んだ、死んだ、死んだと伝える苦しい仕事をしていた」。
「留守家族の多くの人は、ほとんどやせおとろえ、ボロに等しい服装が多かった」。
杉山はある日、小学校二年生の少女が、食糧難で病気になった祖父母の代理として、父親の消息を尋ねにきた場面に出会った経験を、こう書いている。


私は帳簿をめくって、氏名のところを見ると、比島(フィリピン)のルソンのバギオで、戦死になっていた。
「あなたのお父さんは---」
といいかけて、私は少女の顔を見た。 やせた、真っ黒な顔。
伸びたオカッパの下に切れの長い眼を、一杯に開いて、私のくちびるをみつめていた。
私は少女に答えねばならぬ。
答えねばならぬと体の中に走る戦慄を精一杯おさえて、どんな声で答えたかわからない。
「あなたのお父さんは、戦死しておられるのです。」
といって、声がつづかなくなった。
瞬間 少女は、一杯に開いた眼を更にパッと開き、そして、わっと、べそをかきそうになった。

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…しかし、少女は、
「あたし、おじいちゃまからいわれて来たの。 おとうちゃまが、戦死していたら、係りのおじちゃまに、おとうちゃまが戦死したところと、戦死した、ぢょうきょう(状況)、ぢょうきょうですね、それを、かいて、もらっておいで、といわれたの。」

私はだまって、うなずいて……やっと、書き終わって、封筒に入れ、少女に渡すと、小さい手で、ポケットに大切にしまいこんで、腕で押さえて、うなだれた。
涙一滴、落さず、一声も声をあげなかった。
肩に手をやって、何か言おうと思い、顔をのぞき込むと、下くちびるを血が出るようにかみしめて、カッと眼を開いて肩で息をしていた。
私は、声を呑んで、しばらくして、
「おひとりで、帰れるの。」と聞いた。 少女は、私の顔をみつめて、
「あたし、おじいちゃまに、いわれたの、泣いては、いけないって。おじいちゃまから、おばあちゃまから電車賃をもらって、電車を教えてもらったの。 だから、行けるね、となんども、なんども、いわれたの。」
…と、あらためて、じぶんにいいきかせるように、こっくりと、私にうなずいてみせた。
私は、体中が熱くなってしまった。 帰る途中で私に話した。
「あたし、いもうとが二人いるのよ。 おかあさんも、しんだの。 だから、あたしが、しっかりしなくては、ならないんだって。 あたしは、泣いてはいけないんだって。」
…と、小さな手をひく私の手に、何度も何度も、いう言葉だけが、私の頭の中をぐるぐる廻っていた。
どうなるのであろうか、私は一体なんなのか、何が出来るのか?


(注: 写真とイラストはデンマンライブラリーから貼り付けました)



84 - 88ページ 『日本という国』
著者: 小熊英二
2006年3月3日 初版第1刷発行
発行所: 株式会社 理論社



『漫画家と平和』に掲載
(2011年3月6日)


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小学校2年生の少女をこのような悲惨な状況に追い込んだから大東亜戦争は間違いだとデンマンさんは主張するのですか?

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そうだよ。

でも、それ以外に方法は無かったのですよ。

あったじゃないか! 日本は一億玉砕に向かって竹槍だけでも米軍と戦おうとした。 建前(たてまえ)では天皇と皇統を守るために一億玉砕しようとした。 しかし、昭和天皇は一億玉砕をする愚に気づいた。


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天皇陛下はどうなさっているのかという国民の声なき声がある、一億玉砕を叫び立て、本土決戦をおこなうことになり、多数の非戦闘員がころされることになれば、陛下にたいする怨みは噴出すると、二人(高木八尺と南原繁)は言うのだ。

自分にたいする怨みの感情が国民のあいだに起きるという、初めて聞く話に、天皇は当惑し、混乱しはしたものの、理解できたにちがいない。

 (中略)

林のあいだの小道を歩きながら、天皇は南原と高木が説いたとおりだと重ねて思ったにちがいない。
戦争を早くやめなければ「皇室護持」の(元駐日大使)グルーの力は弱まり「皇室抹殺」派の力が強まる。

 (中略)

そのときから13日、昭和20年6月22日、天皇は6人の政府、統帥部の首脳に向かって、戦争終結の決意を述べた。

(注: 写真はデンマンライブラリーから貼り付けました)



149 - 150ページ
『原爆を投下するまで日本を降伏させるな』
著者: 鳥居民
2005年6月7日 第1刷発行
発行所: 株式会社 草思社



『漫画家と平和』に掲載
(2011年3月6日)


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でも、大東亜戦争を始めたからこそ天皇の上の英断があったのですよ。

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何を愚かな事を言ってるんだよ! その英断を太平洋戦争開戦する前にすべきだったのだよ! 310万人が死んだ後で天皇は大東亜戦争、太平洋戦争の愚に気づいた。

やってみなければ分からなかったのですよ!

あのなァ、日本とアメリカの物量の違いを計算して日本がアメリカと戦争をすると負けますと戦前の経済企画庁のような役所のお偉いさんが分析していたのだよ! でもなァ、陸軍の愚か者が日本は神の国であるから絶対に勝つといって合理的な分析結果など「屁のツッパリにもならない!」と嘲笑しただけだった! 冷静に、合理的に考える人にとって太平洋戦争は負けることが分かっていた。 負けることが分かっていた戦争をあえて断行したのは、オマエの言う「士風」のためだったのだよ!

でも、オイラはあえて言います! 日本民族にとって「士風」は大切です。

オマエが書いた次の愚論を僕もじっくりと読んだよ。

 (すぐ下のページへ続く)




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