お股の花々(PART 2 OF 3)
。。。(中略)。。。
菊ちゃんは字がほとんど読めないんですよ。読めるのはせいぜい平仮名ぐらいでしょうか。だから、買い物も一人では出来ないんですよ。計算が出来ませんからね。本当にオツムは7つぐらいなんですよ。
それで。。。?
菊ちゃんのお母さんだって、何とか菊ちゃんを自立させたいと思う気持ちがあるんでしょうね。だから、買い物にも慣れさせようとして肉屋さんや八百屋さんへ買い物に出すんですよ。でもね、メモ書きを持たせるんですよ。なるべくつり銭の面倒がないようにきっちりと商品代だけのお金が買い物籠に入れてあるんです。
デンマンさんは何がおっしゃりたいのですか?
つまり、菊ちゃんは自発的に物事を考えるような事が極めて苦手なんですよ。お母さんが言った事を守って生活する習慣が出来ている。だからね、僕と気まずい事があったあとで誰からも言われなくても、お盆の上にお茶とおやつの“八橋(やつはし)”を載せて僕の部屋に持ってきてくれた。。。分かりますか?。。。僕は本当に感動しましたよ。
菊ちゃんがデンマンさんに感じていた愛だと。。。?
そう言いたい所ですが、これだけでは不十分ですよね?
まだ他にあたしに話す事があるのですか?
このあとで、僕は『風とともに去りぬ』と言うあの名画をビデオで見たんですよ。
菊ちゃんと一緒にですか?
そうですよ。僕は英語の勉強のつもりでこのビデオを借りてきたんですよ。もちろん吹き替えなしで字幕ですよ。だから、字の読めない菊ちゃんには全く面白くはないはずなんですよ。もちろん英語が分かるはずもないですからね。
それで。。。?
この写真の名場面ですよ。僕はこの場面を何度も何度も繰り返してリプレーしたわけです。どのような事を言っているのか?このラブシーンもすばらしいけれど、この時のせりふに僕は妙に心惹かれるモノを感じたわけですよ。だから、英語の勉強もかねて何度も見たわけです。僕は菊ちゃんがそばに居るのも忘れるくらいに一生懸命に聴き取ろうとして見ているわけですよ。菊ちゃんはそのうちつまらなくなって部屋から出てゆくだろうと思っていたわけです。
それで、出て行ったのですか?
ところが僕と一緒になって一生懸命になって見ているんですよ。言っている事は何も分からないはずなんですよ。でも、僕と一緒になって一生懸命に、。。。僕と同じぐらい熱中して見ているんですよ。“菊ちゃん分かるの?” 僕がそう聞いたら、ニヤニヤってして、うなづくんですよ。しかも分かっているような表情を浮かべているんですよ。分かりっこないだろうに。。。僕はそう思っている。でも、どうなんだろうか?僕は、またムラムラっと。。。好奇心が頭をもたげてきたんですよ。
少年の頃のデンマンさんって、本当に好奇心が旺盛だったんですのね?
今だって旺盛ですよ。だから、僕はレンゲさんと。。。
なんですの。。。?
イヤ、この話をするとまた長くなるから、菊ちゃんの話だけにしておきましょうね。
言い出しておいて止めにしてしまうんですの?
だから、横道にそれると、またこの記事が長くなるでしょう?あとでゆっくりとレンゲさんに話しますよ。
分かりましたわ。それで菊ちゃんにどうしようとしたわけなんですの?
僕は、別にエッチな事をしようとした訳ではありませんよ。
だから、どうなさったのですか?
僕は菊ちゃんに尋ねたんですよ。“菊ちゃんは僕のお嫁さんになりたいんだよね?”
そしたら?
7つの女の子が大好きなお人形さんでも買ってもらえると思うように、にっこりして“あい”って返事をするんですよ。僕は言いました。“菊ちゃん、この映画の中の女の人もね、この男の人のお嫁さんになりたいんだよ。分かる?” そしたら、菊ちゃん、うなづくんですよ。
それで。。。?
僕は半信半疑ですよね。だから言ったんですよ。“じゃあ、この映画のようにキスしようか? ねっ?”
マジで。。。?
冗談で言ったわけではないんですよ。僕は菊ちゃんが本当に分かっているのかどうか?。。。マジで知りたいと思ったんですよ。
それで。。。?
そしたらね、上の写真のように眼をそっと瞑(つむ)って僕を見上げるようにしてキスを受けようとするしぐさをするんですよ。
それで。。。デンマンさんは、どうなさったんですの?
僕は、なんだか言葉にはならないような感動を覚えましたよ。7才の“女性の愛”なのだろうか?。。。菊ちゃんのキスを受け入れようとする表情を見ていたら僕はもう、誘い込まれるように唇を合わせましたよ。菊ちゃんのオツムは7才だとはいえ、菊ちゃんの体は立派な大人のものですよ。僕は菊ちゃんを抱きしめながらおっぱいの感触を胸に感じて無意識に右手でおっぱいを愛撫しようとしたんですよ。
で。。。?
そしたら、菊ちゃんは眼をガバっと見開いて、“それは絶対ダメ!”と言うような表情をして、僕から離れてしまいましたよ。まるでバネ仕掛けでしたね。キスを受け入れようとした時の期待に満ちた表情と、僕の手をおっぱいに感じて拒絶した時の表情の違いが、あまりにも対照的だったので僕には2度目の驚きでしたよ。
デンマンさんは、エッチな事をしようとしたではありませんか?
僕は、その先に進もうとは全く思っていませんでしたよ。
『燃えて悩んで』より
(2007年7月12日)
つまり、「お股の花々が、いやいや?」を読んだらデンマンさんのオツムに菊ちゃんの“桜の花”が思い浮かんできたのですか?
そうなのですよ。 うへへへへへ。。。
デンマンさんは笑って過去の罪をごまかそうとするのですか?
小百合さん。。。「過去の罪」なんてぇ、厳しいことを言わないでくださいよ。 僕は罪を犯す手前で踏みとどまったのですからね。 罪を犯していたら上のエピソードをノー天気に、このように記事にして書けませんよ。
デンマンさんは何でも書いてしまうではありませんか!
あのねぇ〜、人間には誰にでも絶対に話したくないことってあるのですよ。 このように古傷にも似たエピソードを公開できるということは、そのエピソードはその人にとって「大人のメルヘン」なのですよ。
つまり、デンマンさんにも誰にも話せずにお墓の中にまでもって行くような絶対秘密のエピソードがあるのですか?
だから言ったでしょう、そのような極秘のエピソードは誰にだってあるのですよ。 小百合さんだってあるはずですよ! 違いますか?
デンマンさんと違って私はもともと自分の事を世間に言うようなタチではないのですわ。 デンマンさんにメールを書いたときも、まさかデンマンさんがブログでネット市民の皆様に公開するなんて思いもよりませんでしたわ。
小百合さんはどうして自分のことを秘密にしたいのですか?
昔から「口は災いの元」と言うではありませんか! 私はもともと個人的な事は自分の胸の内に秘めておくタイプなのですわ。
つまり、小百合さんが僕にいろいろと個人的なエピソードを語ったということは異例のことだったのですか?
そうですわ。 デンマンさんに、いろいろとお世話になったのでついつい心を許してしまったのですわ。 私は目下反省しているのです。
ちょっと、それはオーバーではありませんか?
要するに、私にこの事を言わせるために「お股の花々が、いやいや?」を持ち出してきたのですか?
いや。。。違いますよ。 子供が素直に歌っている歌詞が大人の耳には全く関係ない他の言葉を連想させる。 確かにそのような事ってあるものですよ。 冒頭のエピソードでは、子供は Ol' McDonald had a farm. E I E I O! と歌っていたのに、大人の耳には「お股の花々が、いやいや?」と聞こえた。
デンマンさんにもそのような経験があるのですか?
あるのですよ。
最近ですか?
いや。。。僕が小さかった頃のことですよ。 その当時、島倉千代子さんが歌った『どうせひろった恋だもの』という歌がはやっていた。
どうせひろった恋だもの
(カラオケ) 映画が背景
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(歌声と字幕付き)
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ネットで島倉千代子さんが歌う『どうせひろった恋だもの』を探したけれど見当たらなかった。 どうやら初代のコロンビア・ローズさんが歌って、はやらせたらしのですよ。
デンマンさんは島倉千代子さんのファンなのですか?
いや。。。別にファンではありません。 当時の僕は幼稚園に通う年頃でしたからね。 それなのに『どうせひろった恋だもの』の歌を思い出すとき、なぜか島倉千代子さんの歌声が聞こえてくるのですよ。
『東京だよおっ母さん』
(セリフ入り) by 島倉千代子
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デンマンさんの記憶の中では、どうして島倉千代子さんが『どうせひろった恋だもの』を歌うのですか?
僕にも理由が判らないのだけれど、島倉千代子さんが歌った『どうせひろった恋だもの』が僕のオツムには印象的だったのでしょうね。 彼女の声は他のどの女性歌手よりも僕には印象的だったのですよ。 いまでも、彼女の歌声を聞くと、すぐに彼女が歌っていると判りますよ。
それで、その歌がデンマンさんにはどのように聞こえたのですか?
すてちゃえ、すてちゃえ
どうせひろった鯉だもの
僕は5歳か6歳でしたからね。 「恋」という言葉など実感としてオツムにない。 捨てる、拾う、のあとに「こい」だから、たとえ「恋」という言葉を知っていたとしても、「恋」を拾うとか、捨てるという考えが理解できなかったと思いますよ。 子供のオツムには「鯉を拾う」、「鯉を捨てる」というようにしか聞こえなかったのですよ。
でも、「鯉を捨てる」は解りますけれど、「鯉を拾う」じゃなくて「鯉を釣る」でしょう?
でも、子供の耳には「恋を捨てる」よりも「鯉を捨てる」の方がずっと現実的なのですよ。 見えない「恋」をどのように手にとって捨てるのか? 「恋」という言葉を知っていても、当時の僕には理解できなかったと思いますよ。 とにかく、どういう訳かこの歌が気に入って。。。特に鯉を拾って捨てる、というところが気に入って、何度も何度も歌ったことを覚えてますよ。
歌の内容も理解しないで「すてちゃえ、すてちゃえ、どうせひろった鯉だもの」と歌っていたのですか?
そうなのですよ。 知らない人が耳にすれば、ずいぶんませた子供だと思ったかも知れませんよ。 うへへへへへ。。。
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