女に溺れる清盛(PART 1)
(kiyomo01.jpg)
デンマンさん。。。 どうして急に「女に溺れる清盛」というようなタイトルを貼り出したのでござ〜♪〜ますか?
いけませんか?
だってぇ、見え透いておりますわ。
何が見え透いているのですか?
ショッキングなタイトルを掲(かか)げて、ネット市民の皆様の目を引き付けようとしていますわ。。。 そうやって記事を読んでもらおうという汚(きたな)らしい動機が見え透いているのですわ。 デンマンさんのお相手を勤めるあたくしとしては、心がとっても痛むのでござ〜ますう。
マジっすかァ〜。。。?
マジも、フマジもござ〜ませんわ。 平清盛様が迷惑すると思うのですわ。
まさかァ〜。。。
まさかも、やさかも、とさかも、ござ〜ませんわ。 下心が無いのでしたら、どうして急に「女に溺れる清盛」というようなタイトルを貼り出したのでござ〜♪〜ますか?
あのねぇ〜、夕べ、久しぶりに『平家物語』を上下巻とも読み終えたのですよ。
(lib21228.gif)
またバンクーバーの市立図書館から借りて読んだのでござ〜ますか?
いけませんか?
ケチらないで買って読んで下さいましな。
図書館で読めるのだから、わざわざ買うこともありませんよ。 僕は本を買わない主義なのですよ。
どうして。。。?
買い始めるときりが無い。 図書館を作るようなものですからね。 (微笑)
。。。で、英語で書かれた『平家物語』を読んだのでござ〜ますか?
もちろん日本語ですよ。 日本語の現代語訳で書かれた『平家物語』ですよ。 かつて高校の古文の時間に先生が『平家物語』を教材にしたことがあるのです。 でもねぇ、その時、難しいという印象があったから、僕は投げ出してしまったのですよ。 だから、ずいぶん長いこと読んでなかったのですよ。
それで、現代語訳ならば読めそうだと思って読み始めたのでござ〜ますか?
そうですよ。 驚いたのは、あの有名な「祗園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声。。。」で始まってから 30ページ目に「祗王(ぎおう)」が出てくるのですよ。
30ページ目に「祗王(ぎおう)」が出て来たので驚いてしまったのですか?
だってぇ、そうでしょう! 30ページ目に「祗王(ぎおう)」の話が出てくるのを知っていれば、僕はもっと熱意に燃えて『平家物語』を読み進めたのですよ。 ところが、難しい古文で興味をかき立てない、面白くも無い平安時代の公家の名前がダラダラ、ダラダラと。。。これでもか、これでもか、というようにウンザリするほど出て来た。 「こんなのまったくおもしろくねぇ〜。。。!」 そう思って僕はマジで投げ出したのですよ。 ちょっと我慢すれば、30ページ目に「祗王(ぎおう)」の話が出てくる。 それを知っていれば僕は投げ出しませんでしたよ。
つまり、女に溺れるのは清盛さんではなくてデンマンさんだってぇ、充分に女に溺れるような性格なのでござ〜ますわねぇ。
あのねぇ〜、男はもともと生物学的に女に溺れるようにできているのですよ。 だから、地球上を見てください。 地球の歴史が始まって約50億年。。。 地球のどこにでも人間がいる。 北極にも南極にも人間がいる。 地球始まって以来、動物で人間ほど子供を増やした種は、他には居ないのですよ。 男が女に溺れない性格だったら人間はこれほど地球上で繁栄しなかったのですよ。
生物学と文学を一緒にしないでくださいな。。。んで、『平家物語』を読んでみて改めて清盛さんが女に溺れるタチだと理解したのでござ〜ますか?
違うのですよ。 僕は清盛さんに少し同情するようになったのですよ。
清盛さんに少しばかり同情するようになったとは、どういうことでござ〜ますか?
僕はかつて卑弥子さんと清盛さんについて語ったことがあったのですよ。
そうでしたかしら?
ほらねぇ〜。。。 卑弥子さんも忘れているくらいだから僕もすぐにはその記事のタイトルを思い出すことができなかった。 でも、間違いなく清盛さんを貶(けな)すような記事を書いたことがあるのですよ。
いったいどのような記事ですか?
