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漫画家と平和(PART 3 OF 3)

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漫画家と平和(PART 3 OF 3)




アメリカの空襲を受けて、東京をはじめ都市部はどこも焼け野原。
おまけに政府は戦争を続けるために国債を大量に乱発していたので、敗戦直後はものすごいインフレになった。
物価は数十倍になって、戦前に貯めていた貯金や財産は無に等しくなった。
おまけに空襲で家をなくし、人びとは食糧不足で苦しんだ。



1945年3月の東京大空襲で

焼け野原になった江東区。

「約310万人が死んだ」とか簡単にいうけれど、一人の人間が死ぬことは、遺族や縁者に、大きな傷を残すことだった。
作家の夢野久作の長男だった杉山龍丸という人は、敗戦直後に復員事務の仕事に就いていたときのことを回想して、こう述べている。

「私達は、毎日毎日訪ねてくる留守家族の人々に、貴方の息子さんは、御主人は亡くなった、死んだ、死んだ、死んだと伝える苦しい仕事をしていた」。
「留守家族の多くの人は、ほとんどやせおとろえ、ボロに等しい服装が多かった」。
杉山はある日、小学校二年生の少女が、食糧難で病気になった祖父母の代理として、父親の消息を尋ねにきた場面に出会った経験を、こう書いている。


私は帳簿をめくって、氏名のところを見ると、比島(フィリピン)のルソンのバギオで、戦死になっていた。
「あなたのお父さんは---」
といいかけて、私は少女の顔を見た。 やせた、真っ黒な顔。
伸びたオカッパの下に切れの長い眼を、一杯に開いて、私のくちびるをみつめていた。
私は少女に答えねばならぬ。
答えねばならぬと体の中に走る戦慄を精一杯おさえて、どんな声で答えたかわからない。
「あなたのお父さんは、戦死しておられるのです。」
といって、声がつづかなくなった。
瞬間 少女は、一杯に開いた眼を更にパッと開き、そして、わっと、べそをかきそうになった。



…しかし、少女は、
「あたし、おじいちゃまからいわれて来たの。 おとうちゃまが、戦死していたら、係りのおじちゃまに、おとうちゃまが戦死したところと、戦死した、ぢょうきょう(状況)、ぢょうきょうですね、それを、かいて、もらっておいで、といわれたの。」

私はだまって、うなずいて……やっと、書き終わって、封筒に入れ、少女に渡すと、小さい手で、ポケットに大切にしまいこんで、腕で押さえて、うなだれた。
涙一滴、落さず、一声も声をあげなかった。
肩に手をやって、何か言おうと思い、顔をのぞき込むと、下くちびるを血が出るようにかみしめて、カッと眼を開いて肩で息をしていた。
私は、声を呑んで、しばらくして、
「おひとりで、帰れるの。」と聞いた。 少女は、私の顔をみつめて、
「あたし、おじいちゃまに、いわれたの、泣いては、いけないって。おじいちゃまから、おばあちゃまから電車賃をもらって、電車を教えてもらったの。 だから、行けるね、となんども、なんども、いわれたの。」
…と、あらためて、じぶんにいいきかせるように、こっくりと、私にうなずいてみせた。
私は、体中が熱くなってしまった。 帰る途中で私に話した。
「あたし、いもうとが二人いるのよ。 おかあさんも、しんだの。 だから、あたしが、しっかりしなくては、ならないんだって。 あたしは、泣いてはいけないんだって。」
…と、小さな手をひく私の手に、何度も何度も、いう言葉だけが、私の頭の中をぐるぐる廻っていた。
どうなるのであろうか、私は一体なんなのか、何が出来るのか?


(注: 写真とイラストはデンマンライブラリーから貼り付けました)



84 - 88ページ 『日本という国』
著者: 小熊英二
2006年3月3日 初版第1刷発行
発行所: 株式会社 理論社




お涙ちょうだいの話を持ち出してきてデンマンさんは読者の感情に訴えるのですか?



オマエは分かってないねぇ〜。。。オマエは読者をナメてるのかア? 僕はオマエの本の読者なんだよ! オマエ、自分の書いたものをもう一度じっくり読めよ!


