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レモン戦争 (PART 1)

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レモン戦争 (PART 1)






レモンほど政治がらみの食品はなかった。
その「政治」が、私たちの健康を害している。

 (中略)

1990年春、カリフォルニアで何日も待った後、サンキストのレモン処理場を見学することができた。
そこでは、コンテナで運び込まれたレモンは、塩素剤のプールに落とされ、引き上げられるとアルカリ剤で洗われ、さらに植物ホルモンの2・4-Dをスプレーしてから、冷蔵倉庫に入れていた。
2・4-Dは、ベトナム戦争で用いられた枯葉剤の主成分で、発ガン性のある農薬だ。



一方、倉庫から出してきたレモンには、発ガン性カビ剤のOPP、催奇形性のある防カビ剤TBZをかけて出荷していて、そのシーンを写真とビデオに収めることができた。

日本でレモンを買って検査すると2・4-Dが検出された。
そのデータをつけて、8月に映像を公表したら大問題になり、レモンの価格は暴落した。
日本人は忘れやすいから、通常なら3ヶ月で価格は元に戻る。

だが、われわれが『ポストハーベスト農薬汚染』というビデオを製作してアピールしたところ、レモンの価格名なかなか上がらず、消費量は回復しなかった。

農薬オレンジジュース!?

(ポストハーベスト農薬)

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当時は、日本で売られているレモンはすべてサンキストだったから、一社だけが大損したわけである。

1994年にサンキストの会長が来て1300億円も損したと、日本子孫基金を非難して回った。
しかし、損害賠償請求などの措置はとらなかった。
自分たちが日本の食品衛生法に違反しているのだから、そんなことはできなかったのだ。

 (中略)

最近では、香料が違反添加物と認定され、食品の大回収事件が起きた。
違反香料は、自然界にも存在する物質で、しかも微量なので、検査しても添加したのかどうかわからない。
それが、内部告発で違反使用が判明し、大回収事件になったのである。

アメリカも EU も、FAO や WHO の専門家委員会もこの香料を認めていて、安全性に問題がないことがわかっていても、回収されたのだ。

それに対して、2・4-Dは、発ガン性や催奇形性のある違法な有害物質である。
レモンの木にかけると枯れる除草剤だから、レモンの実から検出されたのは、収穫後に使用されたものだ。

しかし、厚生省は、規制するとアメリカから政治的は反発を食うので違反にはしなかった。

マスコミでは「日米レモン戦争」と書かれたが、日本側は市民団体とマスコミが違反レモンを追求し、日本政府は何もしなかったのである。

(赤字はデンマンが強調。
読み易いように改行を加えました。
写真はデンマン・ライブラリーより)



94-95ページ
『食べるな、危険!』
著者: 日本子孫基金
2002年12月20日 第5刷発行
発行所: 株式会社 講談社




ケイトー。。。昨日(1月15日)は「スカートをはいた兵隊」で今日は「レモン戦争」なのォ〜?



いけませんか?

また、スカートの話が出てくるの?

いや、今日はスカートの話は全く関係ないのですよ。 「レモン戦争」と言っても実際に人が殺されたわけではないのです。 でも、昨日の話と少しは関係あるのですよ。

どのようなところが。。。?

次の箇所ですよ。






乱歩先生が書いた小説『お勢登場』は映画の中では発禁処分にされているのだけれど、実際には『大衆文芸』の1926(大正15)年7月号に掲載された。 この時期は「大正デモクラシー」の言わば最後の年ですよ。



「大正デモクラシー」って何よ?

1910年代から1920年代にかけて、つまり、大正年間に日本で起こった、政治・社会・文化の各方面における民主主義、自由主義的な運動や風潮や思潮のことですよ。 それがやがて軍国主義になってゆき、映画"The Mystery of Rampo"の中で描かれているような愚かな言論統制をやりだす。 ところが統制の真っ只中にも拘わらず丸亀連隊報道部の香川進大将や大本営の永井八津次・大佐のような良心的な人が居た。

だから。。。?

それにも拘らず日本では愚かな言論統制をやったり、何よりも太平洋戦争という負けるのが判りきったような戦争を無理矢理始めてしまった。

どうして、そうなってしまったの?

つまり、丸亀連隊報道部の香川進大将や大本営の永井八津次・大佐のような良心的な人がもっとたくさん居たのだけれど、時代に押し流されるままに声を上げなかったのですよ。

だから。。。?

だから、正しいと思う事は、そう思っているうちに言わなければならない。 そうしないと、悪い奴の言う事がだんだんと正論になってしまう。 だからこそ言論の自由・表現の自由は大切だと、僕はしみじみと思ったのですよ。 うししししし。。。

マジで。。。?

もちろんですよ。。。このような話の最後にウソやデマカセが言えるわけがないでしょう!? (微笑)



『スカートをはいた兵隊』より
(2012年1月15日)




つまりねぇ、正しいと思うことは日本人の一人一人が声を大きくして言わねばならないのですよ。 そうじゃないと自分勝手な政府の役人に馬鹿にされたままで終わってしまう。 結局、愚かな役人のために馬鹿を見るのは日本国民なのですよ。



ベトナム戦争で用いられた枯葉剤の主成分である2・4-Dが輸入品のサンキストのレモンのポスト収穫処理に使われていたのに政府が対策を取らなかったので民間団体の「日本子孫基金」が独自に調査してその危険性を公表したのね。

その通りですよ。 それにもかかわらず厚生省は、規制するとアメリカから政治的な反発を食うので違反にはしなかった、というのですよ。 本当に日本国民のために仕事をするならば、アメリカのプレッシャーよりも日本国民の健康の方が大切なのですよ。 そのような分かり切った事が政府の役人には分からない。 いや、分かっているのだけれど、役人は自分の首が切られるのが心配だから「事なかれ主義」に処理しようとする。

つまり、長い物(アメリカ)に巻かれるわけね。

そうなのですよ。 「触らぬ神(アメリカ)に祟り無し」と思ったのでしょうね。 日本の役人は日本国民を馬鹿にしているのですよ。 

。。。で、この「日本子孫基金」はどういう団体なの?

消費者が会費を出して基金を作り、危険な化学物質の調査や検査をしようと1984年に設立された市民団体なのですよ。 これまでに次のような活動をしてきたのです。


日本子孫基金の活動

● 2002年・ベストセラー『食べるな、危険!』

2002年に講談社から『食べるな、危険!』を出版、23万部のベストセラーに。
2005年の『新・食べるな、危険!』が10万3000部なので、計33万部を超えた。
本の内容が支持されたので、抗生物質・抗菌剤を使わない畜産が増加し、スーパーで簡単に安心できる肉を買うことができるようになった。

● 2004年・排気のきれいな掃除機

ヨーロッパの高級掃除機は、排気中の微細なチリ(0.3μm)をゼロにして排出しているのに、日本の掃除機はすべて排気が汚く、3μmのチリも排出していて、ぜんそくや肺炎の原因になっていると警告。
この排気問題を冒頭に取り上げた『使うな、危険!』(講談社)を2005年に出版。
販売部数は9万部を超えたが、テレビが家電メーカーに遠慮して、この情報が一切流されなかったので、日立など一部のメーカーの、ごく一部の機種しか排気はきれいになっていない。
韓国では、小若が行っている方法で掃除機の排気実験がテレビで取り上げられ、現在は各社の高級機種はヨーロッパ並みのきれいな排気になっている。

● 2007年・エコロジー建築の事務所

相根昭典、早田之彦、深沢良仁、山賀康弘を始めとするエコロジー派の一級建築士、木材研究家の見尾貞治、木村木材工業の木村司社長などの助言を得ながら、さいたま市与野本町に、丈夫な基礎の上に、内部は無垢の木材、外部は金属のガルバリウムで被い、水道はステンレス管を用いた超耐久性エコロジー事務所を建設。

● 2008年・中国産冷凍毒ギョーザ事件

2008年1月、中国産冷凍ギョーザを食べた人に命にかかわる被害が出ていることが判明。
(事務局長の)小若は、事件が判明した日、21時からのNHKニュースウオッチ9に出演し、食品テロ説が最も有力と解説。
事件は判明するにつれて小若の予想したとおりの展開となり、テレビ各局に1週間で30回ほど出演した。

● 2008年・ミネラル不足への取り込み

中国産毒ギョーザ事件でテレビ出演中、「水煮食品」の取材映像を見て、輸入食品を多く食べる日本人はミネラル不足になっていると小若は確信し、それからは食品のミネラル不足問題に取り組んでいる。
2008年9月、『無添加白だし(三合わせ)』によるモニター調査を開始 2008年10月、『無添加白だし』を飲み始めたアスペルガー症候群の「こうちゃん」が劇的な改善を始める。
2010年2月、必須微量ミネラル不足を警告した『食べなきゃ、危険!』を出版し、この本を読んで、心身の健康を回復した人が次々と現れている。
2010年8月、現代の各種食品を実測し、主要ミネラルが共通して不足していることを立証。
データをまとめて、1ヵ月くらい現代的な食事をしていると、高い確率で病気にかかることを警告したポスター『ミネラル不足の食事』を発表した。
2010年12月、各人気商品の主要5ミネラルの実測値を掲載した『食事でかかる新型栄養失調』を出版。



出典: 「小若順一」
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』




あらっ。。。食品だけじゃないのね。



アメリカのラルフ・ネーダーのように消費者を守るために立ち上げた市民団体なのです。

。。。で、ケイトーも関わっているの?

いや、僕は全く関わっていません。 こうして記事を書いているだけです。

。。。で、今日は何が言いたいのよ。

あのねぇ〜、消費者を守る市民団体が政府の役人に対して正しいと思う事をするのは良いのだけれど、農薬に関して言えば消費者自身にも問題があるのですよ。

たとえば。。。?

次の箇所を読むと良く分かります。




ミカンにも、想像以上の農薬が使われている。 ... ミカン栽培は病気や虫との闘いだからだ。
日本ではポストハーベスト農薬の使用はないが、栽培中は大量の農薬が使われるのだ。
すなわち、年間述べ10回から20回に及ぶ薬剤散布が行われている。

 (中略)

では、農薬の使用を減らすとどうなるか。
無茶々園の宇都宮広さんによると、見てくれが悪くなって、市場出荷の時点で評価が低くなり、買い叩かれるという。
もともと、ミカン栽培に農薬はあまり必要ではない。
土作りがきちんとされて樹が健康に育っていれば、多少の菌や虫でやられてしまうことはないのである。
ただ、外見が悪くなる。
それを嫌って農薬が使われるのである。

 (中略)

消費者が外観にこだわらなければ、農薬は減らせるのである。
 
(赤字はデンマンが強調。
読み易いように改行を加えました。
写真はデンマン・ライブラリーより)



98-99ページ
『食べるな、危険!』
著者: 日本子孫基金
2002年12月20日 第5刷発行
発行所: 株式会社 講談社




消費者が見てくれを気にして買うので、生産者が大量に農薬を使って「見てくれ」の良いみかんを作ろうとする。



日本人には内容よりも外観が大切なの?

欧米人比べると、そう思う人が多いのですよ。

マジで。。。?

シルヴィーも日本へ行けば判りますよ。 バンクーバーあたりでは、家にいるままの服装でロブソンストリート(バンクーバーの銀座)に出かける人が多いけれど、東京の近郊では「よそ行きの仕度(したく)」をして銀座に出かけるのですよ。 そうじゃないと「みっともない格好をしていると思われはしないだろうか?」 どうしても他人の眼を気にする習慣が日本人にはできている。

ミカンも、だから見てくれの良いものを買うの?

そうですよ。 見てくれの悪いものはお客さんに出せない、とまず、そういう思いがオツムに浮かぶのですよ。 とにかく日本人はカナダ人と比べたら、食べ物だけじゃなく、すべてのものに対して圧倒的に「見てくれ」を気にします。


 (すぐ下のページへ続く)


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