CIAの黒い糸(PART 2 OF 3)
(belize3.jpg)
1986年世界銀行が重要な報告を発表、カカオ価格の低下傾向はまもなく逆転するだろうと予測した。
国際市場にカカオがあふれて、フェリックス・ウーフェ・ボワニのコートジボワールの奇跡が崩れ去り、多国籍企業が喜んだことなど、トレドの農民はまったく知らなかった。
業界関係者は皆、これはバラ色の見通しの中の小さな染みにすぎないと農民に語った。
楽観主義の一因として、アメリカ政府の方針と政策がベリーズのカカオを強力に後押ししているのを皆が知っていたことがある。
ベリーズのカカオ生産を推進していたのは、アメリカ国際開発庁(USAID)だった。
この部局はアメリカの外交政策の重要な実行部隊だった。
支援を必要とする相手に物質的な恩恵を与えるが、USAIDは自ら目的の優先順位を決して間違えることはない。
1961年にケネディが身も蓋もなく言った通り、「アメリカの政治的、経済的利益を推進する」ことだ。
USAIDの官僚はCIA(中央情報局)と怪しげなつながりを持っている。
繰り返し否定されてはいるが、ベトナム戦争期の東南アジア、ニカラグアやエルサルバドル動乱のときの中米・ソ連侵攻時のアフガニスタンでの工作にも関係してきた。
いずれにせよ、USAIDはアメリカの利益が関わるところではどこでも、政治的・経済的影響力を働かせる手段になっている。
1980年代後半、USAIDとその下部機関、保守的な汎米開発基金(PADF)はハーシー社、ベリーズ農務省と共同で、「カカオ促進プロジェクト」を始動させた。...1988年、3日間にわたってベリーズで開かれた長い会議の資料と議事録を見ると、有力関係者がカカオ産業の商業的可能性について、どれほど甘い言葉を並べたかがわかる。
。。。
壇上に上がった別のベリーズ政府関係者は、耳寄りな話をちらりと披露して見せた。
わが国は現在、2000万ドルの融資を世界銀行と交渉中である。
わが国の熱帯雨林を生産性豊かなカカオ農園に生まれ変わらせるためだ。
世界でもっとも有力な機関のうちの2つまでがついている。
カカオ促進プロジェクトの有難い話にも説得されたとれど農民に、議論の余地などあるはずもなかった。
(cacao2.jpg)
。。。
ハーシー社は、ベリーズ産の豆をすべて「市場価格で」買い取るという約束を喜んで守るつもりだった。
1988年、ベルモパンのフォーラム会場を埋めた生産者にハーシー社が約束したときには1ポンド当たり1ドル70セントだった。
まもなく1990年代初めに価格は1ドル25セントに下落、さたに90セント、70セントと急落した。
1993年ハーシー社が55セントしか出さないことに決めたとき、農民たちはこれでおしまいだと悟った。
「収穫することさえ意味がなくなっていました」
。。。
農民たちはカカオを農園で腐るに任せた。 。。。祖先が2000年前に育てた奇跡の作物で貧困を脱出するという夢は敗れ去った。
(cafe901.jpg)
(belize4.jpg)
<iframe width="400" height="315" src="http://www.youtube.com/embed/WJWJIJdbbxg" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
(赤字はデンマンが強調のため。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
338-343ページ 『チョコレートの真実』
著者: キャロル・オフ (北村陽子・訳)
2007年9月1日 第1版第1刷発行
発行所: 英治出版株式会社
『チョコレートと世界銀行』に掲載
(2012年2月10日)
要するに、USAIDの官僚はCIA(中央情報局)と怪しげなつながりを持っているわけですよ。
つまり、CIAは「アメリカの政治的、経済的利益を推進する」ことにも深く関わっているのね?
その通りですよ。 政治の世界は表面で建前を装(よそお)いながら、裏では本音で動いてますからね。 だから、本音を語らせれば、次の3人の政治家のように身も蓋も無い事を言うのですよ。
(humphrey.jpg)
人々が食糧問題でアメリカに依存するようになる可能性があるとのことである。
協力を取り付けるという観点から考えて、人々をアメリカ頼みとし、アメリカに依存するようにしたいならば、食糧の依存は最高だと思われる。
--- ヒューバート・ハンフリー上院議員 (1957年)
(kenedy.jpg)
対外援助は、アメリカが世界に影響と支配を及ぼす地位を維持するための方策である。
--- ジョン・F・ケネディ大統領 (1961年)
(nixon.jpg)
念頭におくべきは、援助の主目的が他国の支援ではなく、自国の支援であるということである。
--- リチャード・ニクソン大統領 (1968年)
しかも、そのような考え方は昔から伝統的にアメリカ政府の考え方でもあった。
その証拠でもあるの?
歴史的事実がそれを物語っていますよ。
冷戦が終わって状況が一変した。
CIA、 NSA(国家安全保障局)を中心とするアメリカの巨大情報網が、主ターゲットを対共産圏から経済戦略に切り替えたのである。
当時の世界経済は日本の一人勝ちであった。
1989年には CIA長官ウェブスターが「今後、日本を含む経済ライバル国家が、情報活動の対象となろう」と言明した。
1990年に国務長官のジェーム・ズベーカーが「冷戦での戦勝国は日本だった。 冷戦後も戦勝国にさせてはならない」と語った。
相前後して CIA が「ジャパン2000」という名のプロジェクトを著名な学者たちに委託した。
2000年までに日本を引きずり下ろす、の意であろう。
1992年には CIA長官ロバート・ゲイツが「CIA情報活動の4割を経済産業分野に振り分ける」、1995年にはCIA長官ドイッチが自らを「経済情報収集の熱烈な信奉者」と言い、同じころ、クリントン大統領は日米貿易交渉を貿易戦争と露骨に表現した。
アメリカが変貌したのである。
外交軍事では盟友であるアメリカが、経済では敵国に回ったのである。
。。。
1990年代から今日にかけて、ビッグバン、市場原理、グローバルスタンダード、小さな政府、規制緩和、構造改革、リストラ、ペイオフ、新会計基準、不良債権処理などを矢継ぎ早に登場し日本を席巻した。
それもアメリカが強く要請したものである。
これが戦略的なものであることは間違いないだろう。
この10年間の不況は、一言でいうと、経済においてアメリカが庇護者から敵に変わったことに気づかなかった、お人好し日本の悲劇であった。
(赤字はデンマンが強調のため。
読み易くするために改行を加えています。)
50-51ページ 『この国のけじめ』
著者: 藤原正彦
2006年5月10日 第4刷発行
発行所: 株式会社 文藝春秋
冷戦時代、アメリカの核の傘の下で日本はぬくぬくと経済大国になった。 それを見て何とかしなければと思っていたアメリカが冷戦が終わったので、日本バッシングに本腰を入れ始めたのですよ。
でも、実際に日本で CIA が動いているのかしら?
動いているのですよ。
その証拠でもあるの?
状況証拠がありますよ。 ちょっと次の小文を読んでみてください。
クーデターの指令本部は、南青山と西麻布の CIA東京本部と電通と共同通信の建物の中にある。
なんと早くも、(2010年6月)6日には、いつものインチキ世論調査の発表があって、「菅直人政権への支持率が、61%に急上昇」という奇怪な報道が即座に行われた。
このあと、10日に、新聞各社の横並びで数字がそろっている新政権への支持率、61%から68%(日経新聞が68%)という、日本国民を煽動する巨大な虚構の、世論調査の結果を報じた。
デイヴィッド・ロックフェラー系統が日本テレビ・新聞をすべて上から押さえていることで私たちは制空権を握られていることに等しい。
私たちは原住民としてヒソヒソ話で、真実を伝えあわなければならない。
昨年(2009年)の12月から開始された、鳩山・小沢打倒のクーデター計画は、前述したアメリカ人の下に、テレビ・新聞11社の政治部長会議、プラス検察・警察の最高幹部たち、とオール官僚トップのアメリカの手先連合である。
。。。
自民党の執行部(谷垣禎一と大島理森)と、みんなの党(渡辺喜美が代表)も何も知らされていなかっただろう。
クーデター直後には、豆鉄砲を食らったような顔をしていた。
アメリカは自民党を見捨てているから、今回は相手にしていない。
マイケル・グリーンと、マイケル・シーファーとジェラルドカーティスと、カート・キャンベルが率いる100人ぐらいの CIAの日本管理・謀略実行部隊は、それぞれが、2,3人の日本人工作員を抱えている。
この者たちが前原誠司、長島昭久を筆頭とする反小沢の民主党議員たちを、背後からあやつってクーデターを決行させた。
菅と仙石(官房長官になった)は、これまでずっと貧乏で、資金がないから、アメリカから数百億円の資金をもらって転んだのだろう。
売国奴の完成である。
(赤字はデンマンが強調のため。
読み易くするために改行を加えています。)
258-260ページ
『新たなる金融危機に向かう世界』
著者: 副島隆彦
2010年7月31日 第1刷発行
発行所: 株式会社 徳間書店
かなり、物騒なことが書いてあるじゃない。 ケイトーはマジで上に書かれた事が真実であると信じているの?
もちろん、すべてが真実だと信じているわけではありませんよ。 でもねぇ、「火のない所に煙は立たず」と言うでしょう!?
ええ。。。よく耳にする諺だわ。
だから、すべてが、すべてウソやデマカセとも思えないのですよ。
。。。で、上の記事の内容が真実に近いと言う根拠でもあるの?
ありますよ。。。でも記事が長くなったから、その事については次の機会に話しますよ。
(すぐ下のページへ続く)