そもそもわしは丸山眞男(まさお)に始まり、加藤(典洋)や大江(健三郎)の言ってきた昔ながらの「個の確立」というやつに対するアンチテーゼとして『戦争論』を描いたんだからね。
にもかかわらず彼らの書いた反論というのは、なおも昔ながらの言葉をそのまま繰り返しているだけ。
そんなんじゃわひの『戦争論』を到底崩せるはずがない。
どうにも時代遅れというか、向こうの方がずっと古い議論なんだよ、本当はね。
あんなんで若い人たちが説得されるはずがない。 

ナメてるんでしょーね、やっぱ。

読者をナメきっているってのが

一番目についたなー。

(注: 赤字はデンマンが強調)



34ページ 『「個と公」論』
著者: 小林よしのり
2000年5月10日 第2刷発行
発行所: 株式会社 幻冬舎




オマエは、こんな事を書いているけれど、オマエこそ読者をナメてるんだよ!



デンマンさんはマジでオイラの本の読者なのですか?

オマエはくどいよ! 僕はオマエの熱烈な読者なんだよ! これだけオマエの本をじっくりと読んで、まともに批判する奴は他に居ないだろう?

居ますよ! うじゃうじゃ居ますよ! 日本の言論人・知識人の馬鹿さかげんがウンザリする程分かりましたよ。

つまり、オマエよりも愚か者が日本にはたくさん居ると言いたいの?

うへへへへへ。。。そのようですね。 (満足の微笑)

オマエ! 笑っている場合じゃないだろう!?

デンマンさんはオイラを馬鹿にするようですけれど日本はABCD包囲陣(アメリカ、イギリス、中国、オランダ)に経済封鎖を受けて戦争に追い込まれたのですよ。 日本は戦争しなければ植民地にされるところまで追い込まれた。

確かにそうだよ。

あれっ。。。デンマンさんも同意するのですか?

同意するよ。 でもなァ、愚かなオマエと違って、絶対に大東亜戦争を肯定するようなことはしない!

なぜ。。。?

そんな事はごく簡単に説明がつくよ。

だったら、ズバリ!言ってくださいよ。

あのなァ、オマエが美徳だという「士風」は歴史的に見て単なる「私情」でしかなかった。 しかも、その「私情」さえ、大東亜戦争の終結の前には、粉々になって消えていた。

その根拠は。。。?

ちょっと次の小文を読んでみてよ。


天皇が否応なしに思い出すことになるのは、前日、(昭和20年)6月8日の御前会議で読み上げられた「国力ノ現状」がまさしく絶望的であり、恐ろしいかぎりのものであったことだ。
すべての生産がどうやらつづくのはこの夏までだ。

 (中略)

首相、陸軍大臣、枢密院議長、重臣たちのだれもが、もはや大義、名誉、海外領土、権益、なにひとつ守ることはできないと諦めているが、ただひとつ、皇室と皇統を守るために戦いをつづけなければならないのだと主張してきた。

 (注: 赤字はデンマンが強調)



149 - 150ページ
『原爆を投下するまで日本を降伏させるな』
著者: 鳥居民
2005年6月7日 第1刷発行
発行所: 株式会社 草思社






分かるだろう? 首相、陸軍大臣、枢密院議長、重臣たちのだれもが、もはや大義も名誉も何一つ守ることはできないと諦めていた。 「士風」など消えていたのだよ! それなのに何のために戦い続けたのか?



皇室と皇統を守るためですよ。

いや、違う! なぜなら皇室と皇統は正義じゃない! 平和こそ正義だと天皇が気づいた。

その根拠は。。。?

次の小文を読んでみろよ!




天皇陛下はどうなさっているのかという国民の声なき声がある、一億玉砕を叫び立て、本土決戦をおこなうことになり、多数の非戦闘員がころされることになれば、陛下にたいする怨みは噴出すると、二人(高木八尺と南原繁)は言うのだ。

自分にたいする怨みの感情が国民のあいだに起きるという、初めて聞く話に、天皇は当惑し、混乱しはしたものの、理解できたにちがいない。

 (中略)

林のあいだの小道を歩きながら、天皇は南原と高木が説いたとおりだと重ねて思ったにちがいない。
戦争を早くやめなければ「皇室護持」の(元駐日大使)グルーの力は弱まり「皇室抹殺」派の力が強まる。

 (中略)

そのときから13日、昭和20年6月22日、天皇は6人の政府、統帥部の首脳に向かって、戦争終結の決意を述べた。



149 - 150ページ
『原爆を投下するまで日本を降伏させるな』
著者: 鳥居民
2005年6月7日 第1刷発行
発行所: 株式会社 草思社




分かるだろう? 戦争も侵略も悪なんだよ。 オマエのように大東亜戦争を肯定する人間は悪人なんだよ。 天皇は悪人になることを避けたのだよ。



その根拠は。。。?

