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コーヒーと愛の香り(PART 2)

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コーヒーと愛の香り(PART 2)



つまりねぇ、その雰囲気というのは若い恋人同士が1時間か2時間近くロマンを語り合えるような。。。たとえば、アラン・ドロンの主演する映画「太陽がいっぱい」についてフランスに行ったような気分に浸りながら現実の柵(しがらみ)から開放されて、恋人と一緒に夢見心地になれる。。。つまり、ロマンの空間ですよ。 そういうロマンの空間が昔の喫茶店にはあったのですよ。 叔母は、そのような「ロマンの空間」にこだわっていた。



デンマンさんの叔母様は、かなり海外志向の女性なのですわね?

そうですよ。。。とにかく、叔母はアラン・ドロンがアイドルだったのですからね。 石原裕次郎とか野口五郎とか。。。そういう日本のアイドルなどには目もくれませんでしたよ。 (爆笑)

つまり、デンマンさんがマリリン・モンローに熱を上げたのは叔母様の影響があったのですわね。。。それで、デンマンさんは美空ひばりとか、雪村いずみとか、江利チエミさんには目もくれなかったのですわね。 (微笑)

いや。。。僕の時代は美空ひばりではありませんよ。 天地真理(あまちまり)の時代ですよ。 うしししし。。。

つまり、この事が言いたかったのですか?

いや、違いますよ。 あのねぇ〜、昔は喫茶店ごとに雰囲気もさることながら、個性があったのですよ。 最近のカフェ・チェーンには個性というようなものは全く感じられない。 どのカフェ・チェーンも合理化というか、人件費削減というか、店員とお客の間のコミュニケーションというものが全く無くなってしまったのですよ。

その。。。店員とお客の間のコミュニケーションというのは、どのようなものですの?

たとえば、僕が学生時代に経験した次のようなものですよ。




『ベンハー』を観た後で喫茶店に行ったのですよう。 映画館は「東宝劇場」と言って『仙台東宝ビル』の6階と7階を占めていた。



     青葉通り







上の地図で見ると3番の所にあったのですよう。仙台駅西口からすぐです。青葉通りと愛宕上杉通り(東五番丁)の交差点角です。



今でもあるのでござ〜♪〜ますか?

残念ながら、もうありませんよう。僕が映画を見た頃の『仙台東宝ビル』は、2006(平成18)年2月に閉館したのですよう。今建っているビルは2008(平成20)年7月にオープンした新しいビルです。

。。。んで、喫茶店も同じビルの中にあったのでござ〜♪〜ますか?

そうなのですよう。1階に「高山書店」と言う本屋さんがあって、ここで、よく恵子さんと待ち合わせたものですよう。そして、地下一階に「詩仙」と言う喫茶店があったのですよう。

その喫茶店に映画を見た後で恵子さんと奈緒子さんと一緒に入ったのでござ〜♪〜ますか?

そうなのですよう。特に豪華と言う感じではないけれど、コーヒーカップのデザインなどは、いかにも女の子の心をつかむような、しゃれたデザインでしたよう。おしゃれな雰囲気があって、僕はよく待ち合わせに使ったものですよう。

つまり、ナンパした後でこの喫茶店に女性を連れてきて、女心をくすぐるのでござ〜♪〜ますわね?うふふふふふ。。。

まるで僕の趣味がナンパだと言うような話し振りだけれど、卑弥子さんが思っているほど、僕は女子高生をナンパした訳ではありませんよう。

でもデンマンさんは、よくこの喫茶店へ女性を連れ込んだのでござ〜♪〜ますでしょう?

あのねぇ〜、ラブホに連れ込むのとは訳が違うのだから、感じのイイしゃれた喫茶店に女性を連れて行くのは非常に健康的で文化的なのですよう。

。。。んで、どういうところがおしゃれで文化的なのでござ〜♪〜ますか?

あのねぇ〜、ちょっとしたところが他の店と違うのですよう。僕は、たいていカフェオレを注文したのですよう。そうするとウェイトレスさんがやって来てコーヒーとホットミルクのポットを両手に持って、卓上のカップに同時に注いでゆくのですよう。

あらぁ〜。。。入れたものを持って来るのではないのでござ〜♪〜ますか?

違うのですよう。そこがちょっと、しゃれた感じなんですよう。パリの街角の青空喫茶店でカフェオレを飲むようなしゃれた気分になれるのですよう。





デンマンさんは、すでに大学生の時にパリにも行った事があるのでござ〜♪〜ますか?



いや、パリに行ったのは社会人になってからですよう。

。。。んで、そのカフェオレの入れ方がデンマンさんの気に入ったのでござ〜♪〜ますか?

違うのですよう。実はねぇ〜、この様子を初めて連れて行った女の子が見ると、たいていビックリしてドキドキしながらじっと見ているのですよう。

どうしてでござ〜♪〜ますか?

注いでゆくうちにウェイトレスさんが持ったポットの位置をどんどん高くしてゆく。初めて見る女の子は、こぼれたりしないだろうかと思って目を丸くしてドキドキ、ヒヤヒヤしながらじっと見つめているのですよう。その様子を見るのが、また面白くて楽しいのですよう。。。ウしししし。。。

じゃあ、奈緒子さんは、また声を上げたのござ〜♪〜ますわね?

良く分かりますねぇ〜。。。そうなのですよう!何事にも感情的になってしまう、とっても感受性の豊かな女の子だったから、“ああああぁ〜。。。こぼれるうううゥ〜!” 思わず叫んでいましたよう。

。。。んで、こぼれてしまったのでござ〜♪〜ますか?