どうしても思い出せないので、GOOGLEで検索してみたのですよ。 その結果を見てください。
(gog21229.gif)
「祇王 デンマン 卑弥子」を入れて検索した結果ですよ。 卑弥子さんと「祇王」について語り合った記事が99件ヒットしたのですよ。
あらっ。。。デンマンさんと共に「祇王」について99回も語り合いましたかしら?
もちろん、すべてが記事というわけではないのですよ。 赤枠で囲んだページに注目してください。 これはGOOのブログの中で「仏御前」について書いてある記事のリストなのですよ。 そのページに飛んで行ってソフトカメラで撮ってきたので、ここに貼り出しますから卑弥子さんも見てください。
(gog21229c.gif)
あらっ。。。デンマンさんの記事がリストに載っているではござ〜ませんか!
その通りですよ。 『女に溺れて女で滅ぶ』平清盛さんという記事を書いていたのですよ。
(gog21229e.gif)
■『女に溺れて女で滅ぶ』
あらっ。。。今年(2012年)の6月24日にGOOのブログに投稿された記事ですわね。 『女に溺れて女で滅ぶ』平清盛さんについてデンマンさんと語り合った事など、あたくしもすっかり忘れていましたわ。
卑弥子さんは次のエピソードを聞いて喜んでいたのですよ。 思い出してください。
牛若の目がさめます
義経の幼名は牛若丸であり、母は常盤(ときわ)という。
常盤は平清盛に敗れた源義朝の妾である。
義朝との間に、三人の男児を生んだ。
七歳の今若、5歳の乙若(おとわか)、そして一歳の牛若を連れ、逃げ隠れていたが、老母が清盛に捕えられ、むごい目にあっているのを聞いて、子どもと共に自首して出た。
義朝憎しで、一族全滅を遂行していた清盛は、常盤をひと目見たとたん、カッ、と頭から熱を発した。
何しろ、「常盤と申すは日本一の美人なり」(『義経記(ぎけいき)』)
年恰好からいって、色気もふんぷんだったろう。
のぼせ上がってしまったのである。
(bond911.jpg)
清盛は、子の助命を願う常盤に、条件を出した。
自分に従うなら、助けてやってもよい。
舌なめずりしながら迫ったことであろう。
常盤は三児の将来に希望を託し、応諾した。
そこで、川柳子の登場である。
「牛若の 目がさめますと 常盤言ひ」
「義朝と おれとはどうだ などとぬれ」
この川柳をもっと露骨な文章に仕立てたのが、春本である。
(読み易いように改行を加えました。
イラストはデンマン・ライブラリーより)
28-29 ページ 『春本を愉しむ』
著者: 出久根 達郎
2009年9月20日 第1刷発行
発行所: 株式会社新潮社
『色欲は歴史を変える』に掲載
(2012年6月23日)
デンマンさん、んもおォ〜。。。 いい加減なことをぬかさないでくださいましなァ! あたくしは決してエロい話を聞いて喜んだりしませんでしたわ。
あれっ。。。 そうだったかなァ〜。。。 かなり面白そうにしていましたよ。
そんな事よりも仏御前はどうなったのですか?
だから、そのことですよ。 その事が言いたくてこの記事を書こうと思ったのですからね。 卑弥子さんは次のように語ったのですよ。
白拍子というのは、平安時代後期に活躍した、
一口で分かりやすく申し上げるならば、
芸者のような者でござ~♪~ますわ。
このように白の水干(すいかん)に
立烏帽子(たてえぼし)、白鞘巻(しろさやまき)という男装で
「今様」と呼ばれる歌を謡(うた)いながら、
男舞と呼ばれる舞を舞うのでござ~♪~ます。
白拍子であった祗王(ぎおう)は、
時の権力者・平清盛の寵愛を受け、
彼の館で幸せに暮らしておりました。
あるとき、清盛に歌舞を披露したいという
別の白拍子が現れたのです。
その者が仏御前だったのですわ。
ただの白拍子に過ぎない仏御前を清盛は追い返そうとしました。
でも、遠路はるばるやってきた彼女を見かねて、
心の優しい祗王がとりなしたのでござ~♪~ますわ。
それで、仏御前は清盛に舞を見せることになりました。
しかし、これを見た清盛は心を奪われ、
仏御前を寵愛するようになってしまったのでござ~♪~ます。
皮肉なものでござ~♪~ますわねぇ~。
男と言うのは本当に浮気なものでござ~♪~ますわ。
祗王の座を奪う気持ちのない仏御前は辞退しようとしました。
しかし、それに気づいた清盛は、
邪魔な祗王を追放してしまったのですわ。
本当に悲しい事でござ~♪~ますゥ。
萌え出づるも
枯るるも同じ
野辺の花
いづれか秋に
あわではづべき
館を出る祗王がせめてもの忘れ形見にと
詠んだ句でござ~♪~ます。
さらに翌春、清盛は退屈している仏御前を慰めるためといって、
祗王に仏御前の前で舞を披露することを強要したのです。
祗王は、あまりの屈辱に死を決意するのでござ~♪~ました。
しかし、五逆罪になることを母親が説き、
やむなく祗王は清盛の館へ向かうのです。
仏もむかしは凡夫なり
われらも遂には仏なり
いずれも仏性具せる身を
隔つるのみこそ悲しけれ
このように謡(うた)いながら舞い踊り、
諸臣の涙を誘ったのでござ~♪~ます。
祗王は都に居れば、
また同じような思いをしなければならないと、
母、妹と共に尼となり、嵯峨の山里で仏門に入るのでした。
当時、祗王21歳、妹の祇女は19歳、
母の刀自(とじ)は45歳でござ~♪~ました。
ところが、ある秋の夕べ、仏御前は祗王の元を訪れたのです。
なぜ。。。? どうした事でござ~♪~ましょうか?
(hotoke06.jpg)
実は、祗王の運命を自分に重ねて世の無常を思い、
仏御前は、清盛の館を抜け出して
尼となっていたのでござ~♪~ます。
それからのち、祗王一家と仏御前は、余念無く仏道に励み、
みな往生の本懐を遂げたのでござ~♪~ます。
小百合さん、いかがでござ~♪~ますか?
女の身として涙なくしては読めないですよね。
おほほほほ。。。
それにしても、祗王寺のお庭は
苔がとっても美しいですことォ~。。。
見とれてしまいますわぁ~。
あああぁ~。。。デンマンさんとご一緒に見たいわぁ。。。
うしししし。。。
『愛憎と苔寺』より
(2008年10月7日)
どうですか、卑弥子さん。。。 思い出したでしょう?
もちろんですわ。。。 鮮明に思い出しましたわ。 祗王と、その妹の祇女、そして二人の母親の刀自(とじ)。。。 それに仏御前。。。 女の悲しみが、あたくしの胸にもヒシヒシと感じられたものでござ〜ますわァ。
マジで。。。?
デンマンさんは、あたくしの言うことをお疑いになるのでござ〜ますか?
その。。。 急に。。。急に涙を受けべたりしてわざとらしいですよう。 うしししし。。。
そのような事を言わなければ、これをご覧になっているネット市民の皆様には、わからないのでござ〜ますわ。 どうしてあたくしに恥をかかせるのですか? んもおォ〜。。。! そんな事よりもデンマンさんが清盛さんに同情したというのは、どのような訳でござ〜ますか?
あのねぇ〜、『平家物語』をじっくりと読んで考えてみたら、どうやら仏御前の話は清盛さんを貶(おとし)めるための創作だという気がしてきたのですよ。
清盛さんを貶(おとし)めるための創作。。。?
そうですよ。
でも。。。 でも。。。 どうして清盛さんを貶(おとし)める必要があるのでござ〜ますか?
あのねぇ〜。。。、平清盛は日本史上「悪者」として評価され続けてきたのですよ。 たとえば、あの有名な道鏡もそうですよ。 だから道鏡などは未だにエロい冗談が巷の間で次のように囁(ささや)かれている。
(すぐ下のページへ続く)