オマエは根拠に拘るんだね。。。あのなァ〜、天皇は平和があってこそ、皇室と皇統が守られるということに気づいた。 それで戦争終結の決断をした。 もし、天皇がオマエのような愚か者だったら戦争をやめるどころか「士風」こそ後世に伝えよ、と言い張って一億玉砕に突き進むのだよ! でも、天皇はそうしなかった。 皇室と皇統よりも平和の方が大切なことが分かった。 これで愚かなオマエにも平和が正義だということが分かったろう?

いや。。。分かりません!! オイラは何が何でも、あくまで大東亜戦争を肯定します。

あっ、そォ〜♪〜。。。じゃあ勝手にすればァ〜。 日本国憲法では「言論の自由・表現の自由」が保障されているし、「思想および良心の自由」もあるからね。 オマエが大東亜戦争を肯定するのに僕は異存はないよ。 でもなァ、僕は大東亜戦争を99.9%否定する!

分かりました。 しかし『苫小牧殺人事件』の母親とオイラの精神構造が同じだという説明がまだありません。

オマエは、それまで僕に言わせるのォ? あのなァ〜、平和が正義なんだよ! だからもし、日本に居る母親が愛欲とふしだらな生活の虜(とりこ)になって自分の子供を殺し始めたら平和が保たれると思うか?

保たれると思います。

馬鹿言うなよ! 『苫小牧殺人事件』を起こした母親が日本女性のほとんどを占めたら、日本の母親たちが気が狂ったように我が子を殺し始める。 日本の平和が保たれるわけがね〜だろう!

どうして。。。?

『苫小牧殺人事件』を起こした母親にもオマエにも「平和が正義だ」という思想が欠如している。 だから、あの母親は我が子を殺すことができた。 オマエは一億玉砕を主張するような愚劣な考えに凝り固まって大東亜戦争を肯定している。 もし、第3次世界大戦になって、オマエが日本政府の先頭に立ったら、それこそ国家権力を後ろ盾にしてサリンのような凄まじい事をやるに違いない。 「士風こそを後世に伝えよ」というオマエの愚かな考え方のために、何千万何億という人間が犠牲にされるに違いない! つまり、『苫小牧殺人事件』の母親もオマエも人権無視・生命無視の同じ精神構造を持っているということだよ。


【レンゲの独り言】



ですってぇ〜。。。
デンマンさんは言いたい放題のことを言ってますよね。
ところで、あなたは小林よしのりさんが書いた『戦争論』を読みましたか?
デンマンさんが取り上げた『「個と公」論』も読みましたか?

『戦争論』は65万部売れたのですって。。。
出版されたのは、もう10年以上も前のことですから、現在までにはもっと売れているもしれません。
かなり話題になりましたよね。

あなたは大東亜戦争を肯定しますか?
戦争が正義か?
平和が正義か?
考えてみたことがありますか?

とにかく、また、あさってが面白くなりそうです。
だから、あなたも読みに戻ってきてくださいましね。
じゃあねぇ。






ィ〜ハァ〜♪〜!

メチャ面白い、

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こんにちは。ジューンです。

わたしもデンマンさんに薦められて

『「個と公」論』を読んでみましたわ。

インタビュー形式で対談のようになっています。

マンガは全く描いてありません。

言葉を惜しみなく駆使した実験だそうです。

インタビュアーが「時浦兼」という人物なんですね。

同書の403ページに書いてあります。

でも、「時浦兼」という人物が実在したとしても

二人の会話がそのまま活字になったのではないと

わたしは思います。

2ちゃんねる流に言えば「自作自演」ですよね。

良くてインタビューに見せかけた「創作」だと思います。

デンマンさんのこれまでの記事を読めば

分かると思いますけれど、

上の記事はデンマンさんの「自作自演」です。

マンガ家の「オマエ」と「僕」はデンマンさんが

一人で二役を演じています。

つまり、「創作」です。

ただし、記事で引用した本の内容は

小林よしのりさんが書いたそのものを引用しています。

誤解がないように老婆心から申し上げました。



ところで、卑弥子さんが面白い記事をまとめました。

寒さを笑って吹き飛ばすために

ぜひ読んでみてくださいね。

■ 『笑って幸せな気分になれるサイト』



では、今日も一日楽しく愉快に

ネットサーフィンしましょうね。

じゃあね。





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