ヒシしようよ (PART 1)
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わたしの中の悪いわたし
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わたしの中には悪いわたしが棲んでいる。
こましゃくれた子どもはいまも苦手だし、かといって天真爛漫であれば、それはそれでどうもうんざりする。
このあいだひどいことがあった。
娘は保育園から帰って、ささやかなおやつを食べていた。
一日園ですごして甘えたかったのだろう。
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ビスケットとヤクルトのほかに牛乳がほしい、牛乳をこぼしたから拭いてほしい、拭くのはそのタオルじゃなくてピンクのやつにして、などと次々に要求してくる。
ヤクルトを飲み終わったボトルをさしだして、「これ、かたづけて~」と言ってきた娘に、家事がはかどらずにイライラしていたわたしは、つい「わたしはあなたのメイドじゃないんだからね」と言ってしまった。 (略)
急にわけのわからない理屈をぶつけられた娘はぽかんとした後にしょんぼりし、沈黙が部屋を支配した。
わたしは口にしたとたん「しまった……」と思っているのに、バツがわるくて撤回できず、背を向けたまま夕飯のしたくをつづけた。
……シーン……
トントントントン(包丁の音)
ポリポリポリ(ビスケットをかじる音)
なんとかしなくてはと思いつつ舌がほぐれない。
しばらくすると、「ママ?」と娘が呼んできた。
「ヒシしようよ」
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ヒシというのは、彼女の用語で「ハグ」のこと。
「ひしと抱きあう」
という言い回しをどこかで聞いて気に入ったらしく、ぎゅっと抱擁しあうことを「ヒシ」と言う。
わが家では、2歳数か月の子どものほうが母よりずっとおとななのであった。
こういう時ばかりは、わたしの中の悪いわたしは跡形もなく消えてしまう。
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
97-98ページ 『孕むことば』
著者: 鴻巣友季子
2008年5月22日 第1刷発行
発行所: 株式会社 マガジンハウス
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デンマンさん。。。 なんだか 私に対する当て付けのようなエピソードを持ち出してきましたわねぇ~。。。
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あれっ。。。 小百合さんも 鴻巣友季子さんのように子どもの前でヒステリーを起こしたことがあったのですかァ~?
台所で夕飯のしたくをしている時などに、子どもがうるさく まとわりついてくる時など ついついムカついて 言わなくてもいい言葉を口走ったりしたことがありましたわ。。。
。。。でしょうねぇ~。。。 僕にも子どもの頃、甘えたいのに母親につっけんどんにされたことがありましたよ。。。
小さな子どもの頃ってぇ、誰にでも同じような経験があるのではありませんかァ~。。。?
でもねぇ~、僕が子どもの頃にはハグをする習慣というのは、全くありませんでしたよ。。。 最近、日本に帰省してテレビを見ていると、アメリカの映画の影響か? あるいは欧米を旅行してハグをするのを見慣れるようになったせいか? 中学生か、あるいは女子高生か? 戸外で女の子同志でハグをしているのを見かけることが多くなったけれど、僕が小学生か中学生の頃には、そのような事は全くありませんでした。。。 小百合さんの子どもの頃はどうでしたか?
やっぱり、ありませんでしたわァ。。。 アメリカ文化の影響だと思いますわァ。。。
僕が小学生の頃だって、テレビでアメリカのホームドラマをやっていたけれど、ハグをするのって、あまりテレビに映ってなかったよな気がするのですよ。。。
私が子どもの頃は、アメリカのホームドラマで たまにはハグを見かけましたけれど。。。、でも、その真似をしてハグする人はいませんでしたわァ。。。
海外で暮らしている人にとっては、ハグはけっこう当たり前ですからね。。。 例えば、ブラジルですよ。。。
アブラッソ不在の美
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日本に住み始めた頃、ここには、ブラジルのアブラッソ(ハグ)の習慣がないことぐらいはすぐに気づきました。
しかし、これを試みると嫌われるとまでは、分かりませんでした。
だから、アブラッソを試みて拒否されると、ずいぶんと傷つき、いやな思いをしたものです。
「心の温かさを伝えたいだけなのに、なぜこの人は逃げるの?」
それは夫との間でも同じでした。
彼との交際が始まり、後に結婚してからも、私はアブラッソをしたかったのだと思います。
でも日本では、人前でベタベタすると嫌われますよね。
ですから外を歩く時など、夫の腕に手を回すだけにしていました。
(略) 東京都町田市にあった夫の実家でしばらく過ごすことになりました。
ある日、夫と腕を組んで歩いていたら、道の向こうから、知人(夫の友人の母親)が私たちのほうに歩いてくるのが見えました。
すると彼は私の腕をぱっ!と振りほどき、通りの向こう側に行ってしまったのです。
なにも通りの向こうのほうにまで行くこともないのにねぇ。
腕を組んで歩くくらいなら東京(新宿など)でも自然にやっていたことですし、オーストラリアでは当たり前でした。
でもそこは、町田。
人出の多い新宿などとは違って、住宅地。
腕など組んでいるカップルは、当時はまだ珍しかったようです。
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(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
47-48 ページ
『悪いけど日本人じゃないの』
著者: 日向ノエミア
2013年5月25日 第1刷発行
発行所: 柏書房株式会社
あらっ。。。 アブラッソというのは、ハグのことなのですわねぇ~。。。
そうなのです。。。 小百合さんもハグということが分かって懐かしいでしょう!
私が懐かしがらなければならにことでもあるのですか?
やだなあああァ~。。。 もう忘れてしまったのですかァ~。。。
私が何を忘れたとデンマンさんは言うのですかァ~?
かつて僕が小百合さんに出したメールを読んでみてください。
Subj:小百合さん、おはよう!
きのうは10月だというのに
油蝉が鳴いて
呆れましたよ!
きゃはははは。。。
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From: denman@infoseek.jp
To: sayuri@hotmail.com
Cc: barclay1720@aol.com
Date: Thu, Oct 13, 2011 10:53 am
Infoseekのメールシステムがリニューアルしたので、うまく送信ができなくなってしまったのですよ。
それでAOLのメールシステムを使って送信したのだけれど、これも、うまく送ってくれなかったようです。
このメールはINFOSEEKの旧システムで送ってます。
昨日は小百合さんと会えて十分に楽しみましたよ。
9月30日、館林では時間的なゆとりがなかったのでガストでも、なんとなくせわしい気持ちでダベッたので、なかなか落ち着けなかったようですよね。
昨日は盛りだくさんな1日だったけれど、小百合さんが気分的に落ち着いていたようで、僕ものんびりとできました。
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大長寺の大仏様の前でHよりも感じるハグをしてから東屋(あずまや)でダベッていたら油蝉が飛んできて鳴いたのには驚きましたよ。
ロマンチックというよりも呆れましたよ!
10月12日なのに、夏の気分になって蝉が飛んできたようです。(爆笑)
確かに昨日は10月にしては暑かった。
実家に4時に戻った時には汗ばむほどの陽気でした。23度。
でも、油蝉が鳴くほど暑くはなかった。
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「かねつき堂」のゼリーフライは久しぶりに食べてうまかったですよ。
水城公園で小百合さんがIrish Cream Coffee Beansで入れてくれたコーヒーを飲みながら食べたので一味うまかったのでしょうね。
それにしてもガチョウの“チョウ助”が居ませんでした。
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僕がバンクーバーで暮らしている1年の間に、可哀想にも一人で寂しく亡くなってしまったのでしょう?!
小百合さんが久しぶりにマクドでシナモンロールが食べたいと言ったので行田イオン(eaon)モールに行ったのだけれどマクドナルドが無くなっていたんだよね。
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行田市内は寂れる一方ですよ。
どうしてもお客さんが郊外のショッピングモールへ行ってしまうんだよね。たぶん。。。
そう言う訳で17号バイパスのケーヨーD2吹上店へ行きました。
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敷地の南東の隅にマクドナルドがあった。
でも、シナモンロールは、もうやってないとのこと。。。
NHKの「おはよう日本」では、最近、キッシュが日本で流行っているというようなことを言っていたけれど、
ガストにもマクドでもキッシュは置いてない。
キッシュ(仏語 Quiche)
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キッシュは、卵とクリームを使って作るフランス、アルザス・ロレーヌ地方の郷土料理。
パイ生地・タルト生地で作った器の中に、卵、生クリーム、ひき肉やアスパラガスなど野菜を加えて熟成したグリュイエールチーズなどをたっぷりのせオーブンで焼き上げる。
ロレーヌ風キッシュ(キッシュ・ロレーヌ)では、クリームとベーコンを加える。
ナッツ類を加える場合もある。
生地ごと三角形に切って皿に出す。
地中海沿岸の地域でも一般的な料理である。
語源はドイツ語のKuchen(クーヘン)である。
出典: フリー百科事典
ウィキペディア(Wikipedia)』
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仕方なく、マックナギットを頼んでコーヒーを飲みながら一緒につまみました。
“マクドでコーヒーのお代わりなんてできないわよ!”
と小百合さんはいつも言っていたけれど、D2のそばのマクドでもコーヒーのお代わりが無料でできました。
きゃはははは。。。
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明日も、また会えるといいね。
今度は「さきたま古墳公園」で“田舎っぺうどん”を食べましょう。
じゃあね。
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『タリアセン夫人と再会』より
(2011年10月13日)
どうですか?。。。 思い出しましたかァ?
ええ。。。 思い出しましたわァ。。。 つまり、大長寺の大仏様の前でHよりも感じるハグをしたことを私に思い出して欲しかったのですわねぇ~?
いけませんかァ~。。。
そのために、わざわざヒシしようよというタイトルにしたのですかァ?
そうです。。。 いけませんか? 上の本の著者の日向ノエミアさんの両親は日本人なのですよ。。。 でも、生まれがブラジルで24歳の時に日本へ留学するまでは ずっとブラジル育ちだったのです。。。 それで、ハグするのは 至極当たり前の習慣として 日本でも親しくなった人と会ったりすると ついついハグをしようとしたわけです。
すると、ハグする前に日本人から逃げられてしまって、いやな思いをしたというのですねぇ~。。。
そういうことですよ。。。
。。。で、デンマンさんもカナダ暮らしが人生の半分以上を占めるようになったので ハグするのが習慣になったと言いたいのですか?
そうですよ。
つまり、デンマンさんにも 日本へやって来た時に日向ノエミアさんと同じような経験があると言いたいのですわねぇ~。。。?
そうです。。。 そのことでも、かつて記事を書いたのですよ。。。 読んでみてください。
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デンマンさんは次のように書いてましたわね。
今度は古代蓮を見ながら
“Hよりも感じるハグ”をして
再会を喜び合いたいものです。
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確かに、このように書きました。
それでデンマンさんはハグにこだわるのですか?
いけませんか?
だってぇ、デンマンさんのハグは、まるでプロレスの胴締めのように肋骨をギュッと締め付けるのですわ。
まさか。。。?
私はいつも死ぬかと思うほど呼吸困難に陥ってしまうのですわ。
それは、ちょっとオーバーではありませんか?
とにかく、いつ会ってもハグをっするのは、いったいどういうつもりなのですか?
やだなあああァ~、小百合さんが「ハグは素敵ですね」と言ったからですよ!
私がですか?
そうですよ!。。。もう忘れてしまったのですか?
そのような事を言ったかしら?
言いましたよ。。。次の写真を見ながら小百合さんはしみじみと言ったのですよゥ。。。
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つまり、白熊の真似をしてデンマンさんは私に会うとベアハグをするのですか?
いや。。。ちがいますよ!。。。白熊が人間のハグを真似したのですよ!
とにかく、デンマンさんのハグは肋骨が折れると思うほど締め付けが激しいのですわ。
まさか。。。?
だってぇ~、今年も肋骨の1本がボキッと音をたてましたわ。。。肋骨が折れたと私は思いましたわ。
あのねぇ~、僕はプロレスラーじゃありませんよ。 小百合さんの肋骨が折れるほど強烈なベアハグをしませんよゥ。。。 んもおおおォ~!
でも とにかく、肋骨がボキッと音を出すようなハグだけは止めていただけませんか!?
だから、それ程に僕は小百合さんとの再会を喜んだわけですよ。
でも、肋骨が折れるのが心配ですわ。
分かりました。 今度は白鳥を優しく抱きしめるようなハグをしますよ。 うししししし。。。
『タリアセン夫人と再会』より
(2011年10月13日)
あのねぇ~。。。 小百合さんは反応が大げさなのですよ。。。 いくらなんでも小百合さんの肋骨が折れるほど僕は強烈なベアハグなどしませんでしたよゥ。
だってぇ~、肋骨の1本がマジでボキッと音をたてましたわァ~。。。
だから、それが大げさだと言うのですよ。。。 僕には全く聞こえませんでした。。。 第一、僕はプロレスラーじゃないのですよ。。。 それほど強烈に小百合さんを抱きしめるわけがないじゃありませんかァ!
とにかく、私はベアハグされた本人だから、間違いなく脊椎を伝わってきた音が内耳に届きましたわァ。
つまり、それが理由で小百合さんは僕のハグから逃げるようになったのですかァ~?
いいえ、違いますわァ~。
じゃあ、どういうわけで、僕がハグしようとすると逃げるのですか?
デンマンさんは知らないのですか?
何を僕が知らないと小百合さんは言うのですか?
ちょっと次のページを見てくださいなァ。
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■『実際のページ』
あれっ。。。 ハグを盗撮して サイトに貼り出したのですねぇ~。。。
そうですわァ。
つまり、小百合さんと僕がハグをしているのを盗撮されて ツイッターで公開されるかもしれないという不安から、僕がハグしようとすると小百合さんは逃げるのですか?
だってぇ~、デンマンさんのハグは5分から10分ぐらい続くのですものォ~。。。
いくらなんでも それはオーバーですよ。。。 そんなにハグしていたら、僕の腕はしびれてしまいます。
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(すぐ下のページへ続く)