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漱石のラブレターを読みたい(PART 1 OF 3)

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漱石のラブレターを読みたい(PART 1 OF 3)

 


(valent1.gif)


(lovelet5.gif)





(merange12.jpg)

デンマンさん。。。、どないなわけで あんさんは夏目漱石のラブレターを読みたいん?


(kato3.gif)

いや。。。 わては夏目漱石のラブレターを読みたいわけではあらへん。

そやけど、タイトルに そう書いてあるやん。

あのなァ~、夏目漱石のラブレターを読みたいのは わてではあらへん。

それやったら、いったい誰が夏目漱石のラブレターを読みたいん?

ちょっと次のリストを見て欲しいねん。


(liv50904b.png)

『拡大する』



これはライブドアの わての『徒然ブログ』の9月1日から4日までの「リンク元URL」のリストやねん。。。 赤枠で囲んである 29番に注目して欲しい。



あらっ。。。 GOOGLEで検索して あんさんの投稿した『漱石のラブレター』を読みはったのやねぇ~。。。

そういうことやがなァ~。。。

つまり、その人が「漱石のラブレターを読みたい」と入れてGOOGLEで検索しやはったん?

そういうことやがなァ~。。。 次のようにして検索しやはってん。。。


(gog50907a.png)

『現時点での検索結果』



上の結果の中から赤枠で囲んである『徒然ブログ』の記事を読みはったのやァ~。。。



(natsume.jpg)

1901(明治34)年2月20日

国を出てから半年ばかりになる。
少々嫌気(いやけ)になって帰りたくなった。
お前の手紙は二本きたばかりだ。

 (中略)

お前でも子供でも死んだら電報ぐらいは来るだろうと思っている。
それだから便りのないのは、さほど心配にはならない。
しかし、はなはだ淋しい。

 (中略)

だんだん日がたつと国の事をいろいろ思う。
俺のような不人情なものでも、しきりにお前が恋しい。
これだけは奇特といって褒(ほ)めてもらわねばならぬ。

ロンドンにて 

漱石



【デンマン注:】 読み易いように句読点を加え現代かな遣いに直して引用しました。
漢字も分り易いように、かなや略字体に変えました。あしからず。

241-242ページ 『漱石の孫』
著者: 夏目房之介
2003年4月22日 初版第一刷発行
発行所: 株式会社 実業之日本社




夏目漱石のラブレターなんてぇ、ちょっと意外やろう?。。。なんだか、聖徳太子のラブレターと言うような意外性があるやんかぁ。



確かに、そうやねぇ~。。。

この上のラブレターは漱石の妻である鏡子夫人に書いたものやがなぁ~。

そやから、どうやと言うねん?

わてはとっても意外に思ったのやぁ。

どないなわけで。。。?

どうしてってぇ、漱石の鏡子夫人は悪妻で有名やがなぁ~。。。これまでに鏡子夫人のことを褒めている文章を読んだ事なんて、わては一度もあらへんでぇ~。。。ソクラテスの妻も悪妻と言うレッテルを貼られているけれど、日本では鏡子夫人が、まさに「ソクラテスの妻」と言われるほどに悪妻で有名やった人やでぇ~。。。その人に漱石がラブレターを書いていたなんて、わてにはメチャ意外に感じられたのやがなぁ~。。。

そう言われてみれば、確かに、そうですわぁ~。

そやろう?。。。だから、わては漱石のラブレターを取り上げる気になったのやがなぁ。

ただ、それだけの理由でぇ~?

ちゃうがなぁ。。。漱石のラブレターだけやったら、わてはこうして取り上げなかったかもしれん。

それなのに、どうして取り上げる気になったん?

あのなぁ~。その漱石のラブレターに鏡子夫人もラブレターで返信を書いているのやがなぁ~。

マジで。。。?

こういう所で冗談を言っても、あまり面白くないんやでぇ~。。。うししししし。。。

でも、あんさんは面白そうに笑っていますやんかぁ~。。。

あのなぁ~、鏡子夫人は悪妻には似合わないような見事なラブレターを書いているねん。

ホンマにィ~。。。?

そうなのやぁ!。。。とにかく、ここに書き出すから、まず、めれちゃんも読んでみィ~なぁ。



(girl122.jpg)

あなたの帰りたくなったの、淋しいの、女房の恋しいなぞとは、今までにない珍しいことと驚いております。
しかし、私もあなたのことを恋しいと思い続けていることは負けないつもりです。
お別れした初めのうちは、夜も眼が覚めると寝られぬくらい考え出して困りました。

けれども、これも日が立てば自然と薄くなるだろうと思っていましたところ、なかなか日がたっても忘れるどころか、余計に思い出します。
これもきっと一人思いで、つまらないと思って、何も言わずにいましたが、あなたも思い出してくだされば、こんな嬉しいことはございません。
私の心が通したのですよ。

しかし、またお帰りになって、ご一緒に居たら、喧嘩をすることだろうと思います。

 (中略)

私はお留守中、いくら大病にかかっても、決して死にませんよ。
どんな事があっても、あなたにお目にかからないうちは死なないことと決めていますから、ご安心遊ばせ。

鏡子

1901(明治34)年4月13日消印

著者あと書き:

このあとに、女を買ったりしないとの漱石の手紙に答え、「あなたのことだから安心している、もしあってもなんとも思わない、しかし、私のことをお忘れになってはいやですよ」、とあるという。



【デンマン注:】 読み易いように句読点を加え現代かな遣いに直して引用しました。
漢字も分り易いように、かなや略字体に変えました。あしからず。
イラストはデンマンが貼り付けました。

249ページ 『漱石の孫』
著者: 夏目房之介
2003年4月22日 初版第一刷発行
発行所: 株式会社 実業之日本社




どうや、めれちゃん。。。愛情のこもった、ええラブレターやろう?



そうやねぇ~。。。、漱石のラブレターよりも愛情が感じられますやん。

めれちゃんも、そう思うかぁ~?。。。わても、鏡子夫人を改めて見直したのやがなぁ~。

マジで。。。?

もちろんやぁ。。。わては大真面目やでぇ~。

どうしてそれ程、見直す気持ちになりはったん?

“悪妻”というイメージから程遠いラブレターやがなぁ~。。。もし、鏡子夫人に小説を書かせれば、漱石よりも面白い小説が書けるのではないか?!。。。わては、そんな風に思ったほどなんやでぇ~。

あんさんは、それ程感動しやはったん?

そうなのやぁ~。。。この上のラブレターを書いたとき、鏡子夫人はいったい何才やったと思う?

30代の半ばですやろう?

めれちゃんも、そう思うのやろなぁ~。。。確かに、手紙の書き方から熟女を思い浮かべてしまう。。。でも、驚くなかれ、このときの鏡子夫人は23才やったのやぁ~。。。

ホンマにぃ~。。。それで漱石は。。。?

このとき漱石は34才やった。

マジで。。。?

『漱石の孫』に、そう書いてあった。。。悪妻と言うレッテルを貼られた鏡子夫人が、実は、愛情豊かな素晴らしい手紙を書く女性やったのやがなぁ~。。。

あんさんは、そのことに感動しやはったのォ~?

いや。。。そればかりやあらへん。

他に何がありますのォ~?

漱石の孫の房之介さんが次のように書いていたのやぁ~。。。


祖母(鏡子夫人)は、ときどきとんちんかんなことをいっては子供たちに笑われたらしい。
そんなとき、彼女はこういったというのだ。
「お前たちは、そうしてばかにするけれど、お父さま(漱石)はばかにしなかったよ。ちゃんと、やさしく教えてくださったよ」

その話を聞いたとき、漱石と夫人のあいだには、外からなかなかうかがい知れない情愛が、きちんと通っていたのだなと思った。
悪妻だとか、逆に漱石がひどい父親だというイメージだけでみてしまうと、そういう部分をみのがす。
でも、夫婦のように長年一緒にいる人間というのは、まさにそういうものではないかと思う。

しょっちゅうケンカしているから、あるいは関係が冷え切っているようにみえるから、そこになにもないかといえば、必ずしもそうではない。
本人たちですら気づかないものがある場合だってある。
人と人のあいだには越えがたい溝もあるかわりに、意外なほどの深い行き交いもあったりするのだ。

 (中略)

漱石が、夫婦などの日常は一見変化のないようにみえて、じつはそうではない。
力が拮抗して動かない相撲取りのように、じつは必死で手をつくしているのだとか、水鳥のように水面は優雅にみえても下ではさかんに足を動かしているようなものだというのは、そうした機微をいいあてている。

 (中略)

もしも漱石が、ただ病的で暴力的なだけの夫だったら、いくら明治の妻でも、覚悟して一緒にいやしないだろうと思う。
そもそも6人も子どもがいる(生まれたのは7人)のだ。
不仲とはいいがたい。

ただ、どう考えても漱石は、妻とのコミュニケーションにおいて不器用だったろう。
だいたいが自意識が先にたって自縄自縛におちいってしまうタイプの人間は、すべからく言動が不器用になる。

祖母も、そこはわかっていたのではないか。
祖母には、まるで菩薩のようなふところの深い愛情があったのかもしれない。
少なくとも子どもたちは「あの母だから漱石のような夫でも家が持ったのだ」と語り、終生彼女の母性を尊敬していたように思う。



246-248ページ 『漱石の孫』
著者: 夏目房之介
2003年4月22日 初版第一刷発行
発行所: 株式会社 実業之日本社




上の引用の中の菩薩のようなふところの深い愛情を読んでから、さらに鏡子婦人のラブレターを読むと、確かに、わてもふところの深い愛情を感じるのやがなぁ~。。。



たとえば、どういう所に。。。?

女を買ったりしないとの

漱石の手紙に答え、

「あなたのことだから安心している、

もしあってもなんとも思わない、

しかし、私のことを

お忘れになってはいやですよ」

鏡子夫人のこのような書き方の中に、わてはふところの深い愛情を感じるのやがな。23才の女が書いたものとは、わては、とても思えないのやぁ~。

そうですやろか?

あのなぁ~、鏡子夫人と比較するわけではないんやけど、同じ年頃の時に、レンゲさんは妻子ある男と恋に落ちてしまったのやがなぁ。

わたしも、その事なら聞いていますねん。

さよかぁ~。そんなら、ここにレンゲさんの不倫の手記があるさかいに、書き出すわ。めれちゃんもじっくりと読んでみィ~なぁ。


 (すぐ下のページへ続く)



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