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狭山事件(PART 2 OF 3)

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狭山事件(PART 2 OF 3)



なんだか複雑で奇怪な事件のようですわね?



そうなのですよう。 狭山事件が起こる2ヶ月前に「吉展ちゃん誘拐事件」が起こったのですよ。 この事件は日本中を騒がせたのですよう。 とにかく、ビートルズが1966年に日本へやって来た時ぐらいに騒いだ。











なぜ、それほど騒いだのですか?



なぜってぇ、。。。「吉展ちゃん誘拐事件」は日本で初めて報道協定が結ばれた事件なのですよ。 この事件から、被害者やその家族に対しての被害拡大防止やプライバシー保護なんて事が言われるようになった。 それからですよ、誘拐事件の際に報道協定が結ぶれるのが慣例になったのは。。。 「吉展ちゃん誘拐事件」の公開捜査では、テレビを本格的に取り入れた。 テレビやラジオで犯人からの電話の音声を公開し情報提供を求めるなど、メディアを用いて国民的関心を集めた初めての事件だったのですよ。

それまでは、そのような誘拐事件はなかったのですか?

小学校3年生の時に僕の家にはテレビが入ったのだけれど、それまでに誘拐事件の公開捜査なんてなかったですよ。 とにかく連日のようにテレビで騒いでいました。

公開捜査ぐらいで、それほど騒いだのですか?

あのねぇ〜、「吉展ちゃん誘拐事件」では犯人が50万円の身代金を取るのに成功したのです。 つまり、警察は犯人を逃がしてしまった。 しかも事件解明までに2年3か月もかかった。 迷宮入り寸前になろうとしていた。 警察は面目にかけても犯人を逮捕しようと躍起になっていた。 それで、犯人の声をメディアに公開したものだから、日本全国のミーちゃん、ハーちゃんがテレビの前に釘付けになったのですよ。 んもお〜〜。。。 当時は「戦後最大の誘拐事件」と言われたほどです。

でも、狭山事件から50年近くも経っているのに、デンマンさんはどうして事件を記事に取り上げたのですか?

うん。。。小百合さんもそう言うだろうと思いましたよ。 実は、僕は次の本をバンクーバー図書館で見て手に取ったのですよ。





この本を見た時に、僕だって何で今更。。。? と思いましたよ。 でも、狭山事件は僕にとって懐かしいのですよ。



新聞にデンマンさんの写真が載ったからですか?

そうです。 埼玉県の県北版だったけれど、僕の写真が載ったのですよ。 だから、「狭山事件」をタイトルに見た時に、埼玉県を自転車で一周した時のことが懐かしく思い出されてきた。

それで、ついでだからと思って上の本を借りて読んだのですか?

そうですよ。 でも、ただそれだけじゃない。 実は、上の本を読んで、なんだか雷に打たれたような衝撃を僕は受けたのですよ。

雷に打たれたような衝撃ってぇ。。。、一体どのような衝撃ですか?

あのねぇ〜、本の著者は真犯人をほぼ確定しているのですよ。

つまり、真犯人を特定したのですか?

その通りですよ。 しかも、本を最後まで読むと、初めて読む人でも真犯人が判るようになっている。

。。。で、どうして警察は、その真犯人を捕まえないのですか?

証拠がないのですよ。 石川容疑者は無期懲役が確定し、1977年8月8日に千葉刑務所に入所した。 それから17年後、1994年12月21日に仮釈放になって石川さんは刑務所から出てきたのですよう。 事件発生の時24歳だった石川さんは現在(2011年)72歳ですよ。 無罪を訴えているけれど、未だに再審されずに無実を勝ち取ってない。

でも、真犯人が判っても事件発生からすでに50年近く経っていますわ。 時効が成立するから真犯人は無罪になるのでしょう?

あれっ。。。小百合さんは結構、刑事訴訟法に詳しいですねぇ〜。 でもねぇ、2010年(平成22年)4月27日に刑事訴訟法が改正されたのですよ。。。で、「人を死亡させた罪であつて死刑に当たる罪」については公訴時効が廃止されたのです。

つまり、真犯人が判明しても時効が成立しないのですか?

でもねぇ、人を死亡させた罪であっても無期の懲役、または禁錮に当たる罪の場合には時効期間は30年。

石川さんの罪は「無期懲役」だったでしょう。。。すでに30年以上経っていますわ。 だから、真犯人には時効が成立します。。。真犯人は自首しても裁きを受けませんわね。

いや。。。そうとばかりとは言えないのです。

どうして。。。?

「人を死亡させた罪であつて死刑に当たる罪」であれば時効は成立しない。

つまり、真犯人の罪は「人を死亡させた罪であつて死刑に当たる罪」なのですか?

僕には、そうとしか思えない。

どう言う訳で。。。?

あのねぇ〜、「狭山事件」には不思議なことが多すぎる。 だけど、上の本の通りに真犯人がマジで犯人だとすると、すべての謎を実にうまく説明することができるのですよ。

要するに、真犯人には、さらに余罪があるとデンマンさんは思っているのですか?

その通りですよ。


冤罪説と真犯人存在説

本件については、以上のような差別問題のほか、物証(いわゆる三大物証)や取り調べ方法などに数多くの不審点が見られることや、関係者が相次いで自殺(被害者宅の元使用人、被害者の姉と兄、養豚場経営者の兄、当初は犯人と疑われた通報者の計5人)。




狭山事件の関連で5人が自殺しているのですよ。 こんなことは他の事件では見当たらない。



つまり、上の5人の自殺者の中には自殺と見せかけて真犯人が殺していた被害者も居るとデンマンさんは断定するのですか?

そうですよ。 実は、上の本の著者も疑っていた。 でも、その点を追求するとテーマがぼやけてしまうし1冊では終わらなくなりそうなので余罪については、それ以上追求していない。 狭山事件の被害者一人に限定して真犯人を見つけ出す推理に絞ったのですよ。

でも、デンマンさんは真犯人はマジで上の5人のうちの少なくとも一人を殺していると確信したのですか?

そうです。

その被害者は一体誰なのですか?

誘拐されて殺された被害者の姉ですよ。 

それは、またどう言う訳で。。。?

僕がここで長々と書くと上の本を読む人の興味が半減するから、僕は、もうこれ以上書きません。 推理小説を読んだことの無い人でも、上の本を読めば、僕が言おうとしていることが判るはずです。

要するに、真犯人は少なくとも二人を殺しているので当然死刑になると。。。。?

そうですよ。。。そうであるならば時効は成立しませんからね。 真犯人は当然のことながら死刑になりますよ。

でも、改正された刑事訴訟法は事後法ですわ。 たとえ真犯人が判明したとしても事後法は真犯人に適用されないと思いますけれど。。。つまり、真犯人は事件当時の刑事訴訟法の「時効」が成立して逮捕されないのですわ。

あれっ。。。小百合さんは法律についてかなり詳しいですねぇ。 でもねぇ、たとえ死刑にならなくても、現在、真犯人は充分に苦しみ悩んでいますよ。 おそらく刑務所に服役するよりも、死刑になるよりも苦しみ悩みぬいているはずです。

どうして、そのようなことまでデンマンさんには判るのですか?

あのねぇ〜、僕は死刑廃止論者なんですよ。 国家が行う刑罰の死刑であれ、人を殺すということは人間としても、国家としてもやってはいけないことだと僕は信じているのですよ。

つまり、一人殺そうと、二人殺そうと、どんな凶悪な犯人であれ、犯罪人は死んで罪を償うよりも生きて罪を償うべきだとデンマンさんは信じているのですか?

そうですよ。 刑が確定して刑務所に入れば、まだ更正する機会があるかもしれないけれど、狭山事件の真犯人は常に自分の犯罪がバレることを心配しながら苦悩しているはずですよ。

どうして、そのようなことが判るのですか?

この真犯人というのは、したたかで頭が良いけれど気の小さな臆病な人間なのです。 しかも自分が犯した罪を反省するだけの良心を持っている。

どうして、そのような事までデンマンさんに判るのですか?

なぜなら、真犯人は次のような詩を書いている。




位牌の前で犯人逮捕の報をきき

「本当にこの人なのか?」

と聞いても遺影は何もいわず、表情すら

変えられないのです

一刻も早く今日のこの日を待っていたのですが

長びいてしまいました。 これも農村という古

くからの何ものかが ひそんでいたのではないのか?

と責めざるをえないのです

このような憎むべき犯罪が他の誰

にも起こらない様、 世の皆様にお願い致します

苦しかったことだろう

安らかにねむりたまえ…




一体誰が書いたのですか?



だから、真犯人が書いたのですよ。

...それで、その根拠は。。。?

あのねぇ〜、この詩は若くして殺されてしまった犠牲者の霊を慰め、このような残忍な犯罪がこの世から無くなるように願いながら書いたのですよ。

確かに、そうですわね。

でも、小百合さんは読んでみて不自然だとは思いませんか?

どこが不自然なのですか?

あのねぇ〜、本心から犠牲者の死を悼(いた)み霊を慰めようとしている者が犯人逮捕の報を聞いたなら、「本当にこの人なのか?」なんてぇ疑う気持ちにはなれないものですよ。

どうしてですか?

どうしてってぇ〜、この詩を書いた人は「一刻も早く今日のこの日を待っていたのです」よ! 犯人が捕まったからこそ犠牲者の死を悼(いた)み霊を慰めようとする気持ちが心の中に漲(みなぎ)って、哀悼(あいとう)の詩を書く気持ちになったのですよ。

そうでしょうか?

だってぇ、そうでしょう! だから、詩の冒頭に「位牌の前で犯人逮捕の報をきき」と書いている。 もし、心のどこかに逮捕された犯人が無実の人だと疑っていたなら、哀悼(あいとう)の詩など書く気持ちになれないですよ。

でも、それはデンマンさんの個人的な考えでしょう?

確かに僕の考えだけれど、小百合さんも、もう一度読んでみてください。 僕のように考えながら読めば上の詩が不自然だと思えますよ。

でも、それならば、どうして上の詩を真犯人が書いたのですか?

だからトリックですよ。 このような詩を書く者が犯人であるがはずない、という印象を周囲の人に与えたのですよ。 この詩は、ちょっとだけ変えてあるけれど、真犯人がマジで書いたモノです。 

。。。で、上の詩を真犯人が書いたとマジでデンマンさんは信じているのですか?

そうです。。。この真犯人は、したたかで頭の良い人なのですよう。 でも充分な良心を持っている。 この真犯人はトリックをいたる所で使っていた。 上の詩もその一つですよ。 だから、狭山事件は不自然な事や謎めいた事がたくさんある。 もともと少女を誘拐して身代金を取るのが目的ではなかった。 それで、検察も警察もすっかり騙されてしまった。 担当した検察と警察がいかに無能だったかということが上の本を読むと手に取るように分かる。

検察と警察は、それほどだらしが無かったのですか? 

そうです。 1963年3月に発生した「吉展ちゃん誘拐事件」で警察は犯人を取り逃がしてしまった。 2年後の1965年に犯人がつかまった。 それまでに警察はずいぶんと批判を受けたのですよ。 だから、狭山事件で誘拐犯人を取り逃がした時にも警察は強い批判を受けた。 そう言う訳で、少女の死体が発見された5月4日には柏村信雄警察庁長官が辞表を提出し、5月10日に引責辞任した。 時の国家公安委員長・篠田弘作さんは「こんな悪質な犯人は、なんとしても必ず生きたまま捕らえる」と発表した。 さらに上田明埼玉県警本部長も「犯人は必ず土地の者だという確信をもった。近いうちにも事件を解決できるかもしれない」と発言。 同様に、中勲捜査本部長も「犯人は土地勘があることは今までの捜査でハッキリしている。近日中にも事件を解決したい」と発言したのですよ。 つまり、担当の検察や警察署員には強いプレッシャーがかけられたのですよ。

その証拠でもあるのですか?

状況証拠がある。 この警察の上層部からの強いプレッシャーによって現場の警察官の厳しい取調べがあった。 厳しさを通り過ぎて過酷な尋問が繰り返された。 それに耐え切れずに二人が自殺してしまった。 一人は警察が重要参考人として調べていたトラック運転助手の中富哲二さん(30歳)。 中富さんは5月7日に結婚式をする予定だった。 5月3日から警察の厳しい取調べが始まり、ノイローゼになって3日後の結婚式の前日に「死んでやる」と言って農薬を飲んで井戸に飛び込んでしまった。 もう一人は31歳の竜田武さん。 5月1日の夕方に、被害者の少女が襲われたとみられる雑木林で「怪しい三人組を見た」と警察に知らせたら、逆に警察に疑われてしまった。 2日間厳しい取調べを受け、その後寝込んでしまった。 「警察に疑われている。 警察はこわいところだ」と家族に言い残し、自宅の八畳間で、料理用のナイフを使って自分で心臓を一突きして死んでしまった。

マジで。。。?

すべてが記録に残っていますよ。 このような厳しい尋問を浴びて石川さんは、殺してないのにウソの自供をしなければならなかった。 石川さんが自殺していないのは、無実を証明したいからですよ。

それなのに真犯人は今でも、のんびりと暮らしているのですか?

いや。。。僕はそう思いませんね。。。 刑務所に入れられている以上の苦しみと悪夢に悩まされ続けていると思います。 殺した少女の顔が、多分、毎夜のように夢に現れて、この真犯人を苦しめていると思いますよ。。。

 (すぐ下のページへ続く)


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