もちろん、こぼれませんよう。ウェイトレスさんは、もう何千回と同じ事をやっているのだから、手馴れたものでしたよう。

つまり、田舎者だと見られたお客には、わざとポットを高くしてヒヤヒヤさせるのでござ〜♪〜ますか?

そうなのですよう。ウェイトレスさんは仕事中に、多分それだけが楽しみなのでしょうね。うへへへへ。。。奈緒子さんが叫んだ時には、ウェイトレスさんの口元がほころんで、期待していた通りに田舎者がビックリしているよう!と思って軽蔑した目の色が浮かんでいましたよう。そのウェイトレスさんの様子を眺めるのも、また楽しかったのですよう。

ヤ〜らしい趣味ですわ。。。んで、デンマンさんは奈緒子さんがビックリして叫ぶ様子を眺めながら、映画館の中での憂さを晴らしていたのでござ〜♪〜ますか?

うへへへへ。。。分かりますか?

想像つきますわ。。。んで、女の子たちは何を注文したのですか?





恵子さんは、チョコレートパフェを注文しましたよう。「詩仙」のパフェは、アイスとフルーツとクリームのてんこ盛りではなく、赤銅色のジョッキに盛られたチョコレートとバニラのアイスがベースで、底にはコーンフレークが詰まっているのですよう。デコレーションはチョコレートソースとクラッカーのみ。味気ないくらいにシンプルなパフェだった。でも、それが気に入ったらしくて、恵子さんは決まってこのチョコレートパフェを注文しましたよう。



あ〜♪〜らぁ、あたくしも食べたくなってきましたわ。2010年には、デンマンさんとあたくしで、ぜひ仙台へ行きましょうね?

あのねぇ〜、喫茶店「詩仙」は、もう無いのォ〜!



『杜の都の乙女』より
(2009年3月12日)




あらっ。。。デンマンさんはナンパするために女子高生を喫茶店に誘ったのですの?



違いますよ。 ナンパが目的ではないのですよ。

でも、私が女子高生の頃は喫茶店に入るのは厳禁でしたわ。

僕の頃だってほとんどの女子高では、保護者と一緒でない限り女子高生だけで喫茶店に入ってはだめだったのですよ。 だから、恵子さんも奈緒子さんも、もちろんセーラー服など着てません。 ちゃんと大人のようなタイツスカートやミニスカートをはいてやって来ましたよ。

。。。で、それからラブホへ行くのですか?

やだなあああァ〜。。。ラブホには行きませんよ。 たいてい映画館へ行くか、映画を見終えてから喫茶店に行くのですよ。 あのねぇ!〜、僕が言いたいのは、ラブホへ行くとか行かないとか?じゃなくて、カフェオレを注文すると、ウェイトレスさんがテーブルまでやって来てコーヒーとホットミルクのポットを両手に持って、卓上のカップに同時に注いでゆくのですよう。 しかも、注いでゆくうちにウェイトレスさんが持ったポットの位置をどんどん高くしてゆく。 つまり、エンターテインメントにもなっていた。 こんな事は、今時のカフェ・チェーンでは絶対に見かけません。 どこのカフェ・チェーンへ行っても、面白くないのはカフェに、雰囲気も個性もなくなってしまったからですよ。

つまり、カフェ・チェーンの急成長が止まってしまったというのは、カフェに雰囲気も個性もなくなってぇ、つまらなくなったからだと、デンマンさんは言うのですか?

その通りですよ。 僕は、そのうち雰囲気と個性を持った独立喫茶店がリバイバルするだろうと思っているのですよ。


【卑弥子の独り言】



ですってぇ〜
確かにカフェオレを注文してウェイトレスさんが面白い入れ方をするのを見ているのは、あたくしもワクワク、ヒヤヒヤしそうでござ〜♪〜ますわ。
個性的な雰囲気とエンターテインメントを提供するような独立喫茶店が増えることをあたくしも期待しているのですう。
あなただって、「詩仙」のような喫茶店があったら行ってみたくなるでしょう?

とにかく、次回も、面白い話題が続きそうでござ〜♪〜ますう。
どうか、また読みに戻ってきてくださいましね。
では。。。






ィ〜ハァ〜♪〜!

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こんにちは。ジューンです。

日本では「キリマンジャロ」と「ブルーマウンテン」が

大人気のようですが

カナダでもアメリカでも、この2つの銘柄に

こだわる人は、まず居ません。

だから、もし、あなたもこの2つがお気に入りだと

アメリカやカナダのコーヒーショップで

この銘柄を見つけるのに苦労するかもしれません。

日本人を、世界一「キリマンジャロ」を

好む消費者に変えたのは

1953年に日本で公開された

『キリマンジャロの雪』という映画だそうです。


(kiliman2.jpg)

<iframe width="420" height="315" src="http://www.youtube.com/embed/fbzrwk6WHJ0" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

原作はヘミングウェイで、

グレゴリー・ペッグが主演しました。

この映画で映し出された

美しいキリマンジャロ山のイメージが

「キリマンジャロ」銘柄を日本人の間に

広めたのだそうです。

では、あなたもコーヒーか紅茶を飲んで

一息入れてください。

飲みながら次の「コーヒーと紅茶」の歌でも聴いてくださいね。



<iframe width="420" height="315" src="http://www.youtube.com/embed/Z3Zcfn_yUSg" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

ところで、英語の面白い話を集めました。

時間があったら覗いてみてください。

■ 『あなたのための愉快で面白い英語』

では、今日も一日楽しく愉快に

ネットサーフィンしましょう。

じゃあね。





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