猫と柚子とロマン(PART 2 OF 3)
あらっ。。。 これは3年前のバレンタインの小包の中に入れた手紙ではありませんかァ!
そうですよう。。。 まだ3年しか経ってないのですよ。
3年はネットでは一昔ですわァ。。。 でも、この手紙で書いているのは柚子茶ではありませんわァ。 “柚子こしょう”ですわァ。
確かに、そうです。。。 でもねぇ〜、「柚子茶」の“柚子”から「柚子こしょう」はすぐ連想できるでしょう!?
“柚子こしょう”は飲み物ではありませんものォ〜、連想できませんわァ。
だから、飲み物で連想するのじゃなくて、言葉で連想するのですよう。。。 あのねぇ〜、僕は思うのだけれど、小百合さんは めったに感動しないのですよねぇ〜。
どうして、そう思うのですか?
だってぇ〜、僕は「柚子茶」の“柚子”から「柚子こしょう」をちゃんと連想できるのですよ。 それで、小百合さんが書いた手紙を思い出したのだから。。。
ただ、それだけのことでしょう?
やだなあああァ〜、ただそれだけじゃありませんよう。 そもそも 小百合さんが「柚子こしょう」をバレンタインの小包の中に入れてくれたのはなぜですか?
確か。。。 産業道路(埼玉県道ルート66)沿いにあった「長崎ちゃんぽん」でデンマンさんと一緒にちゃんぽんを食べた時に デンマンさんが「柚子こしょうドレッシング」の味にしびれたのでしたよねぇ〜。。。
そうですよ。 僕は、あの味が忘れられなくなったのですよう。
どうして。。。?
だから、小百合さんと一緒に食べたロマンの味だからですよ。 うへへへへへへ。。。
また、そのように薄気味悪い笑いを浮かべないでくださいなァ。。。 つまり、私がその事をすっかり忘れているので、私は冷淡で感動に乏しい女だとデンマンさんは言うのですかァ〜?
少なくとも、僕の方が その時の事をロマンとして印象強く記憶に留(とど)めていたということですよ。 要するに、小百合さんは、めったに感動しないのですよ。。。
あらっ、そうかしら。。。?
そうですよう。。。「これってぇ、メチャおいしいわ!」と小百合さんが言うのを聞いたことがありませんよ。
でも、デンマンさんのようにお店で大きな声を出すのってぇ、みっともないでしょう!?
でかい声で言わなくとも、さりげなく言うことだってできるでしょう。。。軽井沢タリアセン夫人であることにこだわって小百合さんは感情を抑えているわけですか?
いいえ。。。そういう訳ではありませんわ。
もしかすると女子高時代の癖が抜けないのかも知れませんよねぇ〜。
女子高時代の癖ですか?
そうですよう。。。忘れてしまったのですか? 次のように書いていたでしょう!
[793]RE:夢とロマンの女神、万歳!
Name: さゆり
Date: 2008/12/10 15:46
Pacific Standard Time
(バンクーバー時間:
2008年12月9日 午後10時46分)
(sayuri2.gif)
小さい頃 小学生時代は
ケンカは負けが多く くやしかった。
菊ちゃんなんて 大人になっても
くやしい事 多かったかも。
高校生 になると ガがつよくなり
ケンカをして 負けても
くやしい などと 顔にも 出さない。
冷たい冷淡な子 に成ろう と思っていた。
そんな 高校時代を経て
今 大人。 子供や大切な人に
愛情をそそげる自分になった。
『杜の都と女の学園』より
(2009年3月18日)
あらっ。。。デンマンさんはよく覚えていますわねぇ〜。
もちろんですよ。 小百合さんの内心に触れたように思いましたからね。 うししししし。。。
でも、デンマンさんは女心を理解していませんわ。
。。。ん? 女心を理解していない?
そうですわ。。。女は感情を抑えていても、めれんげさんのように心のどこかで素直に感情を表現したいという気持ちがあるものですわ。
ほおォ〜。。。小百合さんにも、そのような気持ちがあるのですか?
もちろんですわ。。。だから、私はかつて次のように書いてしまったのですわ。
今、一番居なくなって
困る人
前略
まだ1月、寒さが続きますね。
入院などしないように。
今、一番デンマンさんが居なくなると困ります。
その次が私の髪の毛をストレートにしてくれる
パーマ屋の人。
その次が長〜い付き合いの歯医者さん。
私の事を良く知って頼っていた人が急に居なくなると困ります。
父のように、もう会えないのは困ったです。
乱筆ですいません。
早々
小百合より
2008年1月7日
『武蔵と卑弥子さん』より
(2009年6月20日)
普通の状態の私ならば、このような事は書かないのですわ。
でも、めれんげさんのように感情を表現したと言うほどの事ではないですよ。 感情を表現するというのは、たとえば次のような歌を詠むと言う事ですよ。
やわ肌の
あつき血汐に
ふれも見で
さびしからずや
道を説く君
by 与謝野晶子
『熱き肌』に掲載
(2010年3月12日)
(yosa11.jpg+yosa22.jpg)
くちづけ
(kiss003.gif)
罪深き
ことと知りつつ
この夜も
きみのくちづけ
もとめて止まぬ
(merange52.jpg)
by めれんげ
2009.01.14 Wednesday 14:21
『即興の詩 冬枯れ』より
『めれんげさんと六条の御息所』に掲載
(2010年2月12日)
分かるでしょう! 感情を表現するというのは与謝野晶子の愛欲が迸(ほとばし)る和歌とか、めれんげさんの赤裸々な激情の告白のことを言うのですよ。
感情表現は人それぞれによって異なるものですわ。 与謝野晶子さんや、めれんげさんのように情熱を情熱のままに表現する女性が居るかもしれません。 でも、いつも感情を抑えている人にとっては「今、一番デンマンさんが居なくなると困ります」ということを書くことさえ“清水(きよみず)の舞台から飛び降りる”ほどの決断を必要とするのですわ。 もし、デンマンさんがブログで公開すると知っていたら、私は絶対に書きませんでしたわ。
ほおォ〜。。。、小百合さんにとって、ただそれだけの事を言うのに“清水の舞台から飛び降りる”ほどの決断を必要としたのですか?
そうですわ。
感情を表現するというのは、それほど女性によって違うものですか?
そうなのですわ。
う〜♪〜ん。。。なるほどねぇ〜。。。
何がなるほどねぇ〜なのですか?
あのねぇ〜、確かに与謝野晶子の愛欲が迸(ほとばし)る和歌とか、めれんげさんの赤裸々な激情の告白は素晴らしいものですよ。 でもねぇ、考えてみたら小百合さんの感情表現も素晴らしいですよ。
そうでしょうか?
そうですよ。 次の3行に込められた小百合さんの感情表現も、読み返せば読み返すほど味わい深いものだと、しみじみと思いましたよ。
(sayuri2.gif)
デンマンさんと一緒に食べた
長崎ちゃんぽん。
「柚子こしょう」も入れました。
それは、デンマンさんが勝手にそう思い込もうとしているだけですわ。
でも、それでもいいじゃありませんか! 僕にとってはロマンなんだから。。。
(laugh16.gif)
(すぐ下のページへ続く)