裸婦と今一つの世界(PART 1 OF 3)
ぼくがバルテュスに興味を持つようになったのはそんな昔ではない。 1980年代に入ってぼくが絵画を始めるようになって10年ほど経った頃からだから、今から10年ほど前ということになる。 ぼく自身の作品が物語色の強い傾向を帯び出してからである。
ぼくはこの頃小説や物語の挿絵に、10代の頃興味を持って以来の興味をもう一度持ち始めた。 そんなぼくの眼でバルテュスを見直すと、どの絵も小説や物語の挿絵のように見え始めたのである。 その時からである。 バルテュスにどんどん近づいていったのは。
それがまるでエロティックな探偵小説の挿絵のように見えたのだった。 探偵小説といってもぼくは江戸川乱歩以外知らないので、きっとバルテュスの中に探偵小説の世界を垣間見たのかもしれない。 こんな勝手な見方ができるのも絵画の持つ想像性がそうさせるのだろう。
江戸川乱歩 『闇に蠢く』
横尾忠則の挿絵
10代の頃に読んだたったの3篇の江戸川乱歩の小説がその後何十年も経った現在でもちっとも色褪せずに大きな影響力を持っているのにはわれながら驚かされる。 バルテュスの絵はどの絵を見てもエロティックだけれども、江戸川乱歩の探偵小説もこれに近いエロティックな感覚が流れているように思う。
バルテュスと江戸川乱歩を結びつけるものは恐らくぼくだけだろうけれども、ぼくの中では見事に結びつくのである。 そしてぼくはいつも思うのだが、、江戸川乱歩のような世界がぼくの描く絵にいつも現れてくることを密かに願望しているのである。 ということは、バルテュスの絵が持つあのちょっと危険な感じのするエロティックな世界が描けたらそれで十分なのである。
(注:イラストはデンマン・ライブラリーから貼り付けました。
赤字はデンマンが強調)
148 - 151ページ
『名画 裸婦感応術』
2001年6月15日 初版第1刷発行
著者: 横尾忠則
発行所: 株式会社 光文社
デンマンさん。。。あんさんはどうして横尾忠則さんの本を取り上げはったん?
めれちゃん。。。上の文章を読んで分からへんのか? 横尾さんは、たったの3篇の江戸川乱歩の小説を読んだだけだけれど、その後何十年も経った現在でもちっとも色褪せずに大きな影響力を持っている、と言うておるのやでぇ〜。。。
そやから、あんさんはどうやと言わはるのォ〜?
めれちゃんにとっても江戸川乱歩の小説と横尾忠則のイラストは大きな影響力を持っておるねん。
どうして、あんさんはそないな事を言わはるのォ〜?
めれちゃん。。。惚(とぼ)けたらアカンでぇ〜。。。めれちゃんのこれまでの日記やブログを読んだら、見え見えやんかァ!
そうですやろか?
まだ、惚けるのやなァ〜。。。!? そやったら、わてが証拠を見せるさかいに、めれちゃんもじっくりと読み返したらええやん。
読書して怒られる
2006/05/11 14:16
子供のころから、
家にはたくさんの本がありました。
わたしは江戸川乱歩の少年探偵団を、
よく読んでいたのですが、
そのうち、飽き足らなくなったのか、
親が持っていた「江戸川乱歩全集」を、
愛読するようになりました。
しかし。
その全集には、
横尾忠則氏の挿絵がついていて、
えっちなんです。
なので、親には読んじゃダメと
言われていました。
(だったら、かくしといてくれ)
わたしはこっそりかくれて、
そのえっちな江戸川乱歩の本を、
読んでいたのでした。
しょっちゅう見つかって、怒られました。
さらに。
印象的なのが
「チャタレイ夫人の恋人」です。
もちろん禁止本です。
禁止されたら、読むに決まってます。
・・・ませガキ。
・・・エロガキ。
by めれんげ
「めれんげの日記」
『だれかつっこみいれて!』より
『エロい文学少女』に掲載
(2007年4月11日)
どうや、めれちゃん。。。思い出したやろう? こないな事を2006年の5月の日記に書いていたのやないかいな!
デンマンさん。。。あんさんは、わたしの書いた物ならば何でも保存しておきはるのォ〜?
そうやァ! めれちゃんが惚けて知らん振りする時の用意に、わてはこうして保存しておくのやでぇ〜。。。うししししし。。。
そやけど、たった一度のことやんかァ〜!
たった一度ではあらへん。
あんさんは出任(でまか)せを言わはるのォ〜?
出任せではあらへん。 めれちゃんは次のような手記まで書いていたのやでぇ〜。。。
「エログロナンセンス」の時代
特有の、妖しげな表現に
魅せられました。
2007-04-13 13:53
デンマンさん
わたしの言う「エロい」は、
やはり少々お下品だったかな?
この表現って、
わたしにとっては「ギャグ」に近いんですよ
わたしは関西人のなかでも特に?
ウケをねらう傾向が強すぎるものでして、
必要以上に自分をコミカルにデフォルメするという、わるーい癖があるんですよね
で、回答へとまいりますね。。。
江戸川乱歩全集に関してですが、
とにかく横尾氏のイラストが、
エロチックだったのです。
幼いころから、女性の肉体の美しさに
強烈に魅了されていたわたしは、
偉大な画家たちの描く裸婦や、
女性のヌード写真を見て
「わたしも早くこんな風にキレイになりたいなあ!」
と、成熟へのあこがれを強く感じていました。
乱歩の作品自体については、
「エログロナンセンス」の時代特有の、
妖しげな表現に魅せられました。
「人間椅子」での、愛する女性のソファに、
自ら入り込み、悦楽にひたる男の異常な愛などは、
「家畜人ヤプー」に通じるものがあり、
それはむしろ、純粋なものすら感じました。
そういえば…
乱歩の時代のことが知りたくて、
おばあちゃんに
(今は亡き愛するおばあちゃんです!)
「見世物小屋行ったことある?」
「衛生博覧会って、どんなんやった?」
などと、聞きまくっていたものです
「チャタレイ夫人の恋人」ですが…
ぶっちゃけエロい箇所の拾い読み、
というのが事実です!
だってねえ…あの小説の大半は、
ロレンスの思想の
展開だと思いませんか?
小学生のわたしに、
そんなものを理解できるような
知性も理解力もなかったっす…
で、大人になってから読み返したのですが、
森の番人の野卑でありながらも、
深い洞察力に満ちた性格に、
恋愛感情にも似た気持ちを感じました。
おまけに、セックスは上手ですしね(キャー!)
女性が自らの性欲を恥じる必要など
ないということを、
わたしは少女時代に、
あの小説によって知ったのかもしれませんね。
フロイトも、ヒステリーの原因は、
性的欲求不満であると、言ってましたよね?
セックスとは、
愛を基盤とした自由なものであるべきだと、
わたしはずーっと信じてます!
by レンゲ
『ゴスロリと黒パンツ』より
江戸川乱歩の世界
(2009年5月6日)
(すぐ下のページへ